歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

理念を“チームを動かす力”に変える ~短期・中期・長期のビジョンをつなげる院長の役割~  [2025年10月09日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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理念とビジョンが「つながっていない」歯科医院が多い

多くの歯科医院のホームページには、美しい理念が書かれています。

「地域に愛される医院を目指します」

「患者さんの健康と笑顔を守ります」

しかし、実際にその理念が「経営計画」や「アクションプラン」、

さらには「院長の日常の言動」まで一貫して反映されている医院は、驚くほど少ないのです。

理念が理念のまま止まっている。

これが、スタッフに理念行動が伝染しない最大の理由です。

 

 

理念はバックキャストで生きる

理念を現場で機能させるには、

「理念ミッションビジョンバリュー経営計画アクションプラン → 日常行動」が一貫してつながっている必要があります。

この理念から未来を逆算する思考が、バックキャスト経営です。

・理念(Philosophy):医院が存在する理由・社会的使命

・ミッション(Mission):医院が社会に果たす役割

・ビジョン(Vision):3年・5年後にどんな医院を実現したいか

・バリュー(Value):チーム全員が大切にすべき価値観

・アクションプラン:理念を現実にする具体的行動

理念を起点に上流から下流までつなげることで、

チーム全体が同じ方向に力を発揮できるようになります。

 

理念経営を勘違いしている院長はチームメンバーの行動をルールと数値目標だけで縛ろうとする。

理念と日常診療の整合性について話し合う時間が殆ど無いのです。

しかし、「皆で掲げる理想を実現する為にルールは守らなければいけない」とチームメンバーが感じる様に働きかけなければ、ルールを更に追加していく間違った方向に行くのです。

チームメンバーは理念で縛ることが大切で、それが日々の行動にまで落としこまれている状態を目指さなければトップダウンでコントロールするしかありません。

 

 

理念が心に届く医院の共通点

理念が「掲げる言葉」ではなく「行動の軸」になっている医院には、3つの特徴があります。

1.理念を言語化し、日常的に語っている

 理念は作って終わりではなく、繰り返し語ることで意味が深まります。

 朝礼・会議・面談のたびに「なぜ私たちはこれを大切にしているのか」をスタッフ自らで確認することで、スタッフの行動基準になります。

 

2.ビジョンと計画に一貫性がある

 「理念長期ビジョン中期経営計画単年度目標アクションプラン」が一本の線でつながっている。

 だから、誰もが行動目標と数値目標”、そして”今の自分の行動”が未来の医院づくりにどうつながるかを理解しています。

 

3.院長や幹部の言動が理念と一致している

 理念は、最終的に院長や幹部の姿勢で伝わります。

 スタッフへの声かけ、判断基準、感謝の伝え方。

 院長や幹部のすべての言動が理念に基づいていれば、チームは自然とその価値観を共有します。

 

理念がスタッフの内発的動機を生む

理念が浸透した組織では、スタッフは「院長のため」に動くのではありません。

「理念の実現のため」に動くのです。

・「患者が安心して治療を受けられるように」

・「医院の理念が形になっていくために、もっと自分を成長させたい」

・「ドクターが集中して診療できるよう、最善を尽くそう」

こうした行動は、指示ではなく自分の意思から生まれます。

理念に動機づけられた人材は、ブレません。

変化があっても、理念を軸に自ら考え、行動を選択します。

 

「三方よし」で理念を動かす

私は、院長に理念(ミッション・ビジョン・バリュー)と経営、言動を一致させる経営者になって頂きたいと考えています。

そして、その理念を「三方よし」で実践していくことが大切です。

・患者、地域よし(健康・信頼・満足、貢献・連携・存在意義、)

・スタッフよし(成長・誇り・働きがい)

・医院よし(理想実現、医院継続、メンバー成長、院長スタッフの生活)

この三方よしの視点で理念を実践することで、

スタッフは院長に従うのではなく、理念そのものに動機づけられた行動をとるようになります。

理念が個人から組織の信念に昇華したとき、その医院は圧倒的に強くなるのです。

 

今日からできる「理念一貫経営」チェックリスト

1.医院の理念・ミッション・ビジョン・バリューは一貫しているか?

2.理念が経営計画・アクションプランに明示的に反映されているか?

3.スタッフが理念を自分の言葉で説明できるか?

4.院長の判断基準・言動が理念と一致しているか?

5.理念を「三方よし」の視点で体現できているか?

 

まとめ

理念とは「飾る言葉」ではなく、「医院を導く羅針盤」です。

理念・ビジョン・アクションを一貫させることで、チームは院長の指示で動くのではなく、理念そのものに動かされるようになります。

理念経営とは、理念に動かされる組織を育てること。

それを「三方よし」で実践することで、医院は永続的に成長します。

 

森脇康博のひとこと

私の役割は、院長が「理念ミッションビジョンバリュー」を一貫させ、それをチームに行動として浸透させるサポートをすることです。

「理念経営」と言うとフワフワした感じに受け取られる方がいますが、実は理念経営が一番合理的であり厳しい。

スタッフの歯科医療従事者としての成長も、治療品質も、そして生産性の向上や数値目標の達成も厳しく求められるからです。でなければ掲げた理想が達成されることなど無い。

 

前にも書きましたが院長は理想を掲げ目的地を示して船の乗組員を探します。

そして院長は最初はチームメンバーを引っ張る存在であるのですが、段階的にチームメンバーに理想の更なる進化を委ね、日々の計画と行動を委ね。双眼鏡と羅針盤で遠くを見ながら進路を決断する存在になる必要がある。

その道のりを院長に寄り添いファシリテートするのが私の役割なのです。

 

さあ、先生とチームメンバーはどちらの方向にどれだけ進んでいかれますか?

勤務ドクターとスタッフは先生の医院のメンバーであることに誇りとプライドを持てていますか?

 

★こちらもご覧ください。
 
 
 
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