歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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時代は“経営者型院長”を求めている ~治療のプロから、経営と人づくりのプロへ~  [2025年11月01日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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今日からは新シリーズ:変化に強いチームを育てる「院長学」です。

 

環境変化への対応力は、戦略ではなく人格から生まれる。

このシリーズでは、経営環境の変化に動じず、

チームを導く院長に必要な「考え方・判断軸・行動原理」を体系化して伝えます。

 

2040年に向けた医療制度改革の本格化が始まりました。

国は医療構造を「地域連携、重症化予防、包括+アウトカム評価」へと転換しようとしています。

高市内閣の医療政策の決定に維新の会が介入しながら「新地域医療構想」は組み立てられるでしょうから、病床数削減などの医療改革が加速する可能性も出てきました。

吉村代表は「病院の救済」には前向きでも、「日本医師会=診療所の代表=医療費を増やす”悪”」の考え方ですので、令和8年の診療報酬改定にも政治的な立場で介入してくると考えます。

国の審議会では医療機関の経営悪化も議題に上がっています。ただし、歯科で使われているデータが法人のもので収益性が高いことから、このままいけば改定予算の配分で歯科は不利になる可能性があると感じています。

 

「淘汰の時代」が静かに始まっている

ここ数回の診療報酬改定を見れば、改定内容に対応できない保険医療機関の経営リスクの増大は明らかです。

・「既存の治療」よりも「重症化予防・管理・連携」に点数配分がシフト

・既存点数で費用対効果が低いものを引下げ

・慢性疾患を包括評価に移行させる準備

・医療DX、データ連携強化

・アウトカム評価導入に向けた準備

・働き方改革・賃上げへの対応圧力

この方向性は、国の医療政策の中で一貫しています。

つまり、2040年を待つまでもなく、“経営構造を変えない医院から淘汰されていくという流れがすでに始まっています。

 

「一流の治療」だけでは、医院を守れない

多くの院長が、「質の高い治療をすれば患者は増える」と信じて開業されました。

もちろん、その信念は間違いではありません。

ただし、今は「質の高い治療」だけでは患者とスタッフに支持されないのです。

患者は治療の良し悪しだけを比べて選ぶ時代ではなく、「安心して通えるか」「この医院に任せたいか」で選ぶ時代。

さらに、スタッフも「どんな理念のもとで働くのか」「院長の人柄、日頃の姿勢」を重視しています。

つまり、これからの院長には、「治療のプロ」に加え、「経営と人づくりのプロ」であることが求められるのです。

 

経営を数値ではなく、意図と設計で動かす

多くの医院では、「月次の数字」や「売上目標」が経営の中心に置かれています。

しかし本来、数値は目的ではなく結果を映す鏡にすぎません。

経営者型院長は、数字を追うのではなく、理念を実現する為に数字を設計します。

たとえば、

・理念の実現に向けた中期計画を描く

・スタッフの成長過程を行動指標に落とし込む

・患者層の変化に合わせた診療時間設計を行う

・固定費上昇を見越した人員計画・LTV戦略を立てる

数字を動かす設計を意識できるかどうかが、経営者型院長と治療家型院長の分岐点です。

 

経営者型院長が持つ5つの資質

変化の時代を乗り越える院長には、共通点があります。

それは「経営の技術」ではなく、「経営者の姿勢」です。

資質

内容

ビジョン  

3年後・5年後の医院像を明確に描き、スタッフと共有できる力。

戦略

社会変化・地域構造・人材動向を読み取り、医院の進む道を設計する力。

判断軸

「理念に照らして、何が正しいか」で意思決定できる力。

人材育成

指示ではなく、任せて育て、共に成長できる力。

持続性

自分もチームも長く良い状態で続けるための生産性と治療品質の向上。

この5つを高めることで、どんな環境変化が起きても医院はブレなくなります。

 

先生の医院は如何でしょうか?

1.先生の医院は5年後どんな姿になっていて、スタッフは5年後の姿に共感していますか?

2.経営判断の軸は「数字」でしょうか、それとも「理念」でしょうか?

3.チームは院長の指示で動いていますか、それとも理念で動いていますか?

4.先生自身の経営者としての成長計画を描いていますか?

5.理念の実現に近づいているかを数字で評価していますか?

 

まとめ

これからの時代、「変化を乗り越える力」は経営スキルではなく、院長の姿勢によって生まれます。

経営環境が厳しさを増すほど、医院の成長の限界院長の成長の限界で決まります。

2040年に向けて、

社会は確実に「経営者型院長」を求めています。

治療のプロフェッショナルとしての誇りを胸に、次は“人と組織を導くプロフェッショナル”へ。

その一歩を踏み出すのは、

「未来のために、患者の為に今を変える」と決意した院長だけなのです。

 

次回予告:

第2回「変化に強いチームは理念で動く」

数字ではなく意味で人を動かす経営とは何か?

スタッフが理念で判断し、自走する医院の共通点をお伝えします。

 

★こちらもご覧ください。
 
 
 
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