「院長がいない日は、診療が回らない」
そう感じている院長は、少なくありません。
実際、勤務医がいても院長が学会や技術研修で不在になると、不安になる医院も多いでしょう。
しかし、さまざまな歯科医院の現場を見てきて、私は逆のことを感じています。
院長が現場にいない時間こそ、医院は強くなる。
院長不在の日、現場では何が起きているか
院長が不在の日の診療を観察していると、ある共通した光景を目にします。
・幹部スタッフが自然と集まって相談している
・「どう対応するか」を自分たちで考えている
・その判断を現場で実行している
診療の現場では、必ず問題が起こります。
アクシデント、判断に迷うケース、患者対応…。
その問題は、誰かが解決しなければ診療は前に進まない。
問題解決の経験こそが、幹部を鍛える
院長がいれば、「先生、どうしますか?」で済んでいたことも、院長がいない日は、そうはいきません。
幹部スタッフは、
・自分たちで責任を背負い
・判断し
・結果を引き受ける
少し緊張しながらも、この経験を積み重ねていきます。
この責任を伴う判断経験こそが、幹部スタッフを本当の意味で強くしていくのです。
もちろん、医学的なことは院長代理のドクターに判断を仰ぐことになるのですが、それ以外にも対応しなければいけない事は多くあるのです。
院長が“最後の砦”であることは変わらない
もちろん、すべてを幹部で解決する必要はありません。
・判断が難しい
・医院の方針に関わる
・リスクが大きい
そうした場面では、院長が判断すれば良いのです。
重要なのは、「すぐに院長に判断を仰ぐ」のではなく、「幹部で考え、対応ポイントを整理し、対応策を出した上で院長に相談する」というプロセスが育っているかどうかです。
院長不在が、横の連携を強くする
興味深いのは、院長がいない日は幹部以外のスタッフの動きも変わることです。
・誰かが困っていると自然に助け合う
・役割を超えてカバーし合う
・「指示待ち」が減る
司令塔(院長)がいないからこそ、横の連携が強化されるのです。
これは、組織が成熟し始めているサインでもあります。
院長が常に現場にいる医院が抱えるリスク
一方で、院長が常に現場で判断している医院では、こんなリスクが生まれやすくなります。
・判断が院長に集中する
・スタッフが考えなくなる
・幹部が育たない
・院長が休めない
結果として、院長がいなければ回らない医院が出来上がってしまうのです。
※管理歯科医師である院長は法律で決められた事でしか現場を離れられませんので、工夫が必要です。
強い医院は「院長不在でも回る」
誤解してほしくないのは、「院長がいなくても回る」=「院長が不要」ではない、ということです。
むしろ逆です。
・院長がいなくても現場は回る
・だから院長は“次の一手”を考えられる
・医院の未来に時間を使える
こうして、院長にしかできない役割に集中できる環境が整います。
院長不在は、組織への信頼の表明
院長が現場を離れることは、「放置」ではありません。
それは、「あなたたちを信頼して任せている」という、強いメッセージです。
信頼され、責任を任され、その期待に応えようとする中で、人は育ちます。
院長が現場で判断しない時間を、意図的につくる
もし、院長が現場を離れることに不安を感じているなら、それは組織がまだ発展途上だというサインかもしれません。
だからこそ、
・短時間から
・計画的に
・意図を持って
「院長がいても最初に判断しない時間」をつくってみてください。
その時間が、幹部とチームを鍛え、医院を一段上のステージへ引き上げるのです。
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