歯科医院の採用において、医院見学は最も重要なプロセスです。
にもかかわらず、多くの医院で見学が「良いところだけを見せる時間」になってしまっています。
・皆が仲良くて
・離職者も少なくて
・雰囲気も良くて
・問題も特にない
本当にそうでしょうか?
もし本当にそうなら素晴らしい。
ですが、完璧な組織など存在しません。
そして応募者は、「完璧かどうか」ではなく「誠実かどうか」を見ています。
なぜ「良く見せよう」とすると失敗するのか?
院長がよくやってしまう勘違いがあります。
「医院を少しでも良く見せた方が、働きたいと思ってもらえるだろう」
確かに、短期的にはそうかもしれません。
しかし、応募者が入職すれば現実は数日で露呈します。
・聞いていた話と違う
・思っていた雰囲気と違う
・誰もそんなふうに働いていない
この瞬間、応募者の中で信頼が音を立てて崩れます。
離職の芽は、入職前にもう植えられているのです。
医院見学で「必ず伝えるべきこと」
① 医院が目指している“方向性”
今がどういう状態か?、ではありません。
・どんな医院にしていきたいのか
・どんな歯科医療を提供したいのか
・患者さんにどう貢献していきたいのか
院長の言葉で語ることが大切です。
立派な理念である必要はありません。
等身大で構いません。
「まだ道半ばですが、こういう医院にしていきたいと思っています」
この一言に、姿勢と覚悟は十分に伝わります。
② いま抱えている課題・未完成な部分
ここを隠す医院が、実は一番多い。
・教育制度がまだまだ不十分
・忙しい時は余裕がなくなる
・まだ仕組み化できていない部分がある
これらを隠す必要はありません。
むしろ、
「院長として足りない部分も多いですが、皆がやりがいを持って働ける医院にしたい」
「そのために、力を貸してほしい」
と伝えます。
そして、次に幹部スタッフと面談してもらい、「院長のことでも医院のことでも何でも聞いてください」と伝えるのです。
もちろん、幹部スタッフもありのままの医院の姿、そして自分が働き続ける理由を見学者に伝えます。
この姿勢に、本気で響く人材は必ずいます。
③ どんな人と一緒に働きたいか
スキルの話よりも大切なのはここです。
・患者にどう向き合ってほしいか
・チームで働くとはどういうことか
・医療者として大切にしている価値観
これを伝えずに採用すると、「条件は合うが価値観が合わない」人が入ってきます。
それが、後の摩擦を生みます。
医院見学で「隠してはいけないこと」
・人間関係は“努力の結果”であること
「みんな仲が良いです」
この言葉ほど、危ういものはありません。
なぜなら、仲が良い=何も問題が起きないではないからです。
・意見がぶつかることもある
・話し合いが必要な場面もある
・感情が動くこともある
それでも、
・逃げずに向き合う
・医院として大切にしている軸に立ち返る
・仲間として信頼し支え合う
その姿勢があることを伝える方が、はるかに信頼されます。
・院長自身も“成長途中”であること
院長が完璧な存在を演じた瞬間、応募者はこう感じます。
「ここでは、自分の未熟さは許されないかもしれない」
それでは、本音も、挑戦も、生まれません。
院長が、「私自身もスタッフの皆も、まだまだ学び続けている途中です」と言える医院は、人が育つ土壌を持っています。
医院見学の本当の目的
医院見学は、
・勧誘の場でも
・評価の場でも
・アピール大会でもありません。
ミスマッチを防ぐための場です。
入職してから別れるより、入職前に「違う」と分かれた方が、お互いにとって誠実です。
最後に
先生は、医院見学で「有能な人を集めたい」と思っていますか?
それとも、「一緒に医院をつくる仲間と出会いたい」と思っていますか?
後者を選ぶ院長のもとには、時間はかかっても、必ず“本気の人材”が集まるのです。
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