どんな業種であっても、事業経営には予測不能な問題が起こり得ます。
例えば、
漁業で魚が取れる海域が突然変わる。
その地域だけが不漁になる。
あるいは、世界各国の大統領が交代し、外交や経済政策が急転換する。
「リスクはある」と分かっていても、具体的に何が起こるかまでは読めない。
では、歯科医院を取り巻く環境はどうでしょうか。
歯科医院の未来は“ある程度”予測できる
保険医療機関を巡る環境は、実はそこまで不透明ではありません。
国は、2040年に向けて医療提供体制をどう変えていくかを示しています。
・医療計画
・地域医療構想
・医療費適正化計画
・骨太の方針
・診療報酬改定の重点項目
これらはすべて公開されている。
しかも、「次回の改定で何を変えたいのか」まで、かなり丁寧に示されています。
つまり。保険医療は“予測不能な業界”ではない。
方向性は、事前に知らされているのです。
地域に起こる変化も、ある程度は読める
・人口動態
・高齢化率
・新興住宅地の開発計画
・商業施設の移転
・公共交通の縮小
これらも事前に分かる。
住環境が変われば、住民の行動も変わる。
日本全国の事例を見れば、ある程度の未来は予測できます。
厄介なのは「ジワジワ進む」こと
本当に難しいのは天災などを除く変化は急激には起こらないことです。
制度改革も、地域変化も、一気に来ない。
ジワジワと進む。
だから、
「まだ大丈夫」
「様子を見よう」
「今は忙しいから後で考えよう」
となる。
しかし、変化するからといって早すぎる対応も禁物。
経営資源の観点から見ると、
・早すぎる対応は成果に繋がらず収益を圧迫する
・遅すぎる対応は手遅れになる
重要なのは、
変化の影響が顕在化する“少し前”に対応が終わっていることです。
3年という時間軸を院長はどう活用するのか?
では、3年後はどうでしょうか。
3年という期間は、
・3年前の採用と教育の成果が見え始める時間
・中期経営計画の成果と正しさが証明される期間
・地域の変化に対して住民が対応を始めるタイミング
・前回の診療報酬改定への対応の成果が収益改善につながる時間
だから、3年後を描いた対策が3年前に出来ない院長は変化への対応が遅れるのです。
これは「バックキャスト」という思考術で、国も2040年のビジョンから2030年を描き、地域医療構想を描いているのです。
予測不能な変化に対応する力
もちろん、パンデミックや自然災害のような予測不能な変化も起こります。
しかし、制度改革や地域変化は、事前にヒントが出ている。
そこに備えられない医院が、突発的な変化に強いはずがありません。
ちなみに、予測不能な変化はリスクマネジメントの領域です。最近では、豪雨や地震などに対する対応マニュアルを整備することは必要不可欠となっています。
院長に問われているもの
採用計画も、
設備投資も、
事業拡大も、
すべては「予測」に基づく意思決定です。
医院の方向性が曖昧なままでは、成功確率は上がりませんし、スタッフは院長が何を目指しているのかを共有しないまま仕事をすることになるのです。
保険医療は、どう変わるかが事前に告知されている。
であれば、医院規模ごとに「どう対応するか」は考えられるはずなのです。
最後に
先生は、3年後の医院を具体的に描けていますか。
3年後の収益構造はどうなっていますか。
3年後のスタッフ体制はどうなっていますか。
3年後に地域の中での立ち位置はどうなっていますか。
それとも、「なんとかなる」と思っていますか。
未来は突然来ません。
静かに、しかし確実に近づいてきます。
3年後を描ける院長だけが、変化の少し前で動ける。
その準備は、もう始めていますか。
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