昨日は一日、令和8年歯科診療報酬改定の「答申」発表前に出される「個別改定項目(短冊)」を読んで、今回の改定内容の意図を分析し今後の改定について予測していました。
私が今回の改定の中身を読んだ感想は「嵐の前の静けさ」です。
歯周病安定期治療、P重防は「歯周病継続支援治療」として再編されましたが、短冊の段階ではシンプルになった感じ。しかし、これは令和10年12年の改定に向けて一旦ニュートラルに戻したと感じるのです。
財務省や支払い側が指摘した「SPTループ」への懸念は消えていませんので、今回の改定で対策されなくても次回以降の改定でそこへの対策をやってくると私は考えています。
口腔機能管理の更なる強化
今回の改定では「口腔機能管理料」が「1」と「2」に分かれ、対象が拡大されました。
歯科衛生士による「口腔機能指導加算」も歯科衛生実地指導の加算から格上げされ、国が定めた研修を受けた歯科衛生士が歯科医師の指導に基づく指導をおこなった場合に算定できる点数が新設されたのです(口腔機能実地指導料)。矯正相談料の変更も含め、国が口腔機能の発達不全症や低下症を問題視し、歯科医療機関に改善への取り組みを進めて欲しいという期待の表れだと感じます。
静かに進む「連携体制強化」「医療DX」への準備
令和8年診療報酬改定の短冊を読んでいて感じるのは「連携体制強化」への対策です。
歯科に関する部分だけを読んでいても出てきませんが、病院を含む医科医療機関や介護施設が歯科医院と連携しなければいけないと感じる文言や新設の点数が増えているからです。
歯科医院でも「重症化予防連携強化加算(現在の歯周病ハイリスク患者加算)」に関して糖尿病を治療する医科医療機関への情報提供が算定要件化されるなど、情報提供や連携の双方向化が図られています。
医療、介護、薬局、行政などの連携は今後も進みます。そしてその情報はPHRなどで共有され、サマリーなどもデジタル化されていくのです。
医療DXに関しては取組みが遅れている「標準型電子カルテ」が一定数普及した段階で加速的に進んでいくと私は考えています。
もはや賃上げは必須である時代
今回の診療報酬改定でも賃上げに関して多くの予算が使われ、「継続して賃上げしている医院」と「単発で賃上げする医院」で評価が分けられました。
国の政策の根幹は適度なインフレとそれに合わせた賃上げの実現です。そして本音は「賃上げできない企業は淘汰されても仕方がない」ですので、歯科医療機関も収益構造を改善しながら賃上げを実現してく必要があるのです。
まとめ
今回の診療報酬改定は、次回以降の改定に向けて「診療報酬体系を整備する為の改定」であると感じます。
改定予算が少ないことから出来ることも限られるのですが、その中でも着実に2030年に実現するべき診療報酬体系に向けた足取りを進めているのです。
国の「医療計画」「地域医療構想」「医療費適正化計画」をジックリ見ていけば地域医療において歯科医療機関が今後果たすべき役割は明確です。
ただ、経営面だけをみれば生き残り戦略は医院ごとに違う。
「答申」の後に「官報」が出されたら私はクライアント医院ごとの戦略を考えます。医院ごとに取るべき戦略は違うからです。
だから、昨日も書きましたが先生の医院で経営資源を何に投下するべきかを、しっかり考え抜いていただきたいです。
さて、次は「答申」が出されてから更なる分析をおこないます。
今回は「SPTとP重防の再編」が院長の間で話題になっていて、私の経営ブログへのアクセス数増加も前回の改定時期より早いと感じます。
だから先生も早めに動いて医院を守ってくださいね。
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