歯科医院を見学していると、同じように忙しいのに「スタッフがバタバタ走り回っている医院」と「落ち着いてスムーズに診療が進んでいる医院」があります。
なぜこの違いが生まれるのでしょうか?
バタつく医院に共通する6つの光景
・スタッフが器具や材料を他のユニットから拝借する
・器具や材料の整理整頓が出来ておらず、新人が戸惑う
・スタッフがバックヤードとユニットを行き来する回数が多い
・院長がその場で指示を出し続け、常に「現場監督」状態
・予定より治療が押して患者を待たせてしまう(常態化)
・急患が多く予約キャンセルや遅刻する患者も多い
こうした光景は「忙しい」のではなく「仕組みが不十分」なことの表れです。
患者満足度への影響
診療がバタつくと、以下のような悪影響が出ます。
・患者との会話の時間がなくなり、説明不足になる
・患者が気を使って疑問があっても質問しなくなる
・待ち時間が長くなり、患者満足度が低下する
・焦りや疲労から、スタッフのミスやヒヤリハットが増える
一方でスムーズな医院は、同じ患者数でも落ち着いて対応でき、患者から「安心感がある」と支持を得やすいのです。
「忙しい」と「スムーズでない」は別物
ここを混同している院長が少なくありません。
患者数が多ければ忙しくなるのは当然ですが、忙しい=バタつくではありません。
スムーズな医院では、
・事前に予約表・カルテをチェックし準備が整っている
・材料・器具が定位置に管理されている
・誰が全体をコントロールするかが明確
・ドクターもオンタイム診療を意識できている
だからこそ「忙しくても落ち着いた診療」が可能になるのです。
先生の医院は大丈夫?診療バタつきチェックリスト
□スタッフが診療中に器具や材料を探しに走ることはない
□ユニットごとのキャビネットに必須の材料が揃っている
□器具や材料が見つからず他のユニットから拝借することはない
□「どこに何があるか」を新人でも分かる状態になっている
□診療前に予約表・カルテを確認し、必要な情報が全員の頭に入っている
□ ドクターがオンタイム診療を実行できている
□予約の入れ方を定期的に見直している
□一日の診療の振り返りをチームごとにおこなっている
□かかりつけ患者以外の急患は無理して取らない
□予約の入り方を毎朝チェックし忙しい時間帯の動き方を共有できている
□ バタつきの原因を「人のせい」ではなく「仕組み」で解決する視点を持てている
3つ以上「NO」があれば、医院がバタついている可能性大です。
まとめ
診療がバタつく医院とスムーズな医院の違いは、スタッフ数や患者数の多さではなく、仕組みと準備の有無です。
今回のシリーズでは、
・材料・器具の配置
・事前準備の習慣
・オペレーションリーダーの有無
・スタッフ育成の仕組み
といった具体的な原因と改善策を順に解説していきます。
次回は「治療材料・器具の配置と管理」がテーマです。
先生の医院はチェックリストで何個NOになりましたか?
毎日OODAループを回し、改善目標に対する振り返りで定着させている医院と、月に1回のミーティングで改善点を話し合う医院では進化スピードが全く違います。
毎日、3~5分の振り返りで診療のバタつきは驚くほど改善されますので試してみてくださいね。
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