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◆歯科医院経営ブログ

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保険診療は“痛み対応”だけでいいのか? ― バリュー・プロポジション・キャンバスで考える歯科医院の収益設計 ―  [2026年02月21日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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歯科医院経営において、「患者のニーズに応える」という言葉はよく使われます。

しかし、ここでいうニーズとは何でしょうか。

・痛いから治してほしい。

・噛めないから噛める様にしてほしい。

・腫れたから薬がほしい。

これは確かにニーズです。

しかし、それだけでしょうか。

 

バリュー・プロポジション・キャンバスという視点

バリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)は、

顧客の

・ジョブ(やりたいこと・解決したい課題)

・ペイン(困っていること)

・ゲイン(得たい状態)

と、

自社の

・製品・サービス

・ペインリリーバー(痛みを取り除く機能)

・ゲインクリエイター(価値を高める機能)

を左右対比させるフレームワークです。

まず顧客側を深く理解し、その上で自社の価値提供を設計する。

これは一般企業だけでなく、歯科医院にも極めて有効です。

 

保険診療は「ペイン対応型」

保険医療は原則として「療養の提供」に対して点数がつきます。

つまり、痛み、腫れ、出血、機能障害といったペインへの対応が中心です。

・むし歯を治す。

・歯周病を治療する。

・欠損を補う。

これはまさに「ペインリリーバー」です。

 

患者のジョブはそれだけか?

患者のジョブを考えてみてください。

・いつまでも自分の歯で食べたい

・人前で自信を持って笑いたい

・旅行や外食を楽しみたい

・老後も医療に縛られずに暮らしたい

これは単なる「治療」ではありません。

これは人生の質(QOL)に関わるジョブです。

 

Gains(ゲイン)をどう設計するか

近年、重症化予防や口腔機能管理が保険制度に組み込まれてきました。

これは単なる治療から一歩進み、「悪くならない状態を維持する」というゲインへの評価です。

患者が求めているのは、痛くなったら治すことだけでなく、そもそも痛くならない生活です。

そして、身体的、精神的、社会的に良好な状態でいること。

これがウェルビーイングです。

 

ペインだけで収益モデルを組むとどうなるか

ペイン中心の医院は、

・急患対応が中心

・単発治療が中心

・単価変動が大きい

・患者関係が短期的

になります。

一方、ゲインも含めて設計している医院は、

・う蝕の継続管理

SPT(継続支援治療)

・口腔機能管理

・重症化予防プログラム

が収益の柱になります。

そこの価値を患者に伝えることができればLTV(生涯価値)が高くなり、経営は安定するのです。

 

VPCで歯科医院を再設計する

顧客プロフィールを整理すると、

患者のジョブ

・健康な口腔状態を維持する

・見た目を良くする

・老後も食べられる

ペイン

・痛み

・治療への不安

・費用への不安

ゲイン

・安心感

・自信

・長期的な安定

では、バリュー・プロポジションキャンバスはどうなるか。

製品・サービス

・保険治療

・自費補綴

・口腔機能管理

・定期管理

ペインリリーバー

・痛みの除去

・分かりやすい説明

・治療計画の提示

ゲインクリエイター

・重症化予防設計

・長期管理プログラム

・生活背景に合わせた指導

ここまで整理して初めて、医院の価値が立体的になり患者に価値が伝わります。

しかし、多くの歯科医院ではバリュー・プロポジションキャンバス内に矛盾があるのです。

 

保険制度はペイン中心から少しずつ動いている

最近の制度改定では、

重症化予防、口腔機能管理、継続的連携管理、といった項目が増えています。

これは、「ペイン対応」から「ゲイン支援」へ少しずつシフトしている証拠です。

もちろん、点数は療養の提供に対してつく。

しかし制度の方向性は、予防と健康維持を評価し始めています。

 

最後に

先生の医院は、患者のペインに対応する設計になっていますか。

それとも、患者のゲインまで含めて設計していますか。

収益モデルは、

・単発治療型ですか。

・継続価値型ですか。

保険医療であっても、

pains」だけでなく「gains」を踏まえて設計する。

その視点を持たなければ、制度の変化にも、患者の価値観の変化にも、取り残されます。

先生の医院の価値は、痛みを取ることですか。

それとも、人生の質を支えることですか。

 

その違いが、これからの歯科医院経営を分けるのです。

 

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