このままでは予約キャンセル率は低下していかないかも・・・
歯科医院の経営課題のひとつに「予約キャンセル率の高さ」があります。
特に治療が長期にわたる患者や、仕事や子育てで忙しい患者ほど、次回予約を先延ばしにしたり直前キャンセルが増えやすい傾向があります。
直前の予約キャンセルで空き枠になると枠を埋めにくくなる・・・
経営の為に枠の稼働率を高める様に院長から指示をされたスタッフが予約通りに来院する様に患者に説明するのです。
そう、多くのスタッフは経営指標の一つとして予約キャンセルを捉えています。
なかにはインプラント治療の直前予約キャンセルの場合に罰金を取る医院もあって、経営的損失を回避する為に予約をキャンセルする患者との攻防戦を繰り広げてきるのです。
しかし、経営的損失の回避の為に予約キャンセルを減らそうとするならば、患者との予約キャンセルを巡る攻防は今後も続くだろうと私は思うのです。
その理由は、
①ネット予約など手軽に予約を取れる打出し方をしている
②都合が悪ければ予約を変更できると説明している
③事前に患者側の事情を聴いていない
④そもそも朝寝坊を繰り返すタイプの人は約束を守れない
⑤予約日時を守らなければ健康上の不利益を被るとは思っていない
などがあります。
「自分の今と未来の健康にとって必要な行動を習慣化できる」
そういう人は口腔内の状態も良好ですし、予約をキャンセルしたり治療を中断したりしません。
・健康観が高く治療の優先度が高い
・セルフマネジメントが出来る
・セルフコントロールが出来る
そういう人は予約時間の5分前位には来院していると思うのです。
どういう価値観の患者を大切にし、どういう未来を手に入れたいと思う患者に寄り添うのか?
そこが不明確な歯科医院が多いと感じます。
キャンセル患者は院長が無意識的に集めている
とにかく予約枠を埋めたいから急患も無理して受け入れる。ポータルサイトのネット予約で空き枠を多くし、とにかく患者を受入れダツリループや主訴のみ治療の患者にも患者の要望の範囲だけで対応する。
しかし、予約を無断キャンセルをされることには腹が立つ・・・
そういう院長を見ていると「いやいや、手軽に予約ができ、痛い所だけ治療してもらえ、都合が悪ければ気軽に予約変更できます!」と暗黙のメッセージを発信してますよねと言いたくなるのです。
世の中には
・約束をきっちり守る人
・約束を守ろうとするがついうっかり忘れる人
・理由があれば約束を守らなくても仕方がないと考える人
・約束は自分の都合で変更したり無キャンしても問題が無いと思う人
がいます。
そして、医院によってどんなタイプの患者の割合が多いのかが違うのです。
どんな価値を実現する歯科医院だと地域に発信するのか?
とにかくどんな患者であっても数を集めて予約枠を埋めたい。
院長のそういう願いは都市部で利便性が良い場所であればまだまだ成立するでしょう。
しかし、平日の夜遅くや土日なども診療して、治療コンテンツも増やして、患者の都合を優先する必要がある。
マーケティングにおける「手軽軸」を実践できるのであれば患者を集めることは難しくはないのです。しかし、便利であるからこそ予約をキャンセルする患者も集まってきます。
一方、予約を守り来院し、自分の今と未来に取って必要な治療と管理を続けることができる。
そいう患者を集めるには「ブランド設計」をして地道に医院の価値を高めていく必要があります。
もちろん、保険診療は同一価格なのでブランド力がある医院にも約束を守れない患者層は集まってはくる。
しかし、患者の健康にとって必要な治療とケアを受けることを求められた治療の優先度が低い患者は次第に来院しなくなっていくのです。
そういうブランド構築に成功した歯科医院は治療単価が上がり、予約キャンセルや治療中断が減って定期来院患者からの紹介患者が増えていきます。
まとめ
結局は、
・院長がどんな医院を作りたいのか
・どんな患者に支持されたいのか
で選ぶ収益モデルは変わり、
それによって、
・予約キャンセルが多い医院
・予約キャンセルが少ない医院
が分かれるのです。
さて、先生はどんな医院を目指されますか?先ずはどちらを目指すのかを選んでくださいね。
![]() |
|
![]() |
|
![]() |