歯科医院の採用が年々難しくなっています。
それでも、自然に人が集まり、定着している医院があるのも事実です。
違いは、
「人材のレベル」でも
「給与水準」でも
「採用媒体」でもありません。
採用の“考え方”そのものです。
勘違い① 採用は「査定する場」だと思っている
いまだに多いのがこのスタンスです。
・院長が上
・応募者が下
・見極める側と、選ばれる側
この空気は、応募者は一瞬で察知します。
特に、
・他院で経験を積んだ有能なスタッフ
・医療職としてのプライドを持つ人
・人として尊重されたい人
ほど、院長の姿勢に違和感を覚えます。
採用は本来、「お互いが共通の目的に向かい、長く一緒に働けるかを確認する場」です。
院長も、応募者から選ばれている側なのです。
勘違い② 「未経験でも一から教えます」と言いながら、教える仕組みがない
募集要項によく書かれている言葉があります。
「未経験・ブランクOK、一から丁寧に教えます」
しかし実際には院長が教える訳ではない。
そして院長は指導担当スタッフがどういう教え方をしているのかを知らないことが多いのです。
・簡単に説明し3日後から現場投入
・見て聞いて覚えてが中心
・疑問があっても忙しいからと後回しになる
・先輩のやり方を真似して、分からない事は聞いてというスタンス
これでは、信頼関係はアッという間に壊れます。
問題は、院長が嘘をついていることではありません。
多くの場合、院長は指導担当スタッフに丸投げして実態を知らないのです。
採用に強い医院は、完璧な教育制度がなくても、
・何を
・どの順番で
・誰が
・どこまで教えるか
を言葉にできる状態で採用します。
もちろん、細やかな教育カリキュラムを組んで教えることが理想ではあるのですが、指導担当スタッフが「この人がちゃんと理解できる様に分かるまで教えてあげよう」という意識があれば新人スタッフは安心して成長出来るのです。
勘違い③ 医院見学・適性検査・面談が“形式”になっている
医院見学
単なる「雰囲気確認」で終わっていませんか?
本来は、
・医院が大切にしている価値観
・どんな働き方を求めているか
・どんな成長を期待しているか
を隠さず見せる場です。
良いところだけを見せるほど、ミスマッチは増えます。
適性検査
点数で合否を決めていませんか?
適性検査は、
・向き・不向き
・得意・苦手
・ストレス耐性
を理解するための材料です。
「ダメな人を落とす道具」ではありません。
適性検査を活用する医院が有能なスタッフを採用しているという話を聞いたことがありません。
逆に正しい判断を妨げる要因にもなりますので、あくまでも参考程度にして応募者と正面から向き合った方が良いと思います。
採用面談
質問が「過去の経歴」ばかりになっていませんか?
重要なのは、
・どんな価値観で働きたいのか
・何に不安を感じているのか
・どんな成長を望んでいるのか
そして、
その要望に、医院は本気で応えられるのか?を院長自身が自問することです。
「採用面談で面接官は正しく応募者の資質を見ることができない」は心理学者がおこなった実験でも明らかです。
だから、相手の言葉に耳を傾け、院長の思いをちゃんと伝え、目的に向かって一緒に頑張っていけるとピンときたら採用する方が良いのです。
採用で一番大切なのは「覚悟」
採用はゴールではありません。
スタートです。
・採用した以上、育てる覚悟があるか
・応募者の人生を一部預かる覚悟があるか
・要望に応えられないなら、正直に伝える覚悟があるか
この覚悟がないままの採用は、一時的に人が入っても、必ず離職につながります。
採用に強い医院がやっている、たった一つの共通点
それは、「育成の仕組みを、採用前から語れる」ことです。
完璧である必要はありません。
段階的で構いません。
・最初の3か月で何を身につけるのか
・半年後、どうなっていてほしいのか
・困ったとき、誰が支えるのか
これを語れる医院には、安心して人が集まります。
最後に、院長へ問いかけたいこと
先生は、
・応募者を「選ぶ人」でしょうか?
・それとも「一緒に未来をつくる仲間」を探していますか?
採用の場は、医院の価値観と、人としての姿勢がもっとも露わになる場所です。
だからこそ、テクニックよりも、条件よりも、院長の在り方が問われるのです。
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