歯科医院の診療現場では、スタッフが忙しく走り回り、患者に「バタバタしている」という印象を与えてしまうことがあります。
しかし、患者はその空気を敏感に感じ取り、質問や不安を伝えることを遠慮し、治療中断に繋がるケースさえあるのです。
では、なぜバタバタ感が生まれるのでしょうか?そして院長ができる改善のヒントとは何でしょうか?
◆ バタバタ感が生じる主な要因
歯科医院のオペレーションを点検すると、以下のような課題が浮かび上がります。
・診療スタッフの治療知識が不足している
・ドクターごとの治療の癖を理解していない
・その日の診療準備が不十分
・マニュアル教育はあっても、連携に関する実践的なトレーニングが不足
・複数の連携が同時発生し、混乱が生じる
・イレギュラー発生時の優先順位判断ができない
・ドクターがオペレーション改善に協力的でない
・指示を出せるフロアリーダーの不在
・オンタイムで診療が進まない
・バックヤードとの往復回数が多い
結局のところ、診療前に「一日の流れを見切る準備」が不足していることが根本原因といえます。
◆ バタバタを防ぐためのポイント
バタバタ感を解消するためには、人数を増やすことではなく、オペレーションの設計とコントロールが重要です。
・前日に予約表を見て、時間ごとの現場の状況をシミュレーションする
・診療が遅れそうなタイミングや急患を入れることが出来るタイミングを把握する
・ドクター・歯科衛生士・診療スタッフの役割を事前カンファで明確化
・イレギュラー発生時の「代替行動ルール」を準備する
・場を見て調整できるフロアリーダーを配置する
例えば、診療が遅れた場合、ドクターが数分だけバキュームを持つことで、歯科衛生士が次の患者対応に動けることがあります。こうした「小さな工夫」がオペレーション全体の安定に直結するのです。
◆ 患者が感じる「一貫した品質」をどう作るか
受付、診療スタッフ、歯科衛生士、ドクター――それぞれが見えている範囲は部分的です。
だからこそ、オペレーション全体を通じて、どの瞬間も同じ品質を保つ仕組みが必要です。
・患者の予約電話から治療終了まで、一貫した対応品質を設計する
・スタッフ全員が「自分が表現すべき品質」を理解する
・毎日の診療の中で、改善を積み重ねる文化をつくる
まとめ
歯科医院の「バタバタ感」は、スタッフの数ではなくオペレーション設計と事前準備で解消できます。
昔、ある医院の診療を視て衝撃的だったのは、「忙しそうに動き回っているけど、結局、診療に役立っていない」スタッフがいたことです。
診療の流れについていけないスタッフもジッとしている訳にはいかないので動こうとするのですが、どう動くのが正解なのかを誰も教えてくれないので無駄な動きに繋がっていたのです。
先生の医院では、理想とするオペレーション品質を具体的に書き出していますか?
そして、その品質は実際に患者の体験に一貫して現れていますか?
一度、院内の動きを点検し、改善のヒントを探ってみてください。
それが、患者の安心と医院の信頼につながる第一歩となります。
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