「広告費をかけて新患を獲得しても患者が定着しない」
「中断やキャンセルが減らない」
その理由はシンプルです。
多くの歯科医院が“トライアル集患”(広告依存)から抜け出せていないからです。
しかし、広告に頼らずとも “信頼で患者が増える医院” は存在します。
その核心にあるのが
歯科衛生士枠・定期管理枠(う蝕、口腔機能)の拡大=健全で持続する成長モデルの構築です
今回は「広告 → トライアル」「重症化予防管理 → サステナブル」という構造の違いを軸に、
院長が今すぐ取り組める実践策をまとめました。
1.広告に頼る集患は「トライアル型」
― 続かない人が集まり、医院が疲弊する
特にポータルサイト系は、
・急患
・痛みだけ取ってほしい患者
・ダツリセットの患者
・“とりあえず予約”の層
が多く、中断率もキャンセル率も高い傾向があります。
これはマーケティングで言う Trial(お試し)集客 で、
・リピート率が低い
・LTV(生涯価値)が低い
・チームが疲弊する
・治療単価が上がらない
という構造的問題を抱えます。
広告費を増やしても定着の仕組みがなければ医院経営は不安定になる。
インプラントや矯正需要をダイレクトに獲得する広告と違い、一般診療で広告に依存するのは危険なのです。
2.歯科衛生士枠・定期管理枠の拡大は“信頼ベースの集患”そのもの
歯科衛生士枠・定期検診枠が増えると、医院構造は一気に安定します。
① 収益率が改善する
保険の治療枠より利益率が安定し、長期的な収益を生みます。
② 中断率・キャンセル率が格段に下がる
担当制の予防枠は患者と信頼関係が深まり、歯科衛生士枠の中断率は 3%以下 を目指せます。
※ただ担当制にするだけでは駄目ですが・・・
③ 紹介患者の“質”が高まる
定期管理を続けている患者は、医院の価値を理解しており、信頼度の高い紹介が増えます。
④ 新患獲得コストが激減
これが大きい。
定期管理患者が増えると紹介流入が増え、広告費依存から抜け出せます。
3.安定経営は、「予防ベースの医院構造」から生まれる
院長からよくいただく質問があります。
「広告を止めたら治療の新患数が減るのでは?」
その通りです。しかし最初は広告を使いながら段階的に広告に頼らない構造を作ることで、紹介の新患は安定して増えます。
なぜか?
紹介は“信頼”からしか生まれないからです。
・歯科衛生士と長く関係を築いた患者
・家族で通院している患者
・メンテナンスで医院の理念を理解している患者
こうした患者は、必ず質の高い紹介をしてくれます。
一方で、広告で来た“お試し患者”が健康観が高い患者に医院を紹介する確率は低いのです。
4.広告依存型と信頼ベース型の違い
指標で見ると一目瞭然
▼ 広告依存型(Trial型)
・新患の質:低〜中
・中断率:高い
・歯科衛生士枠稼働:低い
・紹介率:低い
・経営:不安定
・スタッフ:疲弊しやすい
▼ 信頼ベース型(予防型)
・新患の質:高い
・中断率:低い
・歯科衛生士枠の稼働:高い
・紹介率:高い
・経営:安定
・スタッフ:心理的満足度が高い
目指すべきは、後者です。
5.今日からできる実践
「広告 → 予防」に医院構造をシフトする3ステップ
STEP1.歯科衛生士枠を固定化し、担当制にする
・同じ歯科衛生士が担当し患者管理を見える化すると中断率が下がる
・患者コミュニケーションを仕組みにすると患者満足度が向上する
STEP2.“う蝕治療”以外のリスクを必ず説明し解決提案するフローを作る
資料取り→治療管理計画 →「う蝕」「歯周病」「口腔機能」「その他リスク」を患者に合わせた適切な段階で提案。
この流れを“仕組み化”することが鍵です。
STEP3.紹介導線を設計する
定期管理患者が家族や大切な人を紹介しやすいタイミングが必ずあります。
例:
・患者の悩みが解決した瞬間
・「ここに通って本当に良かった」と言った瞬間
・家族の健康の話が出た瞬間
・患者が長期目標の話をした瞬間
その“タイミング”で紹介ツールを手渡し、患者の紹介へのハードルを下げてあげるのです。
6.まとめ:広告ではなく「信頼」で医院は伸びる
“広告に頼らない経営こそ、もっとも安定した歯科医院モデルである。”
歯科衛生士枠と定期管理枠の拡大は、単なる予約枠の問題ではなく、医院の“設計思想”そのものです。
・収益が安定する
・スタッフのやりがいが増える
・紹介が増え、新患コストが下がる
・LTV(患者生涯価値)が最大化される
歯科医院が持続的に成長するためには、「トライアル集患から予防集患へ」。
この構造転換が不可欠なのです。
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