歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

クレームを防ぎ、自費率を上げる!患者対応力を組織で高める方法  [2025年06月03日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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今日は「患者対応」について書きます。

 

 

医院の信頼は「診療」だけでは築けない

先生の医院では、患者対応についてスタッフ間で共有や振り返りを行っていますか?

歯科医院の経営において、技術や治療成績はもちろん重要ですが、それ以上に「患者さんがどう感じたか」が継続来院・紹介・自費選択に大きな影響を与えています。特に最近では、Google口コミやSNSでの情報発信が一般化し、「感じが悪い」「説明が雑」といった1件のネガティブな投稿が新患獲得に与える影響も無視できません。

ある都市近郊の20人規模の歯科医院では、ベテラン勤務ドクターが退職し、引き継いだドクターの患者への説明不足から自費診療の売上が減った経験から、対応力向上の取組みを開始。結果として、1年でそのドクターの自費率が12%向上し、治療中断は3分の1に減少しました。治療技術を支えるのは、現場での「伝え方」「接し方」であることをあらためて示す結果といえるでしょう。

 

 

クレームの多くは「説明の質」と「態度」の問題

厚労省や中医協の議論でも、「患者の納得と満足を得るための説明責任」の強化が進められています。これからの時代、保険診療であっても、インフォームドコンセントを満たす「伝わる説明」が評価されるようになります。

よくある対応ミスの例としては、

・予約変更の電話に対して事務的すぎる返答をしてしまい、患者が不信感を抱く

・歯科衛生士や診療スタッフ、受付が忙しさから無意識に上から目線の言い方をして、トラブルに発展(ネットへの書き込み)

・自費治療の説明を勤務ドクターに任せきりで、補足の説明が不足し患者の不信感に繋がった

など、悪意がない“ちょっとした対応のズレ”が、患者との信頼関係を壊してしまうことがあります。忙し過ぎるといつもは実行していることを省いてしまう。こうした事例から見えてくるのは、「誰が・どのように」患者と関わるかの一貫性が、医院のブランドに直結するということです。

 

 

接遇力は“感覚”ではなく“トレーニング”で育てる

「うちはスタッフが気配りできるから大丈夫」と思われるかもしれませんが、医療現場の忙しさの中では、個々のスキルや気遣いだけでは限界があります。重要なのは、全スタッフが一定の対応水準を保てるよう“仕組み”として整備することです。

効果的なアプローチの一例として、

・カウンセリングマニュアル、接客マニュアルの整備(言葉選びや資料活用の基準化)

・「患者対応5原則(例:傾聴・確認・共感・説明・感謝)」の朝礼読み合わせと実践事例発表

・月1回のロールプレイ研修(受付〜診療誘導~治療時対応~送り出し~受付までの流れ)

などがあります。特にロールプレイは、心理学の“社会的学習理論(バンデューラ)”に基づき、他者の行動から学ぶ機会となり、実践力の向上に非常に有効です。

 

 

チーム全体で“患者対応力”を育てる風土づくり

対応改善がうまくいっている医院では、以下のような「チーム文化」が根づいています。

・スタッフ間で「今の対応、どうだった?」と声をかけ合う習慣

・クレームを“問題”ではなく“成長の種”として共有する仕組み

・自費説明の場に歯科衛生士・治療コーディネーターも同席し、引き続き補足説明ができる体制

 

こうした文化の土台になるのが、心理的安全性とヒューマンスキル評価制度です。たとえば、定期評価項目に「患者対応の工夫」や「チーム貢献度」を含めることで、単なる業務遂行ではなく、患者との関係性づくりを意識するスタッフが増えていきます。

また、クレーム発生時のヒアリングも「誰かのミスを責める」のではなく、「どうすればチームとして再発防止できるか」に焦点を当てることで、安心して意見を言い合える組織風土が築かれていきます。

 

 

先生の医院では、患者対応のスキルをどう育てていますか?

令和8年以降の診療報酬改定でも、「アウトカム評価」や「チーム医療としての連携力」「連携の実態」、「記録」が重要な視点になると予測されています。単に点数を取るのではなく、“患者にとっての価値”をどう高めるかが問われる時代です。

先生の医院では、患者対応の教育や仕組み化は進んでいますか?
また、トラブルが起きたとき、チーム全体で学びに変える体制は整っていますか?

もし、「体系的に教育する仕組みを作りたい」「医療接遇のスキルを評価する仕組みを作りたい」といったお悩みがあれば、ぜひご相談ください。理念に沿った対応力強化のご支援をいたします。

 
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