「目標を立てても達成できない…」はなぜ起こるのか?
先生の医院では、スタッフと一緒に立てた目標が形にならずに終わってしまった経験はありませんか?
多くの歯科医院で見られるのは、「月初に立てた目標が翌月には忘れられている」「個人任せの目標管理でチームの一体感が生まれない」「院長が数値目標達成に躍起になってスタッフがしらけている」といった現象です。
特に、診療スタッフや管理栄養士、治療コーディネーター、勤務ドクター、歯科衛生士、歯科技工士、受付など多職種が関わる医院では、目標設定の“仕組み”と“共有の場”がなければ、行動にはつながりません。
ある医院では、目標達成の定義を「達成 or 未達」だけで判断していたため、マンパワーが不足する中で頑張ったというプロセスが評価されず、3ヶ月後にはスタッフの間に院長への不満が溜まってしまいました。
スタッフが、結果に繋げる為にプロセスを改善しようと考える様に働きかけるのではなく、ただ、結果だけで評価した為にスタッフの行動へのモチベーションが低下したのです。
医院で機能する目標は「数字×行動×期間」で設計する
効果的な目標を立てるためには、「誰が・何を・いつまでに・どうするか」が明確であることが大前提です。
歯科医院で活用しやすいのが、以下のような行動ベースのKPI(重要業績評価指標)です。
例)
・治療コーディネーター:「今月中にセカンドカウンセリング実施率を95%にする」「自費提案の振り返りを1日1件記録して改善に活かす」
・歯科衛生士:「歯周病の所見がある新患に対しP検査を月40人実施し、基本治療移行数を月30件以上に」「中断予防のアクションを毎日行い、週1回歯科衛生士チームで評価する」
・受付・アシスタント:「キャンセル率を前月比10%削減」「保険証確認ミスゼロを3ヶ月連続達成」
こうした目標設定には、SMARTの原則(具体的・測定可能・達成可能・現実的・期限つき)を活用すると効果的です。
「見える化+振り返り」でチームのやる気が変わる
目標管理で成果を出している医院に共通しているのが、「日次、週次、月次の振り返り機会」と「プロジェクト進捗の見える化」です。
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週に1回、短時間でも進捗を共有する「目標達成ミーティング」を設定
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スタッフごとにホワイトボードやGoogleスプレッドシートで進捗を“見える化”
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院長が「取り組み自体」を評価するコメントやフィードバックを行う
ここで大切なのは、「達成したかどうか」だけでなく、「行動したこと自体を認める文化」を育てることです。
特に若手スタッフや育成途中の診療スタッフにとっては、「数値」よりも「行動プロセスを認められる体験」が次の挑戦につながります。
もちろん、行動の目的は患者を健康に導く為。歩合制以外のチームメンバーは数値(手段)を目的にしても動機づけられませんので、「何のために行動し数値を改善していくのか?」という意味づけを併せておこなうことが必要です。結果重視の院長は「プロセスを承認しても・・」と思われるでしょうが、そういう考えの院長は「Z世代」「α世代」のやる気を引き出せずに苦労するでしょう。「ワンピース型」のチームマネジメントが出来なければ院長は求心力を得られなくなるのです。「仕事だから〇〇するべき」「社会人として当然」という価値観の方はご注意くださいね。
評価・面談と連動させると、目標が“育成ツール”になる
目標管理は評価制度や面談とセットで運用すると、スタッフの自己成長に直結します。
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3カ月ごとに個人目標に対する「行動評価」と「数値評価」を組み合わせた面談制度
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目標達成とキャリアアップとを連動させる制度(例:診療スタッフ→治療コーディネーター→リーダー候補へ)
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スタッフが自身の目標達成と“患者の健康とがどうつながっているか”を理解できるシートづくり、ワークの実施
これにより、「院長に指示された目標」ではなく、「自分で考え、成長し、患者を健康にする為の目標」としてスタッフが主体的に取り組むようになります。
ある医院では、これらを導入することで離職率が3年で半減し、スタッフのスキル獲得率が30%以上改善しました。
先生の医院では、目標が“チームの力”になっていますか?
診療報酬改定や人材確保の難しさなど、外部環境が厳しさを増す中で、目標管理は医院の持続可能性を高める「組織づくりの土台」です。
“売上のための目標”ではなく、“理念を実現するための行動”を可視化する手段として活用すれば、スタッフのやる気と成果が自然と連動しはじめます。
先生の医院では、数値目標だけでなく「行動の目標」や「プロセスの評価」も取り入れていますか?
その目標が、評価や育成にきちんと活かされる仕組みになっていますか?
ご希望があれば、歯科医院向けのスタッフのやる気を生み出す目標管理方法の導入支援もおこなっています。お気軽にご相談ください。