誰にとって居心地の良い空間を創るのか
歯科医院でも患者の居心地を良くすれば、患者は増えていきます。
ただ、居心地について考える場合、大切なことがあるのです。
それは
①誰を幸せにしたいのか?誰にとって居心地の良い歯科医院にしたいのか?
(但し、その患者層が診療圏内に将来に渡って一定数以上いること)
②その患者層に貢献できる何を持っているのか
③それを提供するのが先生の歯科医院でなければならない理由
の3つを明確にして患者に伝えるということです。
「みんなに響く」は誰にも響かない
多くの院長はどんな患者層にでも響く歯科医院を創ろうとします。
でも、誰にとっても居心地の良い歯科医院なんて存在しません。
「痛みが取れればそれで良い」という価値観の患者にとって、唾液検査やカウンセリング、TBI,歯周検査や治療に時間が取られる歯科医院は居心地が悪い歯科医院です(カウンセリングで視点変換できれば良いのですが・・・)。
一方、お口の健康を大切にしたいと考える患者(以降・高価値観患者)にとって、初診カウンセリングもなく、治療説明も不十分な歯科医院の居心地は良くはないでしょう。
もし、先生が「高価値観患者に集まって欲しい」と願っておられるなら、「高価値観患者」にとって居心地が良くて、「お口の健康には興味がない」人にとって居心地が悪い歯科医院を創っていく必要があります。
勿論、先生が「お口の健康に興味がない」人を助けてあげたいとお考えなら、それを否定するつもりはありません。
誰にでも響くメッセージを書くと、誰にも響かないのです。私はコンサルティングに入って紹介患者を増やす時、「誰に喜んで欲しいのか」「その為にどういった組織を目指すのか」を明確にしていただきます。意識を焦点化して対策しないと効果が出ないからです。
一流のホテルにはその価値を求める人たちが集まる
例えば、オモテナシが一流と言われるホテルには、オモテナシの品質に価値を感じている客が集まります。「ホテルは泊まれればそれでいい」という人は格安の宿泊場所を選ぶでしょう。
実は、歯科医院も医院が提供している価値に応じた患者が集まってくるのです。効率を重視する医院には手軽さを求める患者が、患者を待たせても仕方がないと考える医院には、キャンセルしても仕方がないと考える患者が集まります。
いやマーケティング的に考えると院長が集めてしまっているのですが・・・。
高価値観の患者層は「かかりつけ歯科医院」を探しています。そして、満足できる歯科医院に出会うと転院することはないのです。
この傾向が年々強まっていることが患者アンケートでも明らかになっています。
後に残るのは「最低限の治療はするが予防が大切だと感じていても歯科医院に行かない層」と「お口の健康より遊びや仕事を優先する層」です。
先生はどの患者層を集める取組みをおこないますか?