歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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患者単価が低い歯科医院の3つの共通点と改善策 ~診療の質を高めて収益性を向上させる方法~  [2025年06月14日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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「患者数は多いのに、なぜか収益が上がらない…」その本質とは?

多くの患者が来院しているのに、なぜか売上が思ったように伸びない。お金が残らない・・・
そんなお悩みをお持ちの院長先生も多いのではないでしょうか?

このような医院に共通するのが、「患者単価が低い構造」に陥っていることです。
そしてこれは単に「自費治療を提案していない」という話ではなく、診療の在り方や説明の仕組みに深く関係しています。

本記事では、「患者単価が低い歯科医院の3つの共通点」と、それを診療の質向上とともに改善していく方法をお伝えします。

 

 

共通点①:診査・診断が浅く、治療が「応急処置」止まりになっている

低単価の医院では、検査や診断が十分に行われないまま、処置が始まってしまう傾向があります。
これは、ドクター側に「保険でできる範囲だけで対応したい」「手間をかけすぎずスピード重視で」「主訴だけ対応すれば良い」といった心理があることも少なくありません。

もちろん、保険診療には一定の制限やルールがあります。
ただし、審査指導を過度に恐れて萎縮診療になってしまうと、本来患者の健康を守り健康リスクを伝える為に必要な検査・患者指導が省かれてしまい、結果として患者の治療価値が低い医院になってしまいます。

 

改善策

・診断~治療計画立案~治療説明・提案の流れを構築し、初診時にその患者に必要な「必要な検査と診断の流れ」を説明しスタッフと共有

・歯科衛生士による予備診断とドクターによる精密診断を分けた2段階アプローチの導入

・エビデンスやガイドラインをベースに、保険算定根拠を明示できるルール設計、算定学習会の実施

・特定の分野のエッジを立てる為に自費の治療技術を磨き、提案システムを導入し、患者単価アップの根拠とする

・診療報酬算定の施設基準を取得し加算点数を取れる様に取り組む

 

 

共通点②:治療や予防の説明が不十分で「選ばれる診療」になっていない

患者単価が高い医院には必ずと言っていいほど、治療法やリスク説明の仕組み(システム)があります。
逆に低単価の医院では、以下のような状況が起こっています:

・説明が「ドクターの空いた時間」に依存している

・図や資料、ツールがなくパノラマを使った口頭説明のみ

・自費治療や継続管理の提案が“言い出しにくい空気”(治療コーディネーターが提案に確信を持てない)

ある治療コーディネーターのいる医院では、初診カウンセリングで患者の要望を丁寧に聴き、担当ドクターに患者要望に沿った提案をしてもらえる様にフォローしたことで自費の売上が増えました

 

改善策

・カウンセリング用シートやiPadでのビジュアル説明の導入

・自費治療の“提案フロー”をマニュアル化、スライド化

・治療コーディネーター不在でも、受付・診療スタッフ、歯科衛生士が説明できる体制整備

・必要なステップを飛ばさない様にKPI(重要業績評価指標)を設定し数値測定による改善活動を実施

 

 

共通点③:予防・メインテナンスの継続来院率が低い

自費治療に頼らずとも、継続的なSPT・P重防、定期健診患者が安定して来院している医院は、患者単価が高く、かつリピート率も高い傾向にあります。
一方で、低単価の医院では歯科衛生士アポのキャンセル率が高く(7%以上)、「SPTによる安定期治療が続かない医院」になってしまうことがよくあります。

原因は、以下のような“見えにくい課題”です:

・基本治療やSPTの価値を患者に伝えきれていない

・受付・歯科衛生士の間で予約取得の一貫性がない

・キャンセル・中断のフォローが不十分、担当患者をフォローしていない

・患者担当制が機能していない

・「お掃除」「予防」「メインテナンス」「健診」という間違った言葉を使っている為、患者は病気だと言う認識がない

 

改善策

・重症化予防のための「継続管理の意義」を全スタッフが認識し、患者に一貫して伝える

・予約キャンセル時の再アポ徹底。リコールハガキ以外のリマインド方法の導入

・歯科衛生士枠の予約枠稼働率を毎月チェックし、対策を歯科衛生士会で検討

・セカンドカウンセリング、P検査、Pコンサルシステムの仕組みと流れの見直し

・再評価システムとOHIの強化

 

 

単価は“高くする”のではなく“高まる”もの

単価を上げるというと、「無理に自費を勧める」「算定テクニックを磨く」と誤解されがちですが、
本質は「診療の質を高めることによって、結果として患者単価が自然に高まっていく」状態をつくることにあります。

過剰な算定やグレーな診療テクニックで単価を上げるのではなく、必要な検査・説明・継続管理を正当に行った結果として単価が上がることが、患者・スタッフ・医院の三方よしにつながります。

先生の医院では、どのように単価を“上げる”のではなく“高める”取り組みができていますか?
検査・説明・継続来院の仕組みは整っていますか?

 

ご希望があれば、単価改善のための経営診断と改善提案をさせて頂くサポートも可能です。
ぜひ、診療の質と経営の質をともに高めるために、一緒に取り組んでいきましょう。

 
 
★こちらもご覧ください。
 
 
 
 
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