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より良い結果が出ないとき、歯科の院長はまず自分のどこを疑うべきか ― ”教える側”が成長できない組織は、チームを成長させられない  [2026年04月22日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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幹部スタッフが新人を評価するとき、何が見えてくるか

新人スタッフが入社して数ヶ月が経つ頃、幹部スタッフたちが育成について話し合う場面があります。

私はそういう場に立ち会うことがありますが、その場での言い方で、多くのことが分かります。

「覚えが早い、遅い」

「挨拶がちゃんとできる、あまりできない」

こうした評価の言葉が出てくること自体は自然なことです。問題はその言葉の裏にある姿勢です。

「この新人スタッフをちゃんと育ててあげよう」という姿勢で話している幹部スタッフは、評価の言葉の後に「だから次はこういうアプローチを試してみよう」という発想に向かいます。

一方で「できる人、できない人」のレッテルを貼ろうとしている幹部スタッフは、評価の言葉で話が終わります。

その新人をどう育てるかではなく、その新人がどういう人かを結論づけようとしているからです。

この違いは小さいようで、新人スタッフの成長に与える影響は大きい。

 

「レッテルを貼る幹部」が育成で起こすこと

「できない人」のレッテルを貼った幹部スタッフは、その後の関わり方が変わります。

丁寧に教えることをやめ、指示するだけになる。

できていないことへの反応が厳しくなる。あるいは「この子は無理だ」という諦めのもとで、関わりが最低限になっていきます。

しかし、この状態でできないことが続いても、それは新人スタッフの能力の問題ではないことが多い。

教え方が新人スタッフの特性に合っていなかっただけ、アプローチが単一的なまま変えられていなかっただけ、という場合がほとんどです。

人の成長に対してアプローチを変え続けることが育成の本質です。

教えた通りにできなければ「能力が低い」と判定する幹部スタッフは、自分の育成アプローチを疑うことをしていません。

「自分の教え方は正しい、できないのは相手の問題だ」という前提で動いています。

こうした幹部スタッフが多い歯科医院では、新人スタッフが成長できないケースが増えます。

採用しても育たない、すぐに辞めてしまうという悩みの背景に、この構造が潜んでいることがあります。

 

「相手が悪い」は、幹部スタッフにも院長にも起きやすい

「より良い結果が出ない=相手が悪い」という思考パターンは、幹部スタッフの新人評価に限った話ではありません。

院長のスタッフへの評価にも、幹部スタッフ同士の関係にも、同じパターンは起きます。

チームに問題が起きたとき、人は自然に原因を相手に求めます。

これは人間の認知の自然な傾向です。自分の行動を問い直すよりも、相手の問題を特定する方が心理的にはるかに楽だからです。

しかし、どんな問題も相手にだけ非があることはほとんどありません。

新人が育たないとしたら、育て方に問題があるかもしれない。

チームがまとまらないとしたら、関わり方に問題があるかもしれない。

結果が出ないとしたら、アプローチに問題があるかもしれない。

この「かもしれない」を持ち続けることが、問題解決への入口を開きます。

先生の医院の幹部スタッフは、うまくいかないとき「自分のアプローチに問題があるかもしれない」という問いを自分に向けられていますか。

 

教える側が学び成長できる仕組みが、チームの成長を決める

新人スタッフが育つかどうかは、新人スタッフの資質だけでは決まりません。

教える側の幹部スタッフが育成について学び続けているかどうかが、大きく影響します。

育成の上手い幹部スタッフは、新人スタッフの現在地を観察し、その特性に合わせてアプローチを変えることができます。

論理的な説明が響く人、実際にやってみることで覚える人、褒められると伸びる人、課題を明確に示された方が動きやすい人・・・。

人によって成長しやすいアプローチは違います。この違いを理解し、使い分けられる幹部スタッフは、新人を育てられます。

しかしこうした能力は、放っておいて育つものではありません。

育成について学ぶ機会があること、自分の育成アプローチを振り返る場があること、うまくいかないときに相談できる環境があること。

こうした仕組みが医院の中に整っていることで、教える側も成長し続けられます。

教える側が成長できない仕組みの医院では、チームを成長させていくことはできません。

これは厳しい言い方ですが、実態としてそうなっていることが多い。

 

院長が問うべきこと ― 「育成の仕組み」は整っているか

新人が育たないという問題を「新人の問題」として処理している医院と、「育成の仕組みの問題」として向き合っている医院では、数年後のチームの質に大きな差が生まれます。

院長として問うべきことは、幹部スタッフが育成について学べる機会を医院として提供できているかどうかです。

育成の方法を自分なりに振り返る場を設けているかどうかです。

そして、幹部スタッフが「相手が悪い」ではなく「アプローチを変えてみよう」という姿勢で新人と向き合えているかどうかを、院長が把握しているかどうかです。

院長自身も同じです。

チームに問題が起きたとき、「今の自分のアプローチで本当に良いか」を問い続けることが、院長としての成長につながります。

相手を批判することより、自分のアプローチを変えることに集中する方が、問題解決への道は早く開けます。

先生の医院には今、教える側が成長できる仕組みがありますか。

 

まとめ

「より良い結果が出ない=相手が悪い」という思考パターンは、幹部スタッフにも院長にも起きやすい。

しかしこのパターンのままでは、問題は解決しません。

新人が育たないとき、まず育成アプローチを疑う。チームがまとまらないとき、まず自分の関わり方を疑う。

結果が出ないとき、まず自分のやり方を疑う。この問いを持ち続けることが、チームを成長させ続ける組織の土台になります。

そのためには、院長だけでなく幹部スタッフも学び続けられる仕組みが必要です。

教える側が成長できる組織が、チーム全体を成長させます。

育成の仕組みを一緒に考えたい院長は、ぜひご相談いただければと思います。

 

先生の医院のこれからを、心から応援しています。

 

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