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◆歯科医院経営ブログ

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歯科衛生士が辞めない職場とは?定着率が高い医院に共通すること  [2025年06月16日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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なぜ歯科衛生士は「急に辞めてしまう」のか?

ある日突然、信頼していた歯科衛生士から「院長、ちょっとお話が・・」「実は退職させていただきたいのですが・・」と告げられた経験はありませんか?
今や歯科衛生士の採用は極めて困難。だからこそ、既存スタッフの離職を防ぐことが経営に直結します。

特に歯科衛生士は国家資格者であり、専門性と独立性が高いため、業務環境・人間関係・やりがいに敏感です。

では、辞めない医院にはどんな共通点があるのでしょうか?

今回は、定着率の高い医院が実践している3つの視点から、辞めない職場の作り方をお伝えします。

 

 

1. 面談制度で「不安や本音」を拾えているか?

辞める理由は、実は給与や労働時間よりも院長に言えない不満・すれ違い、自尊感情の低下であることが多くあります。

例えば:

・他の歯科衛生士と比べて評価されていないと感じていた

・診療方針に納得できないが言い出せなかった

・院長から後輩指導を丸投げされたが育成の仕組みもないし、サポートもしてもらえなかった

・仕事を引き受けてくれて気が利くと院長に思われていたが”断りたくても断れない”だけだった

・院長から理不尽なことを言われた(院長は気づいていない)

・この医院で働いていても自分の未来が見えないと感じながらもズルズルと働いていた

 

これらの声は、定期的な1on1面談で丁寧に拾うしかありません。

ただし、信頼できて本音を言っても大丈夫だという相手にしか悩みを打ち明けることはない。

そして相手の言葉の意味を敏感に受け取れる人で、面談者の悩みを解決に導くことが出来る存在でなければ「この人に悩みを打ち明けても・・・」と思われてしまうのです。

 

 

2. スキル・キャリア評価制度で「自己効力感」が正しく育っているか?

定着率の高い医院では、給与や昇給が”何を根拠にして決まっているのか”が明確です。自分が何を頑張れば評価されて、頑張っていけばどんな道が開けるのかのロードマップが示されているのです。

そして自分が医院に必要な存在であることを確認でき、自分の頑張りが患者や地域に貢献できることであることを確信できる。そして、孤独ではなくチームとして理想を目指している中に自分も重要メンバーの一人として存在していることを感じられなければならないのです(自己効力感と集団的効力感)。

 

賞与や昇給を決める為の評価制度はチームメンバーのやる気と頑張りには繋がりにくい。

何故なら査定の要素が強い評価制度は、

・評価に対する本人の納得度が低い

・歩合制を希望する人にしかモチベートにならない

・定性的な頑張りが主観によってしか評価されない

・自己効力感を下げることにも繋がる

などの弊害があり、制度設計と運用面で大きな課題があるからです。

 

 

自分の成長によって社会貢献ができる。このチームにいれば未熟な自分もその一員になれる。その医院で働いている事を誇りに思える

組織が大きくなってきたり分院展開をしている場合に導入されることが多い評価制度。

ただ、査定の為の評価制度はチームとして目的をもって前進していく上で足かせになる危険性があることを知って欲しいのです。

 

経営面では定量的に把握して対策していくことが必要なのですが、人は感情によって動いています。

だから、定量的評価によって外発的に短期間動機づけられたとしても内発的動機が生まれる可能性は低いのです。

 

経験の浅い歯科衛生士が一歩づつ成長の階段を上がっていき、階段を登っている過程で心と技術が育っていく。

ベテランの歯科衛生士と自分との差を埋めるのではなく、〇年目のゴールとの差を自ら埋めようとする姿勢をサポートする関わり方を指導担当ができなければ、経験の浅い歯科衛生士は定着しないのです。

 

 

3. 役割と裁量のバランスが取れているか?

歯科衛生士のモチベーションを高めるには、【責任と自由のバランス】が不可欠です。

 

たとえば:

・経験に応じて、患者に応じてアポイント設計を自分で調整できる

・歯周病治療やOHIのプログラム構築に関われる

・新人指導を任される(育成カリキュラム、マニュアル動画あり)

・歯科衛生士チームのことを決める時に院長に相談される、歯科衛生士のことは歯科衛生士チームで決められる

一方で、過剰な負担や丸投げになってしまうと、かえってストレスになります。
そのためにも、役割の割り振りと、それに応じた【裁量とフォロー】のバランスが重要です。

 

「失敗してもいいよ」と院長が口では言っても、実際に失敗しても怒られないのは院長だけとなっていませんか?

《注目》【心理的安全性】=「失敗しても咎められず、意見を言える環境」があることが、裁量を活かす土台になります。

 

「スタッフに任せている」と言いながら院長が細かい事にも干渉してくる医院は多くありますが、それは二重権限となりチームの成長を阻害するのです。

 

 

辞めない職場づくりは「仕組み」と「対話」の積み重ね

定着率の高い歯科医院は、偶然そうなっているのではありません。
【日々の対話】【仕組みづくり】【安心して働ける空気】を意図的に整えているのです。

 

歯科衛生士の採用が難しい時代だからこそ、今いるスタッフが【この医院で長く働きたい】と思える職場づくりが何よりの差別化となります。

・先生の医院では、歯科衛生士の本音を聞ける場がありますか?

・本音を言っても大丈夫だと本人が感じているでしょうか?

・医院の理想は院長や幹部だけの理想になっていて、経験の浅いメンバーは置いてきぼりになっていないでしょうか?

・幹部歯科衛生士は指導者として成長できているでしょうか?

・努力が報われる制度と、安心して意見を言える関係性は育っていますか?

 

 

ご希望があれば、歯科衛生士が退職しないで成長していくチームづくりの支援も可能です。
スタッフの未来に投資する経営を、今から始めてみませんか?

 
 
★こちらもご覧ください。
 
 
 
 
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