歯科医院の役割は、確実に広がっています。
かつての中心は「う蝕治療」でした。
しかし今は、
・歯周病治療
・口腔機能管理
・訪問歯科+多職種連携
・生活習慣病における主治医との連携管理
と、求められる機能は多岐にわたります。
これは歯科医療として、極めて重要な進化です。
社会の高齢化と医療構造の変化の中で、当然の流れとも言えます。
ただ、ここに経営者としての葛藤が生まれます。
点数は「集中」ではなく「分散」
診療報酬は、特定の分野に大きく集中しているわけではありません。
むしろ、国が歯科医院に担ってほしいと考える機能に、分散的に配分されています。
つまり、「これだけやれば十分」という設計ではない。
広く役割を果たしてほしい。
そのメッセージです。
しかし、実際に算定しようとすると、
・事務作業、患者指導など手間がかかる
・管理計画や記録が増える
・多職種との連絡が必要
・スタッフ教育が必要
時間も人も使う。
時間あたり生産性で考えれば、収益性の高い分野に資源を集中させる方が合理的に見える・・・
ただ、それでは「医療の視点」は満たせないのです。
しかし「集中」にはリスクがある
例えば、特定の自費分野に特化する。
あるいは、ある保険分野を柱にする。
資源を集中させれば短期的には成果が出やすい。
しかし、制度変更や市場変化で梯子を外された瞬間に、経営は大きく揺らぎます。
一点集中は、強いが脆い。
だから必要なのは「複数の柱」
歯科医院経営は、う蝕治療など一つの柱だけで立つ時代ではありません。
・治療
・管理
・連携
この三層をどう組み立てるか。
例えば、
① 治療(保険・自費)で確実に成果を出す
② 管理でLTVを高める
③ 連携で地域の中の役割を持つ
この三つが循環すると、収益は安定し、医院の存在価値も高まります。
医療としての成果と、経営としての成果
院長は医療者であり、経営者です。
医療の質を高め、患者と地域医療に還元することは当然です。
しかし、収益が成立しなければ、
・スタッフの育成も
・賃上げも
・労働環境改善も
・設備投資も
できません。
収益は、理念と医療の質を支える土台なのです。
最後に
先生の医院は、
「治療」だけで完結していますか。
「管理」は設計されていますか。
「連携」は戦略になっていますか。
資源を集中して成果を出すことは重要です。
しかし同時に、次の事業の柱を育てていますか?
その準備がある医院は、制度が変わっても揺らぎにくい。
その準備がない医院は、一度の変化で大きく傾くのです。
令和8年の診療報酬改定で、「管理」と「連携」は国にとって成果をモニタリングしやすい体系に変化しました。
最初に介護の領域で導入されたアウトカム評価もこれから医科(病院から)に入り、そして将来的には歯科にも入ることが予想される。
だから経営資源が足りず訪問診療には踏み出せなくても、「口腔機能管理+指導」と「生活習慣病連携管理」「紹介・逆紹介」はどの歯科医療機関も必要になってくるのです。
例えば、令和8年の改定で強化される「重症化予防連携強化加算」「口腔機能実地指導料」では歯科衛生士の実力が問われます。
歯科衛生士を継続的に育成していない医院では上手く扱えないのです。
だから5月末までに「管理・指導・連携」の方法を決定して6月にスタートできる様に準備する必要がある。
そう思うのです。
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