「診療報酬改定があっても、正直、何から手をつけていいか分からない」
これは、多くの院長が心の中で感じている本音ではないでしょうか。
実際、制度改定や施設基準の見直しは年々複雑になり、
「大きな医院でないと対応できない」
「人がいないから無理」
そう感じてしまうのも無理はありません。
しかし、現場を見ていると“改定に対応できるか”を分けているのは、医院規模ではないという事実が見えてきます。
国が歯科医院に求めている役割は、実は一貫している
診療報酬改定のたびに項目は変わりますが、国が歯科医療機関に求めている役割は、ここ数回の改定でほぼ一貫しています。
それは、
・治療
・管理
・連携
この3つです。
う蝕や歯周病を「治す」だけでなく、再発や重症化を防ぐために「管理」し、医科・介護・多職種と「連携」する。
診療報酬や施設基準は、この役割をどれだけ実行できているかを評価する仕組みに少しずつ組み替えられてきています。
対応できない医院は「急に難しくなった」と感じる
診療報酬改定への対応がうまくいかない医院では、よくこんな声が聞かれます。
「今回の改定は、うちには無理」
「スタッフに説明しても理解されない」
「実行すると現場が回らなくなる」
しかし、これは改定が急に難しくなったからではありません。
多くの場合、これまで日常診療の中で管理や連携を「少しずつ落し込む」機会が少なく仕組み化の経験が蓄積されていない。
その結果、仕組みを一から作り落とし込むことが必要になるのです。
診療報酬改定に対応できる医院は、日常診療で鍛えられている
規模が大きくなくても診療報酬改定に比較的スムーズに対応できる医院があります。
それらの医院に共通しているのは、
・最初から完璧を目指していない
・小さく試して、失敗して、修正してきた
・スタッフが「経験」を積んでいる
という点です。
最初はうまくいかなくても、
「どうすれば回るか」
「何が足りなかったか」
をスタッフと一緒に振り返る。
この繰り返しが、スタッフの経験値を確実に引き上げていきます。
この「落とし込み力」の差が医療制度改革への対応力を分けており、今後の改定でも上手くいく医院はスタッフが「経験」を積んで力をつけているのです。
施設基準の差は「人の差」で広がっていく
今後も、施設基準は見直されていくでしょう。
そのとき、
「要件が厳しいかどうか」以上に重要になるのが、それを運用できるスタッフがいるかうかです。
・新たな仕組みを理解する
・書類を整える
・運用ルールを理解する
・日常診療に落とし込む
これらは、院長一人ではできません。
日頃から、
・目的を理解し
・役割を考え
・改善を繰り返してきたチーム
があるかどうかで、改定対応の難易度は大きく変わってきます。
「今からでは遅い」のではなく、「今から積む」しかない
診療報酬改定は、一度対応して終わりではありません。
今後も形を変えながら続いていきます。
だからこそ重要なのは、
・今回の改定に間に合うかどうか
ではなく
・次の改定に対応できる力を育てているか
という視点です。
それは、
・日常診療の中で
・スタッフを巻き込み
・小さなトライを重ねてきたか
その積み重ねにかかっています。
最後に
ここで、少し立ち止まって考えてみてください。
・先生の医院では、スタッフが「考える場面」はありますか？
・失敗を「学び」に変える余地はありますか？
・次の制度改定が来たとき、誰が中心になって動けそうでしょうか？
診療報酬改定に対応できるかどうかは、未来の話ではなく、これまでの積み重ねの結果として表れてきます。
今後も制度は変わります。
そのたびに振り回されるのか、変化に対応できる力を育てるのか。
選択は、いつも日常診療の中にあるのです。
スタッフを成長させるチーム作りでお悩みならばご相談くださいね。
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