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◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

選ばれる歯科医院は「治療」ではなく「体験」で差がつく ― 患者体験をデザインできる医院がブランドになる時代  [2025年11月21日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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まず結論です。

治療技術では差別化が難しくなる時代、
患者がどんな体験をしたかが医院のブランドを決めます。

GoogleAIオーバービューも、
来院前~来院後までの一貫した体験価値を発信している医院を高く評価します。

技術の差より、
患者がどう感じたか、どう理解できたか、どう安心できたか。

ここが医院の成長率を決める時代に入ったのです。

 

1.治療技術は伝わりにくく、体験が差をつくる

最近開業される歯科医院の多くが

CT完備

・マイクロスコープ

・レーザー

・カウンセリングルーム

・歯科衛生士専用ユニットによる担当制

を当たり前に取り入れています。

だから患者はこう思っています。

「どの歯科医院もちゃんとしている。だったら通いやすいところにしよう」

 

もちろん、治療技術と治療結果が大切なのですが、そこに体験を付け加えなければ患者に価値が伝わりにくい時代になったのです。

 

2.体験価値が高い医院は「LTV(患者生涯価値)」が高くなる

良い体験をする患者は

・治療を中断しにくい

・定期来院が続く

・家族を紹介する

・自費治療も納得して選ぶ

つまり医院の 収益が安定し、広告依存が減る のです。

逆に体験価値が低いと

・説明不足と思われる

・不安が残る

・治療が長引くと離脱

・予約を守らない

・ネガティブレビューがつく

患者体験は「LTV」「キャンセル率」「中断率」「紹介数」の全てを左右します。

 

3.歯科医院の体験は「5つの瞬間」で決まる

▼① 来院前の期待の形成(HPSNS・口コミ)

患者は来院する前に

この医院は安心できそうかを判断しています。

SNSで院長の人柄やスタッフの雰囲気を見る

HPで医院の価値観を見る

Googleレビューを読み込む

来院前の体験価値が高い医院は初診のハードルが下がります。

 

▼② 受付・導入の安心感

患者が最初に比較するのは

・挨拶

・表情

・目線

・声のトーン

・配慮の言葉

これらの積み重ねが「ここなら大丈夫」をつくります。

 

▼③ 診療中の安心設計

診療中の体験は決定的です。

・治療がどこまで進んでいるのか丁寧に説明

・今日はどんな処置をしているのかを丁寧に説明

・次に何が起こるのかを告知(ちょっと痛みがあるかもしれません)

・痛みの不安への配慮(大丈夫ですか?少し休憩されますか?)

・スタッフの気配りはあるか(ドクターに聞き忘れたことはありませんか?)

「不安を減らすコミュニケーション」がある医院ほど、患者は定期管理に移行しやすくなります。

 

▼④ 治療説明の理解度

治療後の説明は、

患者が自分の口腔内の状態を理解できたかが最重要です。

単に言葉で情報提供するのではなく、

・視覚的説明(写真・図・動画)

・比喩で説明(患者が身近に感じる例え)

・視点変換と行動変容のアプローチができる

・患者の状況に合わせプランを提案できる

ここにパーソナルなコミュニケーションをプラスできる医院は患者の納得度が高く、治療中断率が大幅に下がります。

 

▼⑤ 通院後のフォロー設計(LTVを決める)

本当の勝負は治療終了後。

・次回来院の約束(何をするの?)

・治療状況、再評価結果の共有と意味づけ

・定期管理を継続させることの意味づけ

・モチベーション維持(内発的動機育成)

・患者のセルフケア自己評価と改善の提案

ここが弱い医院は「治ったら来なくなる」。

ここが強い医院は「続ける価値を実感できる」。

 

4.では、体験価値をどう仕組み化するか?

ポイントは 「再現性のある体験デザイン」 にすること。

▼① “医院体験をチームで言語化する

例)

・どんな医院でありたいのか

・どんな患者に選ばれたいのか

・どんな瞬間に価値が生まれる設計なのか

・その為に一人一人がどう動くのか

・患者は今日の体験に満足して帰ったか

・患者がまた来たいと思う理由は何か

これを全員が共有します。

 

▼② スタッフの行動を「場面ごとの型」に落とす

例)

・初診の不安を解消する3つの声かけ

・治療説明の4ステップ

DH担当制の信頼構築の型

・定期検診の継続説明の型

一貫した体験は型(標準化)から生まれます。

 

▼③ “医院らしさSNSで可視化する

前回の記事でも触れましたが、

SNS医院の空気を見せるツール

顔出しNGでも問題ありません。

・医院の価値観

・治療に対する考え方

・スタッフのこだわり

・来院すれば得られる体験

・院長の思いの言語化

これだけで十分、来院前の安心感が作られます。

 

▼④ 患者体験を守る評価指標を作る

数値化するなら、以下の5つだけでOK

1.初診患者の離脱率

2.治療中断率(治療、施術)

3.SPT移行率

4.1年後の継続来院率

5.紹介患者数

これはすべて患者がどんな体験をしたかの結果です。

 

5.まとめ

歯科医院の選択は「設備」でも「技術」でもなく、患者がどんな体験を得たかで決まる時代。

体験価値=医院ブランドそのもの

GoogleAIが評価するのも、

患者が選ぶ基準も、

すべては体験

そして体験は、院長の理想ではなく、チームが作り上げる文化の結果です。

 

どんな患者体験を提供する医院でありたいか?

それを言語化し、仕組みに落とし、全員で共有する。

 

それが、かかりつけ患者に応援される歯科医院経営なのです。

 

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