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◆歯科医院経営ブログ

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歯科医院の生産性を上げる方法とは?ユニット数と人員配置の最適解  [2025年06月13日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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ユニットがあっても「生産性が上がらない」理由とは?

先生の医院では、ユニットが複数あっても「予約の取り方に無駄がある」「スタッフがバタバタしている」「患者をスムーズにご案内できない」といったことが起きていませんか?

実は、ユニットの数とスタッフの人数だけを増やしても、医院の生産性は向上しません。
特に中規模以上の歯科医院では、「人員配置と動線設計」が整っていないと、ドクターや歯科衛生士の時間が“見えない待ち時間”に奪われてしまい、1台あたりの稼働効率が著しく低下します。

スタッフとの面談や現場ヒアリングを重ねると、こんな声をよく耳にします:

「いま、少しの時間だけドクターがアシストなしで処置してくれたら、患者を案内できるのに…」

「カウンセリングの時間なのに、ドクターの処置が長引いていて案内できない…」

これらは単なる「人手不足」ではなく、配置と分業の課題による“ボトルネック”です。
生産性を上げるカギは、ユニットの活かし方と、ドクター・スタッフ間のチーム連携にあります。

 

 

ユニット1台あたり月売上の目安と「稼働率」の考え方

歯科医院の生産性を考えるうえで、基本となる指標がユニット1台あたりの売上です。
一般的な目安として、以下が参考になります:

・1台あたり月170〜250万円が基準値

・高生産性医院では1台あたり月250〜300万円

というデータがあります。ただし、ユニット台数とスタッフ数が多い大型歯科医院が生産性を高めやすく分業化がしにくい小規模歯科医院は生産性を高めにくい。
そして「ユニットはあるのに空いている」「治療必要時間と空き診療枠が合わず予約を埋められない」といった見えないムダが多く存在します。

この原因は、多くの場合「ドクターの手が空かない」「アシストが不在」「歯科衛生士枠に歯科衛生士を上手く配置できない」「空き時間に合わせた治療をドクターが出来ない」といった稼働計画と人員配置のミスマッチです。

そして、医院によってはチームごとの縦割りになってしまいチーム間の連携が取れていない場合もあるのです。

 

 

歯科衛生士と診療スタッフ、役割分担はできていますか?

歯科衛生士の生産性を上げるには、「1日●人診るべき」ではなく、“自律的に動ける環境を作れているか”がポイントです。

たとえば:

・1枠を複数の歯科衛生士で担当している

・自分の診療データを数値で見える化して把握できる仕組みがない

・ドクターの治療と歯科衛生士の施術が分けられておらず専用ユニットもない

・担当制とフリー患者制を上手く活用できていない

こうした状態では、歯科衛生士も“本来の力”を発揮できません。

 

また治療コーディネーターが機能する医院では、ドクターが「5分だけでもこの処置を先に終わらせる」協力があるかどうかで、オンタイム診療の可否が決まってきます。

日常診療では「誘導」「スタッフによる説明」「カウンセリング」「片付け」「送り出し」「患者対応」「コミュニケーション」などの時間が治療が遅れることによって奪われており、例えば診療アシストと治療コーディネーターを兼任する歯科医院では、カウンセリングの患者が来院しているのにドクターの治療アシストから離れられないということが起きているのです。

こういった状態は生産性と治療品質を低下させることに繋がる。「相手の仕事が進むように助け合えるチーム設計」であるべきです。

 

 

人員配置の最適化が医院の生産性を左右する

生産性の高い歯科医院は、「少人数でも多くの患者をスムーズに診ている」特徴があります。
その裏には、明確な人員配置の設計と役割の共有があります。

 

ドクター:治療計画を立て患者に説明→治療

歯科衛生士:治療補助、P検査、Pコンサル、歯科衛生士枠担当

診療スタッフ:アポ回し、診療アシスト、バックヤード業務

治療コーディネーター:初診、セカンド、サード、治療選択、終了カウンセリング

受付:医療コンシェルジュ、受付業務

 

 

このような分業を実現するには、ユニットの配置・時間帯ごとの稼働数・アポ設計・動線設計まで見直す必要があります。

先生の医院では、「スタッフ構成に合わせたシフト」「ユニットごとの役割設計」「オンタイム診療を実現する支援体制」が整っていますか?

 

 

生産性とは「時間の価値を高める」こと

「患者数を増やそう」「ユニットを増やそう」と考える前に、
今ある設備とスタッフの“時間の使われ方”に無駄がないか?を見直すことが、生産性向上の第一歩です。

そして、それは「ドクターが全体の流れを把握し、スタッフと連携する姿勢」があってこそ実現します。ドクターの補助をする為にスタッフが存在する状態では駄目なのです。

先生の医院では、1台あたりのユニットの売上を把握できていますか?
スタッフとの分業設計に“協力の文化”はありますか?

 

 

ご希望があれば、医院の診療体制をもとにした【ユニット稼働率チェック表】を作成するサポートも可能です。
生産性向上に向けた第一歩として、ぜひ一度ご相談ください。

 
 
★こちらもご覧ください。
 
 
 
 
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