多くの人は旅行や出張の際にホテルを選びますが、単に「寝る場所」としてではなく、安心感や心地よさを求めています。
リピートされるホテルには以下の特徴があります。
・一貫したサービス品質
どのスタッフに対応されても同じ安心感を得られる。
・上質で落ち着いた空間設計
時間がゆっくり流れバタバタ感がない上質な空間演出。
・パーソナライズされた対応
名前を呼んでくれる、前回の好みを覚えている。パーソナリティの理解。
・安心・安全の提供
清潔さ、万全なセキュリティ、快適な設備。
・滞在全体をデザイン
チェックインからチェックアウトまで上質な体験。
これらはすべて「ホスピタリティ=おもてなし」の一部であり、顧客体験を大切にする姿勢から生まれています。
そして、そういう上質な空間で時間を過ごすステイタスを求めて宿泊するのです。
もちろん、ビジネスホテルと高級ホテルは設計から違いますので宿泊費も違うのです。
歯科医院に活かせるホスピタリティの要素
歯科医院もホテルと同じように、患者の体験全体をデザインする場と考えることができます。
1.初診からの流れをデザインする
初診カウンセリング → 検査 → 治療方針説明 → 治療・予防へとつながる流れを「スムーズでわかりやすく」整備。
バタバタ感を排除し患者がいつでも話しかけられる様にオペレーションを設計するのです。
2.名前と情報の一貫管理
ホテルのように「前回は○○の治療でしたね」と自然に話せる関係性。
電子カルテやスタッフ間の情報共有で安心感を強化。
患者とはパーソナルな情報を話し「自分は大切に扱われている」と感じるコミュニケーション設計。
3.清潔さと快適さの徹底
ホテルの客室同様に「不安を与えない清潔感」。
待合室やトイレなど細部までこだわる。
患者から治療器具はほとんど見えず院内掲示も最小限になっている。
4.治療以上の価値提供
治療がスムーズであるのは当然、その上で「安心」「リラックス」「寄り添い」を感じてもらえることが差別化につながる。
5.スタッフ教育=接遇マニュアル+心の余裕
ホテルでは「マニュアル」以上に「自発的なおもてなし」を重視。
歯科医院も、患者が不安そうなら一言添える、状況に応じた柔軟な対応を大切に。
患者が不安そうにしていても「次の準備をしなければ院長に叱られる」とスタッフが行動を躊躇している時点で駄目なのです。
きっとそのスタッフは患者に寄り添う行動をして院長や先輩スタッフに叱られた経験をしているのでしょう。
患者が「また来たい」と思う医院とは?
ホテルで「また泊まりたい」と思うのは、安心と心地よさが予想以上だったときです。
歯科医院でも同じで、
・イラストを使って丁寧に説明してくれた
・待合室が落ち着ける空間だった
・子どもが迷惑かけないかと心配だったけど寄り添ってもらえた
・治療が不安だったけどスタッフが励ましてくれた
・スタッフ全員が優しく笑顔。いつも話しかけに来てくれる。
・以前に話したことでも覚えていてくれる。
・治療説明に売込み感が全くない。判断をサポートしてくれる。
といった印象が患者の記憶に残ります。
結果として、
・定期管理の継続
・家族の紹介
・自費治療の選択
・健康、審美意識の向上
へとつながり、患者の健康を守りながら医院の成長に繋がっていくのです。
まとめ
歯科医院がホテルから学ぶべきは「治療技術」ではなく、体験全体を通して患者に安心と満足を与える姿勢です。
ホスピタリティは「コスト」ではなく「投資」。
スタッフ一人ひとりの関わりが、医院のブランド力を高めていくのです。
ちなみに「患者の不安に寄り添い優しく接しよう」とスローガンを掲げても何も変わりません。
現場を変えていくのは具体的な体験の設計と改善策の実行であり、その積み重ねによってしか患者が得られる上質な体験は構築できないのです。
先生の医院は、患者にとって「また来たい」と思える“高級ホテル級のホスピタリティ”を提供できていますか?
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