歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

前の記事  |  次の記事
スタッフを惹きつける医院には“動機づけ要因”がある ― 先生は準備できていますか?  [2025年08月25日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
 
 

歯科医院経営で院長に求められるのは、スタッフを離職させない為に「衛生要因」だけでなく、やる気と成長を促す「動機づけ要因」を準備することです。

教育カリキュラムや理念教育が整っていない医院では、スタッフの視点が偏り、「患者視点」や「医療視点」「医療マインド」が欠けてしまいやすくなるのです。特にZ世代以降は、給与や待遇以上に「やりがい」「成長実感」「理念共感」を重視するため、院長は動機づけ要因をどれだけ用意できているかが未来の医院力を決めるのです。

 

卒後研修後の歯科医師や新卒の歯科衛生士は、学校や研修先で基礎的な技術や知識を身につけて入職してきます。

しかし、その後の成長スピードや医療従事者マインドは勤務する歯科医院の教育システムと経営方針によって大きく変わるのです。

「鉄は熱いうちに打て」の鉄則は大切だと思います。ただ、最初に知識をガッツリ教えて早期戦力化を目指すのではなく、「医療に関わる者の心構え」「日常の過ごし方」「医院が目指すもの」など「在り方教育」を徹底する方がマニュアル教育終了後の成長度が高いと感じるのです。

 

もちろん、「在り方教育」で話したことを院長も先輩スタッフも心がけ実践できている事が必須です。

 

 

◆ 教育システムが未来の医院力を決める

教育カリキュラムにおいて重要なのは、

・医療従事者としての在り方、果たすべき役割

・一流になる為のキャリアプランの築き方、日常の過ごし方

・日本の医療制度と患者が置かれている現状

・経営・理念教育

・技術・知識

・実務・オペレーション

・院内連携・患者理解

・医療面接技術、心理的手法(TSD法、脱感作法等)

・多職種連携

 

など多くありますが、これらをどの段階で、どのように教えるかです。

テクニカルスキルから入るのは基本ではありますが、勤務ドクターやスタッフの医療従事者マインドが育つ為のメッセージを相手に合わせて分かり易く伝えられているのかが大切なのです。

 

診療を見学すると、1年・3年・5年・10年勤務するスタッフの言動から「今までどんな教育を受けてきたか」が私には分かります。

スタッフの視点が「患者重視」「作業重視」「品質重視」「効率重視」「院長重視」の何を優先しているのかで、チームメンバーの成長度やチーム力が一瞬で分かるのです。

残念ながら多いのは「院長重視」の視点でスタッフが動く医院で、患者が後回しになってしまっているケースでしょうか。

 

 

 

◆ 幹部スタッフに不足しがちな“理念教育”

本来、幹部スタッフは「技術力」「知識」「経営視点」と「リーダーシップ」に加えて、

・医療従事者としてのマインド

・ヒューマンスキル

・患者視点

・理念に基づく行動力、指導力

・概念化力(コンセプチュアルスキル)

 

を身につけているはずです。

 

しかし現実には、理念教育が継続的に行われず、理念が「お題目化」している環境で過ごしてきた場合も多い。そんな医院では、幹部が「数字目標達成」と「仕事の効率化」の管理者になってしまい、医療チームを鼓舞しながら牽引する存在になれない。何故なら、幹部自体が数値目標の達成に疲弊してしまっており「医療人としてどうあるべきか」という原点に動機づけられにくくなっているからです。

 

 

 

◆ 退職の背景にある“衛生要因”と“動機づけ要因”

人が医院を離れる理由には、

・給与や労働条件などの「衛生要因」

・やりがい・成長実感・理念共感などの「動機づけ要因」

の2つがあります。

 

近年では勤務ドクターや歯科衛生士が他医院の労働条件と自分の医院の条件を比較することも増えています。

ただ、待遇改善だけではスタッフを繋ぎ止められず、動機づけ要因が不足していれば退職リスクは高まるのです。

 

 

 

◆ 院長に問われること

スタッフは誰しも退職しようかと「揺らぐ瞬間」を経験しています。


でもそのときに、

・院内に尊敬できる存在がいる

・相談相手、励ましてくれる人がいる

・患者への思い入れがある

・医院文化に誇りを持てる

・院長やスタッフ間の関係性が良い

 

といった“宝物”が院内に存在するかどうかが、退職を思いとどまらせる分かれ道になります。

 

スタッフに優し過ぎるのも理不尽に扱うのもNGです。

医療従事者としてどう一流になるのかについて本人と二人三脚で考え、本人の足で成長への道を歩くのをサーバントの視点で支えるのです。

課題の分離から言っても「成長」はスタッフや勤務ドクター本人が担い努力によって勝ち取るもの。

院長が外発的動機を使うのはNGではありませんが、使い過ぎて内発的動機に火がつくのを阻害してはいけないのです。

 

 

 

まとめ

これからの時代、特にZ世代以降のスタッフには給与や待遇に加え「やりがい」と「成長実感」が重要です。

スタッフの内発的動機に火をつけられた院長が経営面においても成果を出し続けることが出来る。

 

院長に求められるのは、衛生要因を整えるだけでなく、動機づけ要因をどれだけ準備できているか。

それがスタッフの定着を生み、医院の未来を支える「戦力」へと育てるのです。

 

 

先生の医院には、スタッフが惹かれ、心から誇れる“動機づけ要因”はいくつありますか?

一度棚卸しをしてみませんか?

 

 

★こちらもご覧ください。

 

 
 
 
Posted at 05:00
 
<<  2025年08月  >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
森脇康博のFacebook
講演依頼
プライバシーポリシー
三方よしビジョン達成サポートのホームページ