おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の院長を悩ましているのがキャンセルや無断キャンセルです。
治療内容によって60分で枠を取ったり家族分の予約を取ったのに当日になってキャンセルの連絡があると枠を埋められないこともあるからです。
歯科医院の平均的なキャンセル率は10%を切る時代になりましたが、個別に見ると10%を超えている医院もあれば5%を切る医院もある。
ではキャンセル率が高い医院と低い医院では何が違うのでしょうか?
私はキャンセルの多さには、
①患者のうっかり忘れ、
②治療への恐怖感
③患者にとって予約の重要度
④医院の予約の取り方とリマインドの仕組み
という要素が関係していると考えています。
一番大切なのは③患者にとっての重要度です。
例えば、ドクターや歯科衛生士の予約でキャンセルが殆どない場合がありますが、それは患者にとっての重要度が高くなる関係性を築いているのです。
患者にとってその人との約束の重要度が高く、その機会を逃せば次回予約がなかなか取れない場合には患者はキャンセルしないのです。
院長がどんな価値観を持つ患者を集めているのかもキャンセル率に影響していると感じます。
健康観が高い人には治療や定期管理に通う為の内発的動機がありますので約束を守ろうとします。
だからそういう価値観を持つ患者が集まり易い歯科医院はキャンセル率が低いですし急患が多い歯科医院はキャンセル率が高い傾向がある。
つまりキャンセル率が高いのは単純にキャンセルする患者層に人気の医院なのです。
保険診療は全国一律料金なので顧客層を選ぶことはしにくい。
ホテルなどは高品質であっても高額の宿泊費が必要なところに宿泊したいと考える層は限られますが、保険医療機関の場合には高品質でも低価格なので様々な患者層が集まるのです。
特に大きな歯科医院は大人気です。
リマインドメールや電話、などをこまめに実行すれば「うっかり忘れ」を減らすことには有効です。
実際に歯科衛生士が担当患者に複数回リマインドしている場合にはキャンセル率が低いですし数値を下げることは出来ると思うのです。
しかし、マンパワー不足によってスタッフの業務がどんどん増えている時代にどこまで細かく対応するのかは考える必要があると思います。
人間はすべての分野に100%の力は使えませんので、何かに集中すれば他の分野に対する意識が希薄になりやすいからです。
キャンセル率は「医院と患者との関係性の現在地」を表している。
だから、患者との関係性の構築を重視しなければモグラ叩きは永遠に終わらないと思うのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00