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◆歯科医院経営ブログ

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【生産性を最大化させる歯科の予約管理とは シリーズ2】アポミスはなぜ繰り返されるのか ― 「気をつけて」では何も変わらない理由  [2026年06月29日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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「なぜ、ここに予約を入れたの?」は、問いかける相手が違う

予約を確認した院長やベテランの診療スタッフが受付専任スタッフに思わず口にする言葉があります。「なぜ、ここにこの予約を入れたの?」。横枠に重なった時間がかかる処置、勤務ドクターの治療スピードを考慮していない枠の取り方、そうした「ちぐはぐな予約」を目にしたとき、矛先は予約を入れた受付専任スタッフに向かいやすいものです。

しかし、立ち止まって考えてみてください。受付専任スタッフは、治療の知識を体系的に学んだわけではありません。根管治療の流れを知らず、ドクターごとの処置スピードの違いも把握しておらず、診療室の中でどのような段取りが求められるかを肌で感じる機会もない。そのスタッフに、診療動線や行間を読んだ精度の高い予約管理を求めることは、はたして合理的でしょうか。

問題の本質は、予約を入れたスタッフの注意力や資質にあるのではありません。知識のないスタッフに、その役割を任せている「制度設計」にあるのです。

「気をつけて」の翌日、また同じミスが起きる理由

アポミスが発生したとき、多くの医院でみられる対応の流れがあります。院長またはベテランスタッフが指摘する。当該スタッフが謝罪する。「次は気をつけて」で締める。あるいはミスの再発防止策として、予約入れルールに新たな項目を追加する。

この対応が繰り返されるたびに、ルールは少しずつ複雑になっていきます。「経験の浅い〇〇先生の予約の取り方は他の先生とは変える」「この処置の場合は〇分で枠を取る」「初診患者は新患当番の〇〇先生の枠のみに入れる」「根管治療の横枠には時間のかかる処置を入れない、または横枠を閉じる」。個別の対応策が積み重なった結果、専任受付スタッフが参照するルールは膨大になります。

先生の医院の予約ルールは、今どのくらいの分量になっていますか。専任受付スタッフがそのルールを正確に把握して運用できていると、自信を持って言えますか。

治療チームでの経験があるベテランスタッフであれば、ルールを参照しなくても「なぜその枠の取り方がダメなのか」を直感的に理解できます。しかし知識のない受付専任スタッフにとって、複雑化したルールは「覚えなければならない規則の羅列」にすぎません。ルールの数が増えるほど、どこかで漏れが生じる可能性も高まります。「ルール追加→複雑化→新たなミス→さらにルール追加」という悪循環は、こうして生まれます。

受付専任スタッフに求めるのは「80点」でよい

根本的な解決策は、ルールを精緻化することではなく、受付専任スタッフに求める水準を正直に設定し直すことです。

治療の知識を持たず、診療の流れを体感していない受付専任スタッフが100点の予約管理をするのは構造的に無理があります。求めるべきは80点でよいのです。基本的な予約確定作業、患者への丁寧な対応、電話対応、カルテ出しや各種事務作業。これらを着実にこなすことを役割の中心に据える。そして80点では対応しきれない判断、処置の組み合わせや横枠の入れ方はベテランの診療スタッフが補正する仕組みにする。

もうひとつの選択肢は、受付の柱に診療チームの経験者を据えることです。診療室でのアシストや予約回しを一定期間経験したスタッフは、ドクターごとの動き方、処置にかかる時間の感覚、横枠の意味を身体で知っています。その経験を持つ人材が受付に入ることで、知識なき受付専任スタッフには出せない「予約の精度」が生まれます。

どちらの方向を選ぶにせよ、共通しているのは「制度設計を変える」という発想です。スタッフの頑張りに依存する仕組みから、役割と権限を設計し直した仕組みへの転換です。

院長が「制度設計者」として動かなければ、何も変わらない

アポミスは、スタッフ個人の問題ではなく、医院としての仕組みの問題です。この認識を院長が持てるかどうかが、改善の出発点になります。

「次は気をつけて」という言葉は、院長にとっては自然な反応です。しかしその言葉は、問題をスタッフ個人の意識や注意力に帰属させ、制度の問題を見えなくしてしまいます。スタッフが変わっても、同じ構造の中では同じミスが起きます。それが「何年経っても予約管理の問題が解決しない」という状態の正体です。

院長が今取り組むべきことは、自院の予約管理の構造を一度冷静に見直すことです。受付専任スタッフに何を求め、何をベテランスタッフが担い、どこをシステムで補うか。この三層の役割設計を整理することが、アポミスを「起きにくい仕組み」に変える第一歩になります。

まとめ

仕組み化が出来ない医院ではアポミスは繰り返されます。スタッフの意識や努力に頼る限り、ルールは複雑化し、問題は解消しません。解決の鍵は、制度設計にあります。受付専任スタッフに100点を求めるのか、80点でよいとする役割設計にするのか。あるいは診療チームの経験者を受付の柱に据えるのか。その選択は、院長にしかできません。

 

予約管理の精度は、患者の継続来院率に直結し、医院の収益基盤を左右します。「気をつけて」で終わらせない経営判断を、今から始めてみてください。

どうすれば良いのかが分からなければご相談ください。

先生の医院のこれからを、心から応援しています。

 

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