Q1. 本当に「スタッフにやる気がない」のでしょうか?
「うちのスタッフは休日の外部研修に行かない」
「役割を任せても積極的じゃない」
…そんな声を多くの院長から聞きます。
でも、私がスタッフと面談をしてみると、ほとんどの人が《叶えたい理想》や《やってみたいこと》を持っていることがわかります。
つまり──
【やる気がない】のではなく、【院長の提案にやる気が起きない】だけなのです。
Q2. スタッフがやる気を出すために必要な視点とは?
スタッフが「興味が持てない」「魅力を感じない」と思っていることには、自然と行動は起こせません。
これは院長ご自身も、興味のないセミナーや苦手な会議に参加する場面で体感していることではないでしょうか。
【リーダーの仕事とは】
スタッフが「興味を持ち」「魅力的に感じる」ように働きかけること。
つまり、《やる気の設計》を行うことです。
Q3. スタッフのやる気を引き出す“2つのスイッチ”をご存じですか?
1.【作業興奮】
→最初は気が乗らないことでも、やっているうちに楽しくなる心理メカニズム。
例:「勉強会なんて面倒だな」と思っていたスタッフが、参加後「思ったより面白かった」と感じることもあります。だから日常診療のあらゆる場面に《学び》がある仕組みの設計が必要なのです。
2.【知識欲の刺激】
→人は「分からないことを放置したまま」だとストレスを感じます。
だからこそ、「この場で聞いていいんだ」「どんな小さなことでも質問していい」という環境があると、スタッフの学習意欲は一気に高まるのです。
実際には現場では「そんなことも分からないの?」と言われる(思われる)ことを恐れて、自己防衛の為に分からなくても聞けないということが起こっています。
その証拠に、私が診療を見学していると、経験の浅いスタッフが分からないことについて質問するのは同期や1~2年先輩など心理的な安全が確保されている人が多いのです。
Q4. 院長がまず整えるべき“学びの環境”とは?
・簡単な質問でも馬鹿にされない「安心の場」があるか?
・「何を学ぶのか」だけでなく「なぜ学ぶのか」が明確か?
・スタッフ自身が「知りたい」「成長したい」と感じるテーマが含まれているか?
→例えば、院内研修のテーマを一部スタッフからの提案にしてみる、
勉強会の前に「今、分からなくて困っていることは?」と聞いてみる、
そんな小さな設計の工夫が、学習へのモチベーションを大きく変えるのです。
Q5. 「外部研修に行ってくれないスタッフ」を変えるには?
→いきなり外部研修に送り出すのではなく、まずは「分かるって面白い」と体感してもらえる院内学習の場を整えることが先です。
また、学ぶ内容が「院長が望むこと」だけでなく「スタッフが関心を持っていること」であることも重要です。
両者をバランスよく取り入れた教育設計が、学ぶことへの自発性を育てます。
そして学びを続けた未来にどんな未来が待っているのかをイメージできるキャリアプランを提示することが必要なのです。
結論:スタッフのやる気は「設計」できる
スタッフの成長や主体性を引き出すには、
▶魅力的な目的の共有
▶疑問を解消できる学習環境
▶“やってみたら楽しかった”という体験の積み重ね
これらが揃って初めて、「やる気」の火が灯ります。
【先生の医院では、スタッフが「学びたい」と思える環境を整えていますか?】
【スタッフの知的好奇心や疑問解消の機会を、定期的に提供できていますか?】
やる気がないと決めつける前に、「やる気を育てる設計」ができているかを、まず見直してみてください。
小さな学習体験が、スタッフと医院の未来を大きく変えていきます。
スタッフのやる気を引き出す院内研修設計でお困りの場合にはご相談ください。
スタッフの成長度と行動特性、興味に合わせた成長の仕組みの構築をサポートさせていただきます。