担当制が形だけになっていませんか?
多くの歯科医院で導入されている「歯科衛生枠の担当制」ですが、歯科衛生士枠でもキャンセル率が10%前後と高い医院があるのです。
「担当制にしたのに、キャンセル率がなぜ下がらないのか?」
それは担当患者との “信頼関係づくり”と“視点変換+行動変容の仕組み” が伴っていないからです。
そして担当患者ごとにしっかりと信頼関係を構築し、モチベーションが出来ていない。だから担当患者が来院しなくなっていても気づかないのです。
信頼関係があると優先度が変わる
患者は予定が重なったとき、無意識に「どちらを優先するか」を選んでいます。
・信頼している担当歯科衛生士がいる → 顔が浮かんで来院を優先
・関係性が薄い → 遊びなのどの予定で簡単に予約変更
つまりキャンセル率を下げるには、「予約の優先度を上げる工夫」 が必要なのです。
以前、受付担当が「申し訳ありません、ご希望されている〇月〇日は担当歯科衛生士の〇〇がお休みでして、今回だけ別の者が担当させて頂いてもよろしいでしょうか?」と尋ねると患者は、「私は別に誰にしてもらっても良いです」と答えました。しかも、その患者はベテラン歯科衛生士が担当していたのです。
だから担当制を機能させる為に以下の取組みをご提案します。
具体例① 数値で見える化する
担当制を「制度」から「仕組み」に変えるために、歯科衛生士ごとにキャンセル率等を可視化しましょう。
・担当患者のキャンセル率、施術中断率は何%か?
・基本治療完了率とSPT(P重防)移行率は何%か?
・患者の継続来院率(1年、2年)は担当ごとに何%か?
・BOP改善率は?PCR改善率は?
・家族紹介数は?
数字で示されると本人も「担当患者から信頼を得られているか」を客観的に把握できます。
歯科医院と患者とは何十年と付き合っていく関係です。
なのに歯科衛生士の1年後継続来院率が低いのでは長期管理型どころか定期管理型でさえ目指せる状態にないのです。
具体例② ナッジを使った予約リマインド
行動経済学の「ナッジ」を応用すると、患者の行動を自然に“来院優先”へと導けます。
・社会的証明(ソーシャル)
「◯◯さんと同じように、当院では〇%の方が1~3か月ごとに来院を続けておられます」
→ “皆がやっている”と伝えることで習慣化を促進。
・損失回避
「この予約日時がキャンセルになりますと次は2か月以上先のご予約になりますが大丈夫でしょうか?」
→ “損をしたくない心理”で来院優先度が上がります。
・具体的未来シナリオ
「次回の来院で歯石をしっかり取りきると、歯ぐきの状態はさらに安定しますよ」「ほら(比較写真で見てもらう)、以前より腫れは改善していますので今が大切です」
→ 患者が「行かないと得られない未来」をイメージできます。
具体例③ 会話を“生活背景”まで広げる
治療や口腔だけでなく、仕事・家族・趣味などの話をすることで「理解されている感覚」が生まれます。
「子どもさんの参観日の前にホワイトニングを終わらせておきましょうか?」
→ ライフイベントとリンクした提案は患者のモチベーションを高めます。
まずは「5%以下」を現実的な目標に
予約キャンセルがほとんど無い歯科衛生士は確かに存在しますが、その領域に達するには更なるスキルアップが必要です。
だからまずは 「担当制を機能させて5%以下へ」 を現実的な目標に据えることが重要です。
まとめ
キャンセル率を下げるには、
・数値で現状を見える化
・ナッジを活用した声かけ・リマインド
・生活背景まで踏み込んだ会話
これらを組み合わせて、患者の来院優先度を自然に高める仕組み を作ることが鍵です。
さて先生の医院では、担当制は「制度」で終わっていますか?それとも「成果」に結びついていますか?
患者が予約キャンセルなどをキッカケに離脱する。1~3カ月後の歯科衛生士枠が埋まっていかない。
その状態は歯科医療としても問題がありますし経営面では大問題なのです。だから数値で現状を見える化し、対策によって患者が離脱しない歯科医院を築いてくださいね。
具体的な数値測定と対策でお困りならば経営相談にお申込みくださいね。
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