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◆歯科医院経営ブログ

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小規模歯科医院は本当に生き残れるのか?――“弱者の戦略”とキャッシュ管理の重要性  [2025年08月06日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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はじめに:小規模だからこそ問われる「生き残る力」

最近、多くの歯科医院の院長先生から

「このまま小規模で経営を続けていけるのか…」

「大手歯科が駅前に分院を出したり近隣での新規開業があると心配」

という声を聞きます。

たしかに、今の歯科経営環境は厳しさを増しています。

しかし私は、小規模歯科医院だからこそ戦略によっては生き残る余地はあると考えています。
ただし、それには「弱者の戦略」と「キャッシュの使い方」が鍵を握るのです。

 

 

 

小規模歯科医院が抱える10の経営課題

小規模歯科医院が不利だと言われる背景には、以下のような構造的課題があります。

 

・口腔管理強化型基準(口管強基準)未取得による診療報酬の格差

・ユニット台数の上限=売上の天井になりやすい

・人件費・材料費高騰により利益が圧縮

・人口減・高齢化の直撃を受けやすい

・歯科衛生士の確保が難しく、予防管理型経営に乗りにくい

・スタッフのライフイベントによる離職リスク

・近隣に大型歯科医院ができると患者が流れる

・院長・患者ともに高齢化し、売上が縮小

・診療圏を拡げにくく、新患が限られる

・設備投資や施設基準取得の恩恵、規模による恩恵を受けにくい

 

これらを見れば、「厳しい」と感じるのは当然です。

ただし、これらはすべて“戦略の立て方”と“お金の使い方”で乗り越えられる課題でもあります。

 

 

 

小規模医院が持つ“強み”を見落としていないか?

一方、小規模だからこそのメリットも確実に存在しています。

 

・損益分岐点が低く設定できる(固定費が小さい)

・少人数でも運営できるため人員計画が立てやすい

・患者ひとり一人に目が届き、丁寧な対応で差別化しやすい(自費治療に繋がる)

・保険収入が中心なら概算経費率を使える

・大規模医院が拾いきれないニッチなニーズを狙える

この強みを“戦略”として活かす医院こそが、これから10年の生き残り組になるのです。

 

 

 

「やってはいけない経営」が小規模医院を潰す

残念ながら、多くの小規模医院がこの強みを活かせず、以下のような失敗パターンに陥っています。

・成果に見合わない院長報酬の設定

・高級車や住宅購入によるキャッシュ枯渇

・周囲の大規模医院を真似た高額設備投資(高額ユニット・診断機器など)

・目先のトレンドに飛びついた非計画的な事業拡張

こうした動きは、“弱者の戦略”から外れた時に起こりがちです。

 

本来であれば戦略的に蓄えられるはずのキャッシュを消費してしまい、

いざという時の打ち手も、事業投資もできなくなってしまう。

そしてリタイア後資金を貯められない院長も多いのです。

 

 

 

小規模で勝ち残るために必要なのは「地に足のついた経営」

では、どうすれば生き残れるのか?

それは、以下の3つの視点を徹底することです。

1)弱者の戦略を守る
 →ニッチ市場を狙い、丁寧な診療と差別化に注力する(自費治療の強化)

2)キャッシュフローの可視化と管理
 →高額投資を安易にせず、院長報酬も「必要最小限」で

3)「固定費を上げない範囲での成長戦略」を持つ
 →ユニット増設、最新の設備導入よりも稼働率・リピート率・生産性アップを狙う

 

院長の高齢化に合わせて医院も“ゆるやかに終わっていく”という流れを防ぐには、

今この瞬間からキャッシュを守り、戦略を明確にしておくことが求められます。

友人が導入した診断機器が欲しくなり購入した・・・では駄目なのです。

 

 

 

終わりに:小規模は“不利”ではなく“戦略の選択”が問われる時代へ

大きな歯科医院がすべて成功するわけではありません。

実際に経常利益率が低い大型歯科医院もありますし、リスク分散が出来ずに倒産した歯科医院もあります。

逆に、小規模医院でもキャッシュを残し、理念と戦略で軸を持った経営ができている医院は、

10年先も地域で必要とされ続けます。

 

先生の医院は、どちらの道を歩んでいるでしょうか?

 

もし今、お金の使い方や経営の舵取りに少しでも迷いがあるなら、
ぜひ一度、戦略とキャッシュの流れを見直す機会を持ってみてください。

 

★こちらもご覧ください。

 

 
 
 
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