今日は少し、重い問いから始めさせてください。
先生の医院の自費率は、上がっていますか?
もし「はい」と答えられたなら、もう一つだけ聞いてみたいことがあります。
その自費率の上昇は、患者さんの"幸福"につながっていると、胸を張って言えますか?
スタッフが自費提案に消極的になる理由
現場支援をしていると、こんな声を頻繁に耳にします。
「先生から自費を勧めるように言われているけど、なんか押し売りみたいで嫌なんです」
このスタッフの気持ち、私は間違っていないと思っています。
むしろ、そう感じられるスタッフは誠実です。
患者さんの顔を見ながら「これ、本当にこの人に必要なのかな」と考えてしまう。それは医療人として、正しい感性です。
問題は、感性ではありません。
自費診療の"再定義"ができていないことが問題なのです。
自費診療は売上の為の「高額商品」ではない
多くの医院で、自費診療は暗黙のうちに「高い治療」として扱われています。
・保険では限界がある治療の"グレードアップ版"
・患者さんに費用負担をお願いするもの
・だから提案するのに気力がいる
このフレームのままでは、スタッフが積極的に動けないのは当然です。
自費診療の本質は、そこにはありません。
自費診療とは、「その患者さんにとって最適な医療の選択肢を提供すること」です。
保険診療には制度上の制約があります。使える材料、治療の範囲、回数、すべてにルールがある。
自費診療は、その制約を超えて「この方に本当に必要な治療を届ける」ための選択肢です。
そして何よりも、自費治療の技術を時間をかけて身につけた歯科医師が治療を担当するということが一番価値があることなのです。
その価値を患者さんに伝えていく。
そして、患者さんへの自費提案は患者の未来の為であって、売上の為ではないことを院長がスタッフに証明する事が大切なのです。
三方よしで考えると、何が見えてくるか
近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」は、歯科経営にそのまま当てはまります。
売り手(医院)よし:自費診療の適切な提供が、医院の収益を安定させ、スタッフへの還元や設備投資を可能にする。
買い手(患者)よし:自分にとって最適な治療を受けることで、口腔の健康が守られ、長期的に医療費の総額が下がる可能性もある。
世間(社会)よし:口腔の健康は全身の健康と深くつながっている。歯科医療の質を高めることは、社会の医療コスト削減にも貢献する。
この構造で自費診療を捉え直すと、「売る」という意識が自然に変わります。
「この治療を提案することが、この患者さんにとっての最善だ」
そう思えたとき、スタッフは初めて自信を持って話せるようになります。
カウンセリング(治療コーディネーター)の本当の役割
自費診療の成約率を上げたいと、治療コーディネーターの育成に力を入れる医院が増えています。
しかし、育成の方向を間違えると、スタッフが「上手な説得者」になるだけです。
本来、治療コーディネーターの役割は「患者さんが自分自身で最善の選択をできるよう、情報と対話を提供すること」です。
患者さんの不安を聞く。 今の口腔の状態を分かりやすく伝える。 治療しない場合のリスクも、正直に話す。 そして、選択肢を提示して、患者さんが決める。
このプロセスが丁寧にできたとき、患者さんは「勧められた」ではなく「自分で選んだ」と感じます。
「自分で選んだ」という納得感こそが、治療の継続と定期管理への移行を生む最大の原動力です。
定期管理型経営の中で、自費は"自然に"選ばれる
「自費率を上げたい」と思うと、どうしても提案の場面に矛盾が生じます。
しかし、本質はそこではありません。
定期管理型の経営が軌道に乗ると、自費診療は「勧めなくても選ばれる」状態になっていきます。
担当衛生士が長期で関わることで、患者さんの口腔の変化を継続的に把握できる。 「あのとき早めに対応しておいて良かった」という体験が積み重なる。 「この医院に任せれば大丈夫」という信頼が生まれる。
その信頼の土台の上で、初めて「先生のお勧めなら」という選択が生まれます。
これは押し売りではありません。
信頼に基づいた、医療的な対話の結果です。
院長への問い
自費率という数字の前に、ぜひ立ち止まって考えてみてください。
先生の医院のスタッフは、自費提案を「患者さんのために必要なこと」だと感じていますか?
それとも「医院や院長のために仕事として頑張らなければいけないこと」として捉えていますか?
この二つは似ているようで、患者さんへの伝わり方がまったく違います。
そして患者さんは、その違いを敏感に感じ取っています。
答えは、今すぐ出なくて構いません。
ただ一つ確かなのは、
「患者さんの幸福につながる自費診療」を設計できた医院だけが、長期的に持続可能な経営を手にするということなのです。
コンサルテーションシステム(治療提案)を患者の未来を救う場に変えることによって担当スタッフのやる気が高まり、患者が提案に満足し、結果として自費の売上が増えていく。
そういうシステムを構築したいとお考えの場合は経営相談(有料)にお申込みくださいね。
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