歯科医院の院長が、自分では正しいことを言っていると思っていても、スタッフが感情的に動機づけられなければチームはうまく機能しません。
医療はチームで成り立っています。
そのチームの空気を決めているのは、多くの場合「院長の感情」です。
院長の感情は医院の温度になる
院長の機嫌で空気が変わる。
日によって言うことが変わる。
怒りが強く出る。
こうした状態になると、スタッフはどう感じるでしょうか。
萎縮します。
意見を言わなくなります。
挑戦しなくなります。
やがて組織は「指示待ち」になり、チーム医療は形だけのものになってしまいます。
院長の感情は、医院全体の温度になります。
感情を扱う力は最初から備わっているわけではない
もちろん、最初から感情を上手く扱える院長はいません。
しかし、少しずつメタ認知能力を高めることで、
「今、自分はイライラしている」
「この状態で話すと良くない」
「言うべき事なのに言えていない」
と、自分を別の世界から俯瞰的に見ることができるようになります。
この力がつくと、自分で自分の心理状態や行動に気づき修正できるようになります。
これがとても大切なのです。
怒りは突然生まれるわけではない
私はアンガーマネジメントのファシリテーターでもありますが、
怒りという感情には特徴があります。
怒りは「二次感情」なのです。
怒りの前には必ず
・不安
・焦り
・疲れ
・失望
・不満
といった
ネガティブな一次感情が蓄積しています。
この一次感情を放置すると、ある瞬間に怒りとして爆発します。
つまり、怒りをコントロールするためには怒りの前の一次感情を処理する必要があるのです。
院長の一次感情を生む最大の原因
歯科医院の院長の場合、ネガティブな一次感情の原因の第1位はほぼ間違いなく「経営」です。
例えば、
売上が少し落ちてきた。
すると院長は少しずつ不安になります。
その不安がイライラに変わる。
そして、スタッフのミスが目につくようになる。
細かい注意が増える。
院内の空気が悪くなる。
この状態が続くと、複数のスタッフの退職につながることも珍しくありません。
だからこそ、そうなる前に経営でも先手で対策を打つ必要があるのです。
プライベートの感情は持ち込まない
もう一つの原因は院長のプライベートな感情です。
しかしこれははっきり言えば院長自身の責任です。
プライベートの感情を職場に持ち込まない。
これは経営者の基本だからです。
感情を扱うためのシンプルな方法
一つ、感情マネジメントの方法を紹介します。
それは、自分の世界をエリア分けすること。
例えば、
・医院経営(経営成果、マネジメント)
・臨床
・家庭
・友人関係
・個人の成長
・趣味
こうしてエリアを分けてみる。
すると、あるエリアがうまくいっていなくても、別のエリアは順調なことも多い。
しかし、うまくいっていないエリアの感情を他のエリアに持ち込んでしまうと、全体がマイナスに沈んでしまいます。
だから、感情をエリアごとに扱う。
そのために必要なのが「メタ認知力」です。
もう一人の自分が気づく
例えば、スタッフに対してイライラしている。
その時に、もう一人の自分が気づく。
「今、自分はイライラしている」
「イライラをスタッフにぶつけても何も解決しない」
この気づきがあるだけで、行動は変わります。
自分の感情を抑えるだけでは足りない
院長の中には「イライラしても表に出さないようにしています」と言う方もいます。
それは大切なことです。
しかし、それだけでは足りません。
感情を抑圧すると、逆に感情は強くなります。
だから必要なのは抑えることではなくマネジメント(意味づけを変え感情を上手く整理する)することなのです。
経営が安定している医院の共通点
経営やスタッフマネジメントがうまくいっている院長には共通点があります。
それは、自分の感情と行動をコントロールできること。
売上の管理も大事です。
仕組みづくりも大事です。
しかしその前に、院長自身の感情が整っていること。
これが組織の安定を作ります。
最後に
院長の感情は、医院の未来に大きく影響します。
院長の内面が、医院の空気を作り、その空気が、組織の未来を作ります。
さて先生は、自分の感情を俯瞰して見ることができていますか。
それとも、感情に引っ張られて組織の空気を変えてしまっていませんか。
院長の内面が、医院の未来を決める。
それが、上手くいく院長の法則の一つなのです。
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