街には数えきれないほどのカフェがありますが、多くの人は「お気に入りのカフェ」を持っています。その理由は単純に「コーヒーが美味しい」だけではありません。
・空間の居心地の良さ
静かに本が読める席や、友人と話しやすい席など、用途に合わせた居心地の良さ。
・スタッフとの関係性
顔を覚えてくれている、ちょっとした会話が心地よい。
・安心できる安定感
いつ行っても同じ味、同じ接客が得られる。
・付加価値
Wi-Fiや電源、限定メニューなど「ここにしかない価値」がある。
カフェは単なる飲食の場ではなく、「居場所」としての価値を提供しているのです。
ちなみにスターバックスコーヒーは「家」「職場」に続く「第三の場所」というコンセプトで空間づくりをしています。
歯科医院が学ぶべきポイント
カフェに通う心理を歯科医院に当てはめると、患者にとっての「かかりつけ医院」になるためのヒントが見えてきます。
1.居心地の良い空間設計
・清潔で明るい待合室
・患者層に合わせたBGMやインテリア
・診療中の緊張を和らげる工夫
2.スタッフの温かいコミュニケーション
・名前を覚える
・治療だけでなく日常の会話を交える
・「また来たい」と思わせる人間関係づくり
3.安定した品質の提供
・担当者による治療や施術のバラつきを最小限にする
・常に一定以上の説明・接遇・技術を保証する
4.付加価値の提示
・予防歯科メニューや審美治療など「ここだから受けられる」サービス
・アプリやLINEによる予約・リマインド機能
5.“行く理由”をつくる
・カフェの「期間限定メニュー」と同じように、医院でもイベントやキャンペーンを実施
・定期健診のたびに「小さな変化や楽しみ」があるよう工夫する
歯科医院=「治療の場所」から「安心の居場所」へ
カフェが人を惹きつける理由は、居心地の良さと信頼感にあります。
歯科医院もまた、「治療を受けに行く場所」から「安心を感じられる居場所」へと変化することが、患者の長期的な通院につながります。
例えば、
・受付での一言の声かけ
・担当スタッフの継続性
・来院のたびに少しずつ健康が積み重なっていく実感(自己効力感)
こうした小さな積み重ねが、患者にとって「また行きたい歯科医院」を形づくります。
まとめ
カフェは「コーヒー」以上の価値を提供し、人を惹きつけています。
歯科医院も「治療」以上の価値、すなわち 安心感・信頼感・居心地の良さ を提供できるかが、患者を長期的に惹きつけるカギです。
「う蝕管理」「歯周病安定期・重症化予防管理」「口腔機能管理」「生活習慣病連携管理」など、急性期でない患者の管理の仕方がこれから5年で変わっていきます。
だから、歯科医院は段階的に「治療の時だけ来院し治療を終えたら速やかに帰る」空間から脱していく必要があるのです。
先生の医院は、患者にとって「通うのが楽しみになるカフェ的存在」になれていますか?
一度、医院の空間や接遇を“カフェ視点”で見直してみるのも面白いかもしれません。
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