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◆歯科医院経営ブログ

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5年後、未来提案型歯科医院が勝ち残る理由  [2017年06月26日]
こんばんは
 
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
 
 
今回のテーマは「未来提案型歯科医院」です。
 
多くの歯科医院を見て感じるのは問題解決型歯科医院が多いということです。
 
 
 
例えばこんな感じです。
◇予約電話を入れ、指定時間に患者が来院
 
患者:「歯が痛くて寝れないので診て欲しいのですが・・
 
 
スタッフ:
「〇〇さん、それはお辛いですね」「治療をおこなう為に問診票から2点だけ質問させてください」「その後、すぐに痛みを取ってもらいますからね」
 
 
ドクター:
「〇〇さん、今回は痛みが出ないように応急処置をしておきますね」
「次回、カウンセリングで〇〇さんのご要望を確認した上で、治療方針を決め、治療を開始したいと思います」「それでよろしいでしょうか?」
 
(応急処置後)
 
◇写真や治療説明ツールを見せながら
「〇〇さんの歯の状態は・・・です」
「治療方法には①②③があります」
「〇〇さんの歯の状態からお勧めするのは①②です」
「①のメリットは・・・デメリットは・・・、②の・・・・・です」
 
「どれが〇〇さんのご希望に近いか、お渡しする治療説明書をじっくり見て次回までに考えておいてくださいね」「もしご自身で決められなければ、次回、お話して一緒に決めましょう」
 
 
スタッフ:
「いまドクターから説明された治療法への疑問点や不安はありませんか?」
「ドクターに聞きにくいことは私が代わりに聞きますので安心してくださいね」
「あと、次回、カウンセリングをしますので治療開始時間の20分前にご来院ください」「事前にご用意いただくことはありません」
 
 
◇次回アポ、
カウンセリングで、20分間傾聴と不安解消
 
患者:「前回、説明していただいた①でお願いします」
 
スタッフ:「説明で何か疑問に思われた点はありませんか?」
 
患者:
「はい、治療説明も治療説明書もイラストや写真を使いわかり易かったです」
 
スタッフ:
「では、後ほどドクターから治療のご希望をお聞きしますので、〇〇さんからお話しいただいてもよろしいでしょうか」
 
患者:「はい」
 
スタッフ:
「〇〇さん、お家に帰ってからこれをお読みいただき、むし歯にならない為にご自身の生活習慣について考えてみてくださいね」(オリジナルの情報提供冊子配布)
 
「今回の様な事を繰り返さない為に、定期的に通院されることをお勧めします」「〇〇さんは歯周病の症状もありますので、進行しないようにしましょう」
「治療を継続される場合、次回の治療内容は歯石除去で費用は〇〇円程度です」
 
「では、間もなく〇〇ドクターが参りますので、2分程度お待ちください」
 
(納得して治療開始)
 
 
 
 上記の様な、患者視点のコミュニケーションをしている医院には口コミや紹介で患者が集まってくるでしょう。患者視点の治療説明やカウンセリングをおこなえていない、昔ながらの歯科医院がまだまだ多いからです。
 
 
しかしお気づきの様に、最近、上記の様な患者視点の歯科医院が増えてきています。いまのペースでいくとあっという間に各地域で飽和状態になるでしょう。
 
 
 
 
 
そうなった時、先生の歯科医院が患者に選ばれる理由は何でしょうか?
 
 
 
一部ではすでにその理由を作る為の変化が始まっています。
 
 
 
 

歯科医院は問題解決型から抜出せていない

 
 患者は歯科医院に問題を抱えて来院します。だから、問題を患者視点で解決する提案は今後も必要だと考えます。
 
だだ、「痛みや腫れ」という問題が解決すると、患者のモチベートは急に消えてなくなります。
 
 歯科医院側からするとまだまだ問題は残っているのですが、患者にとっての解決するべき問題は「痛み腫れ」なので、それがなくなると急速に治療へのモチベーションが下がるのです。
 
 
 痛みや腫れのない患者へのモチベートとして歯科医院が提案しているのが、全身疾患や寝たきりなどのリスク説明、そして「8020運動」などの予防重視のライフスタイル提案です。
 
 
でもこれって、厳密には患者のモチベートじゃなく目標ですよね。それも厚生労働省や歯科界の・・・。
 
 患者アンケートで「予防で歯科医院に通う事が大切」って答える患者は90%を超えています。
 
 
 ただ、実際に定期管理で歯科医院に通っている患者さんは35%に留まっています。残りの55%は行動していないということです。
 
 
”患者が問題を感じた場合のみ歯科医院に来院する ”
 
診療報酬体系が長年抱えている問題も影響して、歯科医院の患者への提案は問題解決型のまま変わっていないのです。
 
 
 
 
 
 
 自分の未来価値を考えてもらう提案型歯科医院

 

これから進む「人口減」「少子高齢化」「国民負担率の増加」。患者の収入が減ったとしても患者が口腔内の健康を後回しにしない為には何が必要でしょうか?
 
 
2025年問題等による国民の負担増により、将来的に受診抑制が進むことが予想されます。いまでもう蝕率の低下等により患者を減らす歯科医院が増えているのですが、少しの違和感や痛みでは歯医者に行かない患者が増え、歯科医院経営は益々厳しくなっていくのです。
 
 
 
 そういう状況下でも、痛みがなくても歯科医院に通うのは、口腔内の健康に価値を感じている層です。しかし、この層は歯科医院に求める要望レベルが凄く高いのです。
 
だから問題解決の提案しか出来ない歯科医院は次第に選ばれなくなっていきます。
 
 
 ”自分が価値を感じる物や生活スタイルにはお金を使う層 ”
 
 
 
 その層を惹きつけるのが「未来提案型歯科医院」なのです。
 
患者に提案する「未来」は決して「8020」ではありません。
 
8020は結果でしかないのです。
 
 
スタッフマネジメントでもそうですが、他人が設定した目標(価値)でモチベーションを上げろと言うのは無理があります。
 
 
患者ひとり一人で価値観は違います。だから目指すゴールも違うのです。
 
 
 
 
 
 
治療もコンサルティングも「手段」
 
 
「コンサルタントの技術や知識は、クライアントの問題を解決し、要望を実現する為の手段でしかない」
 
 
それが私の考えです。
 
手段は磨きますが、手段のレベルを自慢する事に意味はないのです。
 
 
 
 
同じことが歯科医院でも言えます。
 
 患者ひとり一人のニーズやウォンツを引出し、それに対する未来提案が出来ない歯科医院は、治療技術が高くても価値観が高い層には選ばれなくなるのです。
 
 
 
 歯科医院が用意する正解では駄目です。
”正解は患者の中にしかないのです”
 
 
 歯科医院の正解を患者に押しつけると、患者は「売込み」を感じ防御態勢をとります。逆に患者が話すとめどもない話を整理して復唱してあげると、患者の頭の中が整理され、自分の中にある答えを見つけ出すのです。
 
 
 
 患者自身が見つけ出した理想の生活スタイルを実現する為に、それを更に豊かにしていく為の提案が出来る歯科医院が求められているのです。
 
 
 
 このことは、他の分野でもかなり前から言われています。
 
診療報酬がつくのを待っていては手遅れです。
 
 
 
すべての患者層が未来提案型に魅力を感じる訳ではありません。
 
 
歯科医院と長くつきあい、不況下であっても通うのをやめない層=
 
”自分が価値を感じる物や生活スタイルにはお金を使う層 ”
 
への提案なのです。
 
 
 
 まずは、来院する患者から”自分が価値を感じる物や生活スタイルにはお金を使う層 ”を見つけ出してください。
 
そして、その層を満足させる未来提案をしていくのです。
 
 
 寄りついていなければ、歯科医院経営を根本から見直す必要があるかもしれません。どちらにしても行動しなければ歯科医院の2025年問題に巻き込まれてしまうのです。
 
 
 
 
 
 
未来提案型歯科医院、目指しませんか?
 
 
 
 
 
 
 
Posted at 08:30
 
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