ここ20年でドラッグストアは全国に爆発的に増え、地域生活に欠かせない存在になりました。背景には次のような戦略があります。
・生活動線上の立地:駅前や住宅地、幹線道路沿いなど「ついでに立ち寄れる場所」に集中。
・ワンストップ化:薬だけでなく、化粧品・日用品・食品・医療相談まで揃える。
・価格と利便性の両立:PB商品で低価格、セルフレジや長時間営業で利便性を提供。
・健康サポート機能:薬剤師による相談や、調剤薬局併設で“かかりつけ”を目指す。
つまり「生活に溶け込むこと」「患者にとって便利であること」が急成長の要因でした。
歯科医院が取り入れられるポイント
歯科医院は医療機関でありながら、ドラッグストア的な発想を応用することで集患力を高めることが可能です。
1.生活動線を意識した立地と時間
・住宅地やスーパー・商業施設の近くにある歯科は集患が強い。
・勤務世代向けには「平日夜診療」や「土曜診療」で生活リズムに合わせる。
2.ワンストップ型の提供
・「治療」だけでなく「予防」「審美」「栄養指導」「在宅」まで院内で完結できると患者は安心して通い続ける。
3.利便性の追求
・ネット予約・LINE予約・キャッシュレス決済の導入は“今や必須”。
・待ち時間を減らす仕組み(診療オペレーション改善や呼び出しシステム)も評価されやすい。
4.健康サポート機能
・予防歯科・口腔機能管理を“健康寿命サポート”と位置づけ、歯科衛生士が地域の健康相談役を担う。
・家族単位での定期管理を打ち出すと、長期通院患者(かかりつけ患者)を増やせる。
集患の鍵は「生活への溶け込み」
患者が医院を選ぶ基準は、「便利である」「安心できる」「続けられる」の3点です。
ドラッグストアが生活に組み込まれたように、歯科医院も「生活の一部」と感じてもらえれば自然と患者は集まります。
例えば、
・買い物帰りにセルフケアグッズだけを買う為に立ち寄れる
・家族全員で通える
・歯の健康のことを何でも相談できる
・定期的に「健康講座」が開催されている
こうした認識を地域で持ってもらえるかどうかが、これからの歯科医院経営の大きな分岐点になります。
私が地域の経営環境分析をする場合も地域の方の生活動線から調べてペルソナを定め経営戦略を立てるのです。
これからの時代の歯科医院経営の最大のリスクは「歯に痛みや腫れ等がある患者や定期管理の患者しか来院しないこと」です。
今まではそれで充分な需要があったんですが・・・
まとめ
ドラッグストアが成功した理由は、「立地」「利便性」「ワンストップ化」「健康サポート」というシンプルな戦略でした。
歯科医院も同じく、患者の生活に寄り添う形でサービスを組み立てれば、競合医院との差別化を図ることができます。
先生の医院は、患者にとって「生活の一部」になれているでしょうか?
地域の健康ステーションとして機能していけるでしょうか?
もし「ただの治療の場」となっているなら、今こそ集患戦略を見直すタイミングです。
地域と医院に合った経営戦略の立案でお悩みならばご相談くださいね。

















