歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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兎にも角にも患者第一!スタッフが考える“本音の組織”に変える方法  [2025年07月02日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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はじめに:患者第一とは“対等な関係”を築くこと

「患者第一主義」を掲げていても、スタッフや院長が「患者が上」「患者ファースト=何でもOK」と誤解すると、治療品質や判断が揺らぎ、ペイハラなどの問題も発生しやすくなります。

本来大切なのは、患者と対等な立場で信頼関係を築き、共に最善の治療を選択できる環境です。礼儀や接遇も大切ですが、「お辞儀の角度」よりも患者がストレスを感じず、納得して通院できる距離感が重要です。

今回は、スタッフモチベーションと心理的安全性を高めながら、本音で患者第一を実現する組織変革の方法をご紹介します。

 

 

Q1.院長がついやってしまう「患者第一」「スタッフ第一」の落とし穴とは?

どんなに「患者第一」「スタッフ第一」を唱えても、次のような言動があると、スタッフの院長への信頼やモチベーションが下がってしまいます。

・「それくらい自分で考えて」と丸投げする

 スタッフが患者対応に迷っても、対応策や判断基準を示さず放り出されると、不安とストレスが高まります。

・「それくらい常識でしょ?」「アシスト代わって」と感情的に注意する

 経験が浅いスタッフにその言葉を浴びせると、自信を失い、委縮してしまいます。

・患者には笑顔で、スタッフには厳しい

 患者の遅刻には表向きは寛容だが、裏では腹を立て、そのイライラをスタッフにぶつけてしまう。

・患者の要望だからと、患者の為にならない処置をおこなう

 ダツリセットやTEC離脱患者、主訴のみ治療が患者の健康に繋がらないと分かっているのに受入れてしまう。

こうした言動は、スタッフに「本当に患者のためになっているのか?」「スタッフのことを大切に考えているのか?」という疑念を抱かせてしまうのです。

 

 

Q2.ミーティングにファシリテーションを取り入れるとどう変わる?

スタッフ全員が本音を話せる場が医院にあると、以下のような好影響が生まれます。

・「どんな患者対応で困ったか」を全員で共有できる

・スタッフが自分の患者対応の改善点を自ら話すようになる

・院長・スタッフが対等にテーマを話し合うことで主体性が育つ

・スモールアクション(小さな改善案)をその場で決めやすくなる

ポイントは「連絡会議」ではなく、本音で共創できる場としてファシリテーターが問いかけ形式で進めること。会議の最後に「次回までに試してみること」を自分たちで決める仕組みも効果的です。

その為にはリーダーがファシリテーション技術を身につける必要があります。ミーティングでは院長とチームが主に話して多くのスタッフは指名されない限り発言せず、下を向いている。そんな歯科医院が多い気がします。

 

 

Q3.スタッフから改善案を引き出す“対話技術”とは?

院長からの指示ではなく、スタッフ自身が主体的に提案できる対話を目指します。

・オープンクエスチョン:「患者さんの治療前の不安を解消するには、どうしたら良いでしょう?」「3人1グループで話し合ってください」

・リフレクティブリスニング:「◯◯さんは、受付時の患者とのあのやりとりが気になったんですね?」「どうしたら良かったと思いますか?」

・ポジティブフィードバック:「その意見はとても現場目線ですね。すぐに試してみましょう」

リーダーがこれらの技術を使って対話することにより、スタッフは「意見が尊重されている」と実感し、チームとしての成長意欲が高まります。

 

 

Q4.患者が自発的に健康を目指す“対話の設計”とは?

患者第一を大切にするためには、単なる優しさではなく「患者が主体的に治療にコミットする対話」が重要です。

・ライフスタイルをヒアリングし、本当に必要な指導へとつなげる

・「こうすればこう変わります」という未来像を対話できるようにする

・「ナッジ」「ブースト」などのヘルスプロモーションの技術を活用する

・小さな成功体験(例:「歯磨きのコツが身についた」)を一緒に喜ぶ

・患者の本当の願い(インサイト)を見える化、共有し、一緒に実現を目指す

こうした対話を設計することにより、患者が「これなら自分にもできそう」と感じ、治療へのモチベーションを自分で作れるようになるのです。

 

 

まとめ:本音コミュニケーションで“患者第一”を生み出す組織へ

1.院長自身の言動を振り返り、公平で共感的なスタンスへ切り替える

2.問いかけと共創の場としてファシリテーションを取り入れる

3.対話技術でスタッフの改善提案を自然に引き出す仕組みを作る

4.患者が“自分ごと”として治療に向き合える対話設計を日常診療に組み込む

 
 

先生の医院では、スタッフと患者の主体性を引き出す本音対話の場が定着していますか?「患者第一」を理念として掲げているだけでなく、チーム全体で実践されているでしょうか?

患者第一もスタッフ第一も、本人が主体となる状況を作らなければ上手くいきません。そしてその環境を実現するには組織づくりやファシリテーションの技術が必要不可欠です。

本気で「患者もスタッフも院長も幸せになる医院」を作りたいのであれば、ぜひお気軽にご相談ください。私も全力でご支援いたします。

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