今回は、計画を立てても 実行に移せる医院と移せない医院の違い について解説します。
計画倒れになってしまう医院の特徴
1.根拠のない目標設定
・「売上を2割増やす」といった根拠なき数字目標。
・どう行動すれば達成できるのか?が不明確
2.責任者が不在
・アクションプランの責任者が決まっていない。
・指名された担当者が目標達成の方策を持っていない
・結果的に院長一人が目標を背負い込み、スタッフが他人事になる。
3.進捗確認の仕組みがない
・毎月のミーティングで振り返りがない。
・「立てただけ」で終わってしまう。
結局、院長もスタッフもどうすれば目標が達成されるのかを理解できていない。
実行できる医院の特徴
1. 数値と行動の両面で具体化
・目標「歯科衛生士枠の継続来院率を◯%に上げる」
→担当ごとに継続来院率を計算し対策案を明確にする
→患者の次回予約時の動機づけの仕組みを導入
→施術やOHIを魅力的な内容に見直し
2. 小さな単位で分解している
・3か月、1か月、1週間単位でタスクを区切る。
・担当者が少し頑張れば達成できる小目標の繰り返し
・小さな成功体験が自己効力感のアップに繋がる様にサポートする
3. チームが自分ごと化している
・チームメンバーが主体的に決めた目標
・チームに委任した目標に院長が介入しない
・目標達成が自己成長に繋がり患者や医院に貢献できると確信を持てている
成功する医院と失敗する医院の分かれ目
ある医院では「自費率を高めたい」と経営計画に掲げました。
失敗した医院はスタッフに「もっと自費を提案して」と指示するだけで、結局数字は変わらず。
一方、成功した医院は
目標を「患者が納得して選択できる治療説明」と定め
・自費治療の選択よって患者が得られる利益を見える化し共有
・説明ツールを視覚化
・治療説明のフローをマニュアル化
・説明担当者を固定しロールプレイを実施
・月次で数値を確認し成功事例(患者の納得)を共有
という仕組みを作り、半年で自費率を+30%改善しました。
自費提案に対するスタッフや勤務ドクターのマイナスイメージを払拭し、自費を勧めるのではなく患者がより良い選択が出来るように全力を尽くすことを目指したことで、自費治療へのネガティブイメージが消えたのです。
今日からできるチェックリスト
□目標は理念と紐づけされているか?
□目標に根拠があるか?(成果を数値で計算できるか)
□「誰がやるのか」「いつまでにやるのか」が明確になっているか?
□タスクを1週間単位まで分解しているか?
□担当者の能力は足りているか?サポート体制は必要か?
□院長が必要以上に介入していないか?
□定期的に振り返りの場を設けているか?
□成果や工夫によって得られた宝物をチームで共有しているか?
□チームの成果や努力は賞賛されているか?
まとめ
アクションプランを実行できる医院は、
・目標に根拠があり、期限内に達成可能
・タスクは小さく分解されて具体的
・担当者を明確にして、担当者の時間を確保
・期限を決めて進捗を確認し続ける
というシンプルな仕組みを持っています。
「計画が絵に描いた餅になっている」と感じる先生は、まずこの仕組みを整えるところから始めてください。