Q1. 経営判断を“感覚”でしていませんか?
ここで一つ質問です。
先生の医院に「歯が痛い」と訴える患者が来院した場合、問診・資料取り・視診をせず、いきなり治療に入るでしょうか?
おそらく多くの先生は「そんなことはしない」「診断するのは当たり前だろ」とお答えになるでしょう。
しかし、こと経営になると「予約が埋まっているから大丈夫」「たぶん利益は出ている」「キャンセルや中断が多い様な」と感覚で判断してしまう医院も少なくありません。
Q2. KPIとは?なぜ歯科医院にも必要なのか?
KPI(Key Performance Indicator)とは、医院の目標達成に向けた《重要業績評価指標》のことです(プロセスの測定・評価)。
KPIはKGI(Key Goal Indicator)《重要目標達成指標》を達成する為に必要な行動や成果を測定するもので、目標を何に設定するかで測定するべきKPIは変わります。
歯科医院で売上を増やす為によく使われるKPIは以下の通りです:
・ユニット稼働率(何%の時間が診療に使われているか)
・ユニット当たり生産性(ユニット一台でどれ位の売上を達成しているか)
・自費率(全体売上のうち自費が占める割合)
・リコール来院率(歯科衛生士枠の患者の継続率)
・1人あたり生産性(DH・Dr・TCの単位売上)
→これらを定期的に確認・分析することで、「問題の早期発見」「改善策の検証」などが可視化されます。
Q3. KPIを見ないと何が起こる?
・「忙しいのに利益が出ない」状態の原因がわからない
・スタッフ数と売上のバランスが崩れ、固定費だけが膨らむ
・ドクターや歯科衛生士の稼働ムラに気づかず、患者満足が低下する
・広告費の費用対効果が見えず、集患対策が属人的になる
→これは、診査診断なしに治療を進めてしまうことと同じ。
つまり《思い込み経営》のリスクが高まるのです。
Q4. すぐに測定して見直したい「主要KPI」は?
以下のKPIは、院長一人でも定期的にチェックできます。
【基本KPI】
・ユニット稼働率(予約枠に対して実際に診療された時間)
・自費率(月別・自費種別ごとに分類。前年実績と比較して対策)
・1人あたりの月間売上(Dr・DH・治療コーディネーター別)
・Dr、DHごとの中断率(数)
【コストKPI】
・スタッフ人件費率(23〜28%が目安)
【育成・継続KPI】
・リコール率(88%以上を目指す)
・スタッフ定着率・評価達成率
→毎月の経営会議や面談に、上記KPIを活用することで、客観的で前向きな議論が可能になります。
もちろん、上記KPIは数値測定のほんの一部です。医院規模に合わせて測定して対策するべきKPIは変わりますので、何を達成したいのかを明確にする必要があるのです。
例えば、自費売上を増やす為に測定するKPIは【各コンサル実施率】【お勧めプラン成約率】【担当別、種別ごとの成約率】などです。
Q5. KPI活用で医院はどう変わる?
・数字で語れるので、ドクターやスタッフとの納得感ある面談ができる
・業務の優先順位や無駄が見える化され、改善のスピードが上がる
・経営の意思決定が「感覚」から「根拠ある戦略」に変わる
・スタッフ自身が数値に目を向けるようになり、自律性が高まる
結論:診療と同じく「データなしに判断しない」姿勢を経営にも
歯科診療において、資料取り・診査診断・治療計画なしに治療を進めることがリスクであるように、
経営でも《KPIという診断データ》なしに動くことは、医院を誤った方向に導いてしまいます。
【先生の医院では、経営の“診査診断”にKPIを活用していますか?】
【スタッフも含めて、目指すべき数値を共有しながら動けていますか?】
KPIは経営の“レントゲン”です。まずは見える化から、診療と同じく的確な対応を始めていきましょう。
また、数値測定はしているものの【どう取り組めば数値が改善するのか?】が分からない院長も多いと感じます。
そういう数値測定を経営に活かしたい院長もご相談ください。