これからの歯科医院経営は「治療して終わり」では成り立ちません。
診療報酬体系は「管理・予防・連携型」へと移行しつつあり、患者が5年以上通い続ける“かかりつけ歯科医院”になれるかどうかが医院の生存戦略に直結します。
では、どうすれば「かかりつけ患者」を増やせるのか?
今回は 定期来院率を高めるための5つの仕組み をご紹介します。
1. 初診時から「定期管理型」の医院方針を伝える
患者が医院に通い続けるかどうかは、初診時の印象で大きく決まります。
「治療が終わったら終了」ではなく、「健康を守るために管理・予防を続ける場所」としての医院の役割を初回から説明し、来院の目的を“治すこと”から“守ること”へとシフトさせましょう。
医院のコンセプトを明確に打ち出し、共感してくれる患者を集めることで患者の健康を守り経営面でも収益性を高めることに繋がるのです。
2. 定期来院を習慣化させるリマインドシステム
「忘れたから行かない」を防ぐためには、次回予約を取った上で、ハガキ・メール・アプリ連携など、複数チャネルでの来院リマインドが必須です(その患者に有効なものを選ぶ)。
そして、患者ごとの口腔内の状態、ライフスタイルに合わせて「1か月」「3か月」「6か月」など最適な間隔で管理期間を設定することで、無理なく続けてもらえる仕組みが整います。
また、歯科衛生士が次回予約を取った時に「次回は〇月〇日〇曜日の〇時からです。それまで今日お話ししました磨き方を試してみてくださいね。」「〇〇さんの頑張りで歯茎の色もどんどん良くなってきていますので、このまま継続して一緒に頑張りましょうね」と次回来院する意味について話すことも有効です。
習慣化が苦手な患者には「先ずは今日帰ったら1回やってみてください、約束です。でも3日坊主でも大丈夫ですよ。私と一緒に少しづつ習慣化しましょう」と患者の特性に合わせた指導ができる様に歯科衛生士とも話し合ってくださいね。「意志」を使って必要な行動を継続できる人は一握りであり、多くの患者は習慣化するのに歯科医院のサポートが必要です。だからその為には、院長とスタッフが自分にとって必要な行動を習慣化する為のスキルや仕組みについて学び、先ずはご自身が習慣化し、臨床で使える様になる必要があるのです。
3. スタッフ全員が同じメッセージを伝える
院長が「セルフケアとプロケアが大事」と言っても、「次回、来院するのが楽しみ」と患者が感じる関係性をつくれなければ、患者は来院の必要性を感じません。
その為には患者コミュニケーションを仕組み化することだけでなく、ドクターやスタッフが目的意識を持って患者に接することが必要不可欠なのです。
受付・歯科衛生士・診療スタッフ・ドクターが一貫して「定期的に来院することが大切」というメッセージを伝えることで、医院全体としての信頼が築かれます。
4. 成果を見える化する
患者は「通って良かった」という実感がなければ続きません。
・プラークスコアの改善
・PISAの説明
・歯周ポケットの安定
・写真でのビフォーアフター提示
・口腔機能検査の経年変化
・経過観察う蝕の状態の説明
これらを視覚的、定量的に示すことで、患者自身が成果を実感しやすくなり、継続来院の動機づけにつながります。
5. 家族単位での“かかりつけ化”を意識する
一人の患者が通い続けるだけでは限界があります。
家族単位での定期来院を提案し、「お子さんの検診」「ご高齢のご家族の口腔機能管理」などをきっかけに、世代を超えて通い続ける仕組みを作ることが重要です。
これが本当の意味での「地域のかかりつけ歯科医院」への第一歩です。
その為には院長やスタッフからの働きかけが重要ですし、パケージ化することも必要だと感じます。
まとめ
「かかりつけ患者」を増やすことは、診療報酬体系が大きく変わるこれからの時代において必須の戦略です。
そのためには、
1.初診時から定期管理型を伝える
2.リマインドシステムとモチベーションで習慣化
3.スタッフ全員が同じメッセージを伝える
4.成果を見える化する
5.家族単位でかかりつけ化を進める
という 5つの仕組み を整えることが欠かせません。
かかりつけ患者を増やして患者の健康を守り、同時に医院経営も安定させたい場合にはご相談ください。
先生の医院に合わせて有効な仕組みの作り方についてご提案させて頂きます。
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