歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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今日からできるワンポイント経営改善④ 患者の“予約の優先度”を上げる患者コミュニケーション  [2025年11月28日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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歯科医院の受付でよく耳にする言葉があります。

「もしご都合が悪くなったら、お早めにお電話くださいね」

これは一見、親切で丁寧な言い方です。

しかし実は患者の頭の中で、

治療の優先度が下がる一言になっています。

 

これは決して受付の方が悪いのではありません。

多くの歯科医院が同じ言葉を使っているからです。

でも、言葉には心理作用があり、

どんな言い方で予約を渡すかで、キャンセル率は大きく変わります。

ある医院では言い方を変えただけで、

・歯科衛生士枠のキャンセル率:8.5 → 4.8

・治療中断率も顕著に改善

患者が予約を重視するようになった、という結果も出ています。

 

今日は

「予約の重要度」を自然に高める渡し方

に絞ってお伝えします。

 

なぜ多くの医院は予約の優先度を下げる伝え方をしてしまうのか?

理由はシンプルで、

患者の自由度を奪わないように

クレーム回避のために

優しさを見せたいから

と言いたいところですが、本当は自分の心理ストレスを回避する為です。

しかし、この配慮?は裏目に出ます。

 気軽に予約が変えられる

= 治療の優先度が下がる

= キャンセルを悪いことと思わない

受付や歯科衛生士のたった一言が、医院のキャンセル率の傾向を形づくってしまうのです。

 

患者の予約の優先度を上げる3つの原則

治療の意味づけ(WHY)を先に渡す

患者は「自分のための大切な予約」でないと来院しません。

患者の努力を肯定して行動継続の自尊感を育てる

人は「自分は大切なことを実行できている」と思うほど、その行動を継続します。(一貫性の原理)

③ “あなたの時間を確保していますのメッセージを込める

これは忠誠心ではなく、患者の安心感が高まり、主体的に予約を守る心理が生まれます。

 

今日から使える!予約の優先度を自然に上げる次回予約の渡し方

以下はそのまま使えるテンプレートです。

 

次回予約の渡し方テンプレ(歯科衛生士枠)

治療・管理の目的をセットする

「今日お伝えしたところを改善させるためには、3カ月間隔で来ていただくことが一番効果的です。」

患者の行動を肯定する(自己効力感UP

「〇〇さんは必要な治療とセルフケアを継続され健康意識が高いと感じます」

「このペースを守れば、今の良い状態をしっかりキープできます」

③“予約の意味を付けて渡す

「ですので、ご予約いただいた時間を〇〇さんの歯周病治療のために確保しておきます。」

「〇〇さんの歯周病の改善が進むように私もしっかりと準備しておきますね」

「〇〇さんはセルフケア頑張って頂いください」

 

この流れは、

押しつけではなく

強制でもなく

●“患者自身がその予約を大事にしたくなる

という心理設計に基づいています。

 

【悪例と改善例】

同じ内容でも言い方で優先度は変わる

×悪例

「次の予約ですが、いつがよろしいでしょうか?都合悪くなればお電話ください。」

優先度:患者の都合が最優先

結果:患者の予定の枝葉に回される

 

〇改善例

「〇〇さんが理想とされるお口の健康とを保つ為には、現在の来院間隔を保つ必要があります。」

「歯周病は静止期と活動期がありますので、症状が悪化する方向に進まない様に現在の治療と〇〇さんのセルフケアの質を高めていきましょう」

「では、次回の治療の日時ですが・・・」

優先度:患者自身の未来の健康

結果:患者の予定の上位に歯科が入る

患者は「自分が大切に扱われている」と感じると、その予約を大切に扱うようになります。

 

最後に

患者の健康を守る主体は医療機関ではなく患者本人です。医療機関は患者が自分の健康を守る為のサポートをするのです。この「患者が主体」である状態を保つことで、患者は自分の健康を維持することに責任を持てる様になる。

すると、患者にとって歯科医院の予約は重要なものになってキャンセルや治療中断をしなくなるのです。

患者も初期段階では「依存」を使って動機づけたとしても、内発的動機を患者自身が生みだすアプローチが必要になっていきます。

 

多くの医院では患者ではなくドクターやスタッフが治療の主体になってしまっています。

だから私はそこを変えられる様にクライアントのスタッフとも関わっています。

 

スタッフの成長もそうですが、課題の分離が必要だと感じます。

人は自分のことには興味があるのですから。

 

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