歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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空港式“動線の最適化”を歯科医院に落とし込む3ステップ  [2025年12月04日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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今日から新シリーズ

「他業界に学ぶ選ばれ続ける歯科医院のつくり方

をお届けします。

 

第1回は、

空港の動線設計は、歯科医院にそのまま応用できる

というテーマです。

 

最近いろいろな医院を見学していますが、

・忙しいのに“オペレーションがスムーズな医院

・患者が多くないのにバタつく医院

が、はっきり分かれています。

そしてこの差を決めているのは、人の能力ではなく「動線設計」そのものです。

空港は「初めて来た人でも迷うことが少ない場所」です。

なぜ迷わないのか?

その答えが、歯科医院の日々の診療効率を大きく左右します。

では、どこから着手すべきか、具体的にお伝えします。

 

1. 空港が採用する「迷わない設計」は歯科医院にも通じる

空港が採用している動線設計の基本は次の3つです。

1.案内と視線が一致している

2.進むべき方向が1つに見える

3.選択肢が少ないほど迷わない

これを歯科に置き換えるとどうなるか?

・患者が迷わない受付導線

・スタッフが迷わない器具導線

・ドクターが迷わない準備導線

実はこれだけで、

医院のバタつきの50%以上は勝手に消えます。

なぜなら、選択肢が減る=判断が減る=迷いがが減る=間違いが減るからです。

空港は「迷わせない設計」で満足度を生む。

歯科医院も同じです。

 

2. 患者が迷わない医院は、安心感が高まり評価が上がる

歯科医院内で患者はこう思っています。

・どこで待てばいい?

・次にどこへ移動するの?

・この後、何をされるんだろう?

空港では「次の行き先」が常に目の前にあります。

搭乗口の変更などもスマホに表示されますので分かり易いのです。

これが安心感に繋がります。

初診患者の評価は治療の前に決まります。

だから医院でも、

・初診予約患者への来院案内(駐車場等)

・問診票の記入方法

・パウダールームなど院内設備の案内

・コートや荷物などの置き場

・ユニットへの誘導

・自動会計機や呼び出し機、診察券アプリの説明

・今後の治療の流れの説明

・会計後の次回予約動線

などがスムーズかどうかで患者のストレスが変わり医院の評価は大きく変わる。

実際、動線を整えた医院では、

・初診患者の信頼度向上

SPT移行率上昇

・治療中断率の低下

・オペレーションの統一感と上質感の実現による患者満足度の向上

こうした変化が見られます。

 

3. バタつきの原因は「動線の乱れ」にある

医院がバタつくのは、

・人手不足

・経験不足

・スタッフの能力不足

だと思われがちです。

でも、見学していて感じるのはこうです。

動線の悪さが問題であり、それによってスタッフの能力を低く見せているだけ。

例えば、

・予約導線に問題がある。誰が担当してもバタバタする予約の取り方をしている

・ドクターが予約時間をすべて使ってしまう(片付け、声掛け、カルテ記入などの時間がない)

→オンタイム診療になっていない

・マニュアルによるトレーニング不足

・バックヤードやキャビネットが整理されておらず配置も悪い

・その日必要なセットが事前に揃っていない

・誰がどこに動くかのルールが曖昧

これだけで医院は簡単にバタつきます。

逆に言えば、

動線が整えば、普通のスタッフでも有能に見える

これが空港から学べる最大のポイントです。

 

4. 空港式動線の最適化を医院に落とし込む3ステップ

今日から実践できる内容に落とし込みます。

ステップ:動線マップを作る(3分でOK

・患者の動線

Dr/DH/診療スタッフの動線

を紙に書くだけ。

交差が多いほど事故(ミス・バタつき)が増えます。

ステップ:器具と備品の定位置管理

空港が絶対にやらないこと

それは 「探す時間を発生させること」。

医院も同じで、

・バックヤードやキャビネットの整理

・ユニット内の動きのルール統一

・朝のミニカンファの導入(動き方含め)

だけで診療効率が跳ね上がります。

ステップ:スタッフの動きを“1方向化する

動線が交差する=混乱が起きる

動線が一本になる=バタつきが減る

単純ですが、もっとも効果が大きい部分です。

例えば、朝に各ユニットを点検し基本セットをブラケットテーブルに配置するとします。

その時に、チームごとの担当者がそれぞれに担当ユニットの準備をすれば動線が重なり無駄な動きが増えます。

だから、一人の担当者が各ユニットを周り点検と準備をした方が重なる動きが減る(片付けも同様)。

チーム制の医院では無駄な動きが起きやすいのです。

これは患者が感じるバタバタ感と一致します。

 

5. 院長が今日からできる動線改善チェックリスト

【動線改善チェック(患者導線)】

・初診患者が迷わず受付に到達できる

・会計場所が直感的に分かる

・パウダールームの案内が自然

・送出し→会計→次回予約帰宅動線がスムーズ

【動線改善チェック(スタッフ導線)】

・バックヤードユニット間の移動距離が最短

・器具を「探す時間」がゼロに近い

・物品補充のルールが明確

・その日のカルテ準備が事前に完了している

【動線改善チェック(医院全体)】

・動線の交差が最小限である

・同じ動き(往復)が繰り返されていない

・ユニット内に必要最低限の物が揃っている

・誰が見ても分かる配置になっている

これを改善するだけで、医院の診療効率は確実に変わります。

 

まとめ:空港レベルの迷わない医院は品質も生産性も高い

空港が目指しているのは、

「誰も迷わない世界」

歯科医院が目指すべきも同じです。

・患者が迷わない

・スタッフが迷わない

・院長が迷わない

この3つが揃って初めて、選ばれ続ける医院が生まれます。

動線は設備投資より効果が大きい、最強の経営改善ポイントなのです。

 

★こちらもご覧ください。
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「ちょっとだけ聞いてみたい」「判断が正しいかを確認したい」という時に便利ですよ。
 
 
 
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