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◆歯科医院経営ブログ

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信頼を生み出すコミュニケーションデザイン ~人が孤立しないチームは「会話の設計」から始まる~  [2025年10月17日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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今日は、歯科医院で起きやすい人間関係のすれ違いについて、

それを防ぐための「コミュニケーションデザイン(意図を持った会話設計)」の視点からお話しします。

 

チームがギクシャクするのは悪意ではなく設計ミス

多くの歯科医院では、次のような状況を耳にします。

・新人がなかなかスタッフの輪に入れない

・チーフに昇格したスタッフが孤立する

・相互理解が足りずにグループができる

・「院長 vs スタッフ」という構図になる

・仕事が特定の人に集中しても「つらい」と言えない

・中堅スタッフが「燃え尽き」や「青い鳥症候群」に陥る

これらは、個人の性格や相性の問題ではなく、コミュニケーション設計の欠如による組織的課題です。

つまり、「人の問題」ではなく「仕組みの問題」なのです。

 

 

信頼を生み出すための3つの会話設計

チームがうまく機能している医院には、共通して次の3つの「意図的な会話の設計」があります。

関係性を築く感情共有の会話を設計する

新人が孤立したり、中堅が迷ったりする原因の多くは、感情を共有できる場がないことです。

歯科医院では業務連絡や報告は多くても、「どう感じているか」を語る場はほとんどありません。

 

たとえば、

・週1回のショートミーティングで「今週の一言(Good & Challenge)」を共有する

・院長やチーフが質問型で会話を始める(例:「今週どうだった?」「何か気づいたことある?」)

こうした感情共有の仕組みがあるだけで、「自分を見てくれている」「受け止めてもらえる」という安心感と信頼が生まれます。

 

働く意味を再確認する目的共有の会話を設計する

中堅スタッフがモチベーションを失うのは、日々の仕事と医院の理念・目的のつながりが見えなくなるからです。

毎日の業務は同じでも、意味づけが変わるだけで活力は戻ります。

例:

「この患者さんが笑顔を取り戻せたのは、あなたの説明があったからだよ」

「医院全体で○○を大切にしていく。その中で、あなたの役割はこうなると思う」

院長が理念と現場をつなぐ言葉を意識的に発することで、スタッフは「自分の仕事が医院の未来に繋がっている」と感じられます。

これも、信頼を生む大切なコミュニケーションデザインです。

 

チームの課題を対立ではなく共創で語る会話を設計する

グルーピングや「院長 vs スタッフ」という構図が生まれる医院では、課題を話し合うときに「誰が悪いか」に焦点が向きがちです(原因志向)

しかし、信頼を育てる医院では、

「どうすればもっと良くなるか?」

という未来志向の会話をします(目的志向)。

たとえば、月1回のミーティングで、

「課題共有」ではなく「改善アイデア共有」にフォーカスする。

誰がではなく、何が起きたのか

責任追及ではなく、仕組みの改善

こうした会話を積み重ねると、医院全体が「協力して創る文化」に変わっていきます。

 

 

エッジのあるチームは建設的な衝突を恐れない

前回お伝えした「心理的安全性」は、意見を出しやすい土壌です。

そこに「信頼に基づく建設的な衝突」が加わることで、チームは機能します。

つまり、

心理的安全性はチームが機能するための土台、

信頼に基づく衝突はチームが進化するための推進力。

意見がぶつかることを避けるのではなく、違いを対話によって価値に変える文化こそが、真に強い医院を作ります。

 

 

チェックリスト:信頼を生む会話設計ができているか?

チェック項目

Yes / No

スタッフが「感情」を共有できる場が定期的にある

 

院長やリーダーが理念・目的を言葉で発信している

 

課題を話すときに「誰が悪いか」ではなく「どう良くするか」で議論している

 

新人や中堅が孤立しない仕組みを意識的に作っている

 

チーム内で異なる意見が「成長の機会」として扱われている

 

 

まとめ:信頼は「自然に生まれる」ものではなく「設計する」もの

信頼関係が自然に育つと思っている医院は、気づけば静かな分断を抱えています。

信頼とは、

・感情を共有できる関係

・目的を共有できる会話

・課題を共に解決できる文化

これらを意図的にデザインすることで初めて形になる。

医院経営における会話の質が、医院全体の信頼の質を決めるのです。

 

ひとこと

信頼は「時間」ではなく「設計」で築くものです。

偶然に頼らず、意図を持って関係性をデザインする医院は、離職も少なく、チームの幸福度も高い。

チームはデザインの仕方次第で輝くのです。

 

 

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