歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

”なんとなく黒字”の歯科医院が危ない ― 自院の数字の構造を理解していますか  [2026年04月15日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
 

「黒字だから大丈夫」は、本当に大丈夫なのか

毎月の試算表を見て、利益が出ていることを確認する。それで安心している院長は少なくありません。

しかし、こんな問いに答えられますか。

「なぜ今月は黒字なのか」「どの収益が利益を生み出しているのか」「何がなくなったら赤字になるのか」

この問いに答えられない院長は、「なんとなく黒字」の状態にいます。

黒字であることは事実でも、その理由が分からない。

これは経営的に非常に脆い状態です。

なぜなら、黒字の理由が分からなければ、黒字幅が減ってきたときに何が原因かも分からないからです。

原因が分からなければ、どんな手を打てばいいかも分からない。気づいたときには手遅れになっている.こうした事態が、実際に起きています。

 

まず「収益モデル」を言語化する

自院の数字の構造を理解するために、最初にすべきことは「自分の医院はどんな収益モデルで運営しているか」を言語化することです。

たとえば「保険診療中心で、新患を継続的に集めながら治療を回す医院」と「定期管理患者を中心に、一人ひとりの患者との長期的な関係を収益基盤にしている医院」では、数字の見方がまったく変わります。

前者では広告効果、新患数、治療単価、生産性(回転率等)、営業利益率が重要な指標になります。

後者ではキャンセル率や中断率、歯科衛生士枠の継続来院率、定期管理患者数、患者一人あたりの生涯価値(LTV)、紹介患者数、物販購入額が核心になります。

自院がどちらの収益モデルに近いか、あるいはどちらを目指しているか。

その選択によって、何を強化すれば収益が上がるかが決まります。

この選択が曖昧なまま経営を続けることは、地図なしで航海するようなものです。

 

収支分岐点売上を把握しているか

自院の数字の構造を理解する上で、まず押さえておくべき概念が”収支分岐点”です。

一般的に使われる”損益分岐点”は、売上と費用が釣り合い、利益がゼロになるラインのことです。これを下回れば赤字、上回れば黒字になります。

しかし、これでは税引き後、借入金返済後に院長が準備すべき医院と院長家族の未来を切り拓く為のお金が準備できません。

だから、損益分岐点ではなく収支分岐点で考える。

税引き後、借入金返済後に残すべきお金から逆算して必要な売り上げを計算するのです。

先生は自院の収支分岐点売上を把握されていますか。

収支分岐点を知ることで、たとえば

「来月スタッフが一人増えたら、売上がいくら増えれば採算が合うか」

「診療日数が月に二日減ったら、どのくらい影響が出るか」という試算ができるようになります。

これが経営の数字を「自分事」として考える起点になります。

 

健全な経営状態を測る、基本的な指標

数字の構造を理解するために、日常的に確認しておきたい指標があります。

難しい管理会計を導入する前に、まずこれらの指標を「自院の数字として把握している状態」を目指してください。

医業収益(月次売上)は最も基本的な指標です。

保険診療分と自費診療分を分けて把握することで、収益の構成が見えます。

自費比率が低い医院では、保険診療で患者単価を上げる余地があるかどうかを考える手がかりになります。

人件費率は、医業収益に占める人件費の割合です。

スタッフ数が増えるにつれてここが重くなりやすく、継続的な売上アップがなければ医院の収益を圧迫する最大の要因になります。

スタッフの生産性(一人あたりの売上貢献)と合わせて見ることで、採用・育成投資の効果を判断できます。

一日あたり・一ユニットあたりの売上は、医院のオペレーションの効率を示します。

予約が埋まっているのに売上が伸びないときは、ここに問題があることが多い。時間あたりの生産性を意識した診療設計につながります。

歯科衛生士枠の継続来院率は、定期管理を軸にした収益モデルを目指す医院にとって最も重要な指標の一つです。

この数字が下がっているときは、患者との関係の質に問題があるサインです。

これらの指標を毎月確認し、前月・前年同月と比較する習慣を持つこと。

それだけで、数字の変化に対して早く気づき、早く手を打てるようになります。

 

「何を強化すれば黒字になるか」を先に決める

数字の構造を理解する目的は、「何を強化すれば、どのくらいの数値を出せれば黒字になるか」を自分で計算できるようになることです。

たとえば

「定期管理患者を月に10人増やせば、売上はどのくらい増えるか」

「治療コーディネーターを配置して自費成約率が5ポイント上がれば、月の利益はどう変わるか」。

こうした試算を自分でできる院長と、試算できない院長では、経営判断のスピードと精度がまったく異なります。

試算できない院長は、何かを変えるときに「なんとなくこれが良さそう」という感覚で動くしかありません。

試算できる院長は、投資対効果を計算した上で動きます。この差が、数年後の医院の体力の差になります。

先生の医院の収益モデルにおいて、どの数字を動かせば利益が変わるか、すぐに答えられますか。

 

まとめ

「なんとなく黒字」は、経営の危険信号です。黒字の理由を理解していない院長は、黒字幅が減ったときに打つ手を持てません。

まず自院の収益モデルを言語化すること。

収支分岐点を把握すること。

基本的な経営指標を毎月確認する習慣をつくること。

そして「何を強化すれば利益が増えるか」を自分で試算できるようになること。

この積み重ねが、経営者としての判断力の土台になります。

自院の数字の整理を一緒に進めたい院長は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

 

先生の医院のこれからを、心から応援しています。

 

★こちらもご覧ください。
★ブログ記事の内容を詳しく知りたい、医院に落とし込みたい場合には「個別経営相談(有料)」にお申込みください。
 
 
 
Posted at 05:00
 
<<  2026年04月  >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
森脇康博のFacebook
講演依頼
プライバシーポリシー
三方よしビジョン達成サポートのホームページ