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◆歯科医院経営ブログ

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技術を磨いてきた院長こそ、治療品質を“患者価値”に変換すべき理由とは?  [2025年11月22日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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このブログを読んでくださる院長の多くは、

長年、地道に臨床技術を磨いてこられた方々だと思います。

・一生使える治療をしたい

・十年後に後悔しない治療を提供したい

・口腔の健康を人生単位で守りたい

私も現場で多くの院長を見てきましたが、

真面目に技術を磨いてきた院長ほど患者から信頼され、スタッフから尊敬されます。

ただし──

臨床技術の高さが、そのまま経営成果や患者の継続につながるとは限らない。

これは「技術が悪い」のではなく、

患者が技術を正しく理解・実感できる機会が少ないという構造上の理由です。

本日のテーマは、

技術を磨いてきた院長が、その技術をより多くの患者の人生に活かすためには、

伝わり方の設計が不可欠である。

というお話です。

 

1.治療品質は患者価値に変換されて初めて継続と収益に結びつく

院長が頑張ってきた「技術」は医院の最大の資産です。

しかし、患者は専門家ではないため、治療技術の差が分かりません。

ただ、それは違いが分からないのではなく、「理解する機会がない」だけなのです。

患者は結果で判断します。

・入れ歯で噛みやすくなった

・見た目が変わった

・生活が楽になった

・不安が減った

・説明が分かりやすかった

・私の事を心配してくれていることが伝わった

・自分の未来がイメージできた

つまり、

院長が磨いてきた技術が「患者が実感できる価値」になるかどうかで、継続意欲や自費選択が大きく変わるのです。

 

臨床技術は完璧。

しかし伝わり方が弱い。

この「ズレ」を解消すると、技術が経営の大きな力に変わります。

 

2.技術を価値に変える5つの翻訳ポイント

ここでは技術を変えずに、患者の理解・安心・納得につなげる方法だけをご紹介します。

① BeforeAfter見える化

技術力は写真で初めて価値になります。

・初診の口腔内写真

・治療前後の咬合の変化

・プラーク量の改善(PCR等)

・歯周ポケットの推移

・補綴物のフィット感

見える化には「技術の価値を伝える力」があります。

写真を見た患者はこう言います。

「あ、こんなに変わるんですね」

「治療に通って良かった」

「もっとちゃんと管理しよう」

これが継続価値理解の始まりです。

 

丁寧な説明を「構造化」する

院長は丁寧に説明している。

ただ、患者は一部しか覚えていない

だから説明の順番を整えることで伝わり方が変わります。

価値が伝わる説明の流れ:

1.現状

2.リスク

3.放置した場合の未来

4.治療した場合の未来

5.治療の選択肢と理由

をツールを使って見える化し患者の質問に丁寧に答える。

この構造だけで、患者の納得度は飛躍的に上がります。

 

③ 歯科衛生士枠で患者の日々の変化を実感させる

歯科の継続意欲は体感によって高まります。

・歯ぐきが引き締まった

・歯茎の腫れが減った

・出血が減った

・再評価で数字が改善した

これらはすべて 技術×継続×価値の橋渡し。

歯科衛生士枠を強くすると、医院が強くなります。

 

「どうしたいか?」を尋ねて患者を主体にする質問法

治療の提案を患者が受け容れる医院は、例外なく質問力が高い。

技術より質問が大事なのではなく、質問が技術の価値を引き出すのです。

例:

・「3年後5年後のお口の状態で不安はありますか?」

・「今回の治療で失敗したくない点はありますか?」

・「どういう状態になれば安心できますか?」

・「何を優先して治療を受けたいですか?」

技術ではなく、患者の未来を軸に語ると、患者は自分で選択した治療になります。

 

「医院の治療哲学」を初診で伝える

患者は価値観で医院を選びます。だから初診カウンセリングで治療方針を丁寧に話すことが大切なのです。

・丁寧な診断と治療説明を大切にしています(具体的な仕組みの説明)

・患者さんの今と10年後を見据えて治療します(セカンドコンサルでリスクも含めて説明)

・再治療を予防するために写真を撮っています(検査をする意味を説明)

等、院長が磨いてきた技術を「医院の方針」として伝え、仕組みに変えることが出来ると患者の信頼度が一気に上がります。

 

3.技術を磨いてきた院長だからこそ、伝える設計ができたときに一番強い

技術を磨いてきた院長は、実はマーケティングで最も有利です。

なぜか?

技術は模倣されないが、広告やSNSはすぐに模倣されるから。

技術を磨いてきた院長が

それを患者価値として伝え始めた瞬間、

医院の競争力は一気に上がります。

だから私は言いたいのです。

技術を磨いてきた院長ほど、

伝わり方を整えるだけで劇的に成果が変わる、と

 

4.まとめ

院長の技術は医院にとって最大の強みであり、差別化ポイントです。

ただし、技術は

・見えない

・分からない

・伝わりづらい

という宿命を背負っています。

だからこそ、

治療品質 → ブランド価値 → 患者実感 → 治療と管理継続の仕組みを設計した医院が、

高いLTVを持つ強い医院へと進化していきます。

これはまさに、技術を大切にしてきた院長だからこそ実現できる医院のかたちです。

 

今日からできるチェックリスト(院長向け)

初診で必ず口腔内写真を撮っている

□ 視覚的なBeforeAfterの提示が習慣化している

説明のがチーム内で統一されている

□ DH枠でリスクと改善点を毎回フィードバックしている

患者の未来像に関する質問をしている

「医院の治療哲学」が初診で伝わっている

□ SPT移行率と治療中断率を定点管理している

3つ以上で、伸びしろがあります。

 

どれか実行しておられない項目があれば、一つからでも増やしていただければと思います。

 

★こちらもご覧ください。
 
 
 
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