歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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人を育てる院長、人に依存する院長 ~「任せる勇気」が歯科医院を成長させる~  [2025年11月06日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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今日は「変化に強いチームを育てる院長学 第四回」

 

これまでのシリーズでお伝えしてきた通り、これからの歯科医院経営では「経営者型院長」が求められます。

経営者型院長の最大の特徴は、「人を動かす」のではなく、「人を育てる」 ことに力を注ぐ点です。

 

「任せられない院長」が医院の成長を止める

診療の質を守るために、院長が細かく指示を出す。

トラブルを防ぐために、報告をすべて自分で確認する。

その気持ちは痛いほど分かります。

しかし、このように院長がすべてを抱え込む構造こそ、医院の成長を止める最大の要因です。

なぜなら、院長が抱え込むほど、スタッフは「考える」「判断する」「成長する」機会を失うからです。

結果として、

・指示待ちスタッフが増える

・チームが疲弊する

・院長が燃え尽きる

つまり、

「任せられない院長」は、人に依存される構造を自ら作っているのです。

 

② “任せる勇気が人を育てる

スタッフが育たない原因の多くは、「丁寧に教える→出来る→任せる」が出来ていないことにあります。

もちろん、任せるにはリスクがあります。

「失敗したらどうしよう」

「患者対応に影響したら困る」

そう感じるのは当然です。

しかし、スタッフが失敗を経験できない環境では、成長の機会が永遠に生まれません。

人を育てる院長は、

「任せる=放任」ではなく、「任せる=信じて支える」

という姿勢で人と関わります。

 

任せる経営の3ステップ

では、どうすれば安心して任せる医院を作れるのでしょうか?

その鍵は 「仕組み化」と「伴走」 にあります。

ステップ

内容

目的

任せる範囲を明確にする

どの業務を任せ、どこで院長が関与するかを明文化する

任せすぎ・関与しすぎを防ぐ

任せる目的を共有する

「何のために任せるのか」をスタッフに伝える

責任ではなく意味を感じてもらう

フィードバックを仕組みにする

結果を評価ではなく成長の材料として扱う

失敗が学びに変わる文化を育てる

任せる経営の本質は「放すこと」ではなく、育つように設計することです。

 

成長を生むチームには「心理的安全性」がある

人は、失敗しても責められない環境でこそ挑戦できます。

これはエイミー・C・エドモンドソンが提唱した「心理的安全性」の概念です。

心理的安全性が高いチームでは、

・スタッフが自由に意見を出せる

・院長に質問できる

・問題を共有できる

という文化が根づきます。

 

実際の歯科医院では、

・新人がまだ教わっていないことをやらされ叱られる

・新人が院長の根治のアシストにつき「交代して」と言われる

・先輩によってやり方と教え方が違い新人が混乱する

・育成カリキュラムとマニュアルが整備されていない

・中堅スタッフの育成制度がない

・育成担当のスタッフが育成術を学ぶ機会が用意されていない

・チーフが退職し突然チーフに指名され放置

・院長の理想が言語化され共有されていない

・マニュアルに書かれている事をベテランスタッフが守っていない

など、スタッフが失敗する要素が溢れています。

「失敗しやすい環境」を院長が用意しているのに、スタッフに完璧を求めることに無理があるのです。

 

⑤ “人を育てる院長が持つ3つの習慣

1)教えられるより、考えさせる質問をする

「どうしたら上手くいくと思う?」という問いを増やす。

(2)成果ではなく変化を褒める

 「この前よりも説明が丁寧になったね」と、成長のプロセスを承認する。

(3)任せたら、信じて見守る

 途中で口を出さず、必要な時にだけ伴走する。

任せるとは、「自分がやるより遅くても、完璧でなくてもやらせてみる」こと。

そこに成長の機会が生まれます。

 

先生の医院はいかがでしょうか

・先生は「任せる勇気」を持っていますか?

・スタッフの成長の余白を残していますか?

・ミスを許せる文化を、自ら壊していませんか?

・スタッフ育成の仕組みを構築できていますか?

 

まとめ

成長しないチームを作るのは、任せない院長

成長するチームを育てるのは、信じる院長

人を育てるとは、教育することではなく、「信じて任せる構造を作ること」「成長機会を与えること」 です。

院長が任せる勇気を持てた時、チームは動き出し、医院は自然に成長します。

 

次回予告:

第5回「持続する医院をつくる院長が走り続けなくても回る組織とは?」

次回は、院長が常に走り続ける医院と、安定的に成長する医院の違いを解説します。

仕組み×人の力で持続する経営のつくり方をお伝えします。

 

 

★こちらもご覧ください。
 
 
 
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