歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

前の記事  |  次の記事
患者はなぜ新しい歯科医院に流れるのか?既存医院が守り抜くための7つの対策  [2025年09月06日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
 
 

患者が新規開業医院に流れないために ― 既存医院が打つべき7つの対策

近年の歯科医院開業では、内覧会を2~3日開催し、来訪者のうち50~150名がそのまま治療の予約をして帰る。
つまりその裏側では、同じ数に近い患者が既存の医院から流出していることを意味します。

では、既存医院が患者を奪われないために何ができるのか?7つの観点で整理しました。

 

 

① 清潔感と快適性を常にアップデートする

新規医院は「新しい・明るい・きれい」というだけで有利です。

既存医院も定期的なリフォームやインテリア改善、小物の入れ替えを行い、「古さを感じさせない雰囲気づくり」を意識する必要があります。

内装が若干古くても清潔感が保てていることの方が大切なので、スタッフと話し合ってもう一度。6S(安全を含む)を見直してくださいね。

あと、治療器具や消耗品が患者から見える場所に置かれているのも改善した方が良いと思います。

 

 

② 治療説明とカウンセリングを強化する

患者が新規医院に期待するもののひとつが「丁寧な説明」。

既存医院がチーム内での治療計画の共有・画像や説明ツールを使ったセカンドコンサルなどを徹底することで、患者の安心感を高められます。

カウンセリングルーム(スペース)が無いのなら出来るだけ設けて治療コーディネーターを育成するなど、インフォームド・コンセントが重要な時代なのです。

ユニット台数と拡張性によっても戦略は変わりますが、リピート型を目指されるのであればカウンセリングの強化は欠かせないと思います。

 

 

③ スタッフの接遇力を磨く

患者が転院する大きな理由は「自分の扱われ方に対する不満」です。

・笑顔の挨拶

・名前を呼んでの声かけ

・患者の気持ちに寄り添う対応(質問に丁寧に答える)

こうした 小さな気配りの積み重ね が、最新設備のキレイな医院に勝る「安心感」を生みます。

「患者様を笑顔に」と掲げているのに、アポを詰め込み過ぎてスタッフに余裕が無い医院がありますが、注意した方が良いと思います。

ただ、時間に余裕があるから接遇力が上がるということでもありませんので、どんな医院像を表現したいのかをもう一度スタッフと話し合ってみてください。

 

 

④ 待ち時間を減らすオペレーション改善

「予約が取りやすい・待たされない」は新規医院の強み。
既存医院はユニット稼働率の最適化・急患対応ルール・リコール予約の仕組み化を進め、待ち時間を減らす工夫が不可欠です。

実はオンタイム診療は「患者を待たせない」以外にも様々なメリットがありますので、大きな歯科医院の場合にはドクター同士で話し合ってみてくださいね。

個人医院も予約治療時間と実治療時間を受付スタッフに測定してもらうと改善点が見えてくると思います。

 

 

⑤ 定期メンテナンス患者との関係強化

患者流出を防ぐ最大のポイントは、歯科衛生士枠の患者の定着です。

・歯周病治療時の患者のモチベーション強化

・教育による歯科衛生士のプロ意識の育成

・次回来院の理由を患者に明確に伝える

これにより「転院する理由がない関係性」を構築できます。

 

歯科衛生士数とユニット台数によって管理できる患者数が変わりますが、小規模な医院も歯科衛生士枠と専用ユニットを設けることをお勧め致します。

 

 

⑥ 自費治療・予防で差別化する

新規医院は自費治療(アライナー矯正など)やホワイトニングを前面に打ち出すことが多いです。

既存医院も自院の強み(インプラント・矯正・デンチャー・訪問・歯周病管理プログラムなど)を明確に打ち出すことで「ここでなければ受けられない」価値を伝えましょう。

ただし、弱者の戦略を取るべき小規模歯科医院が大きな歯科医院の真似をするのは厳禁。ボリュームがある需要のニッチなマーケットにポジショニングし、1点を磨き上げることで活路が見えるのです。

 

 

⑦ 院長の理念をスタッフと共有する

患者は「医院の雰囲気」で選びます。

院長の理念がスタッフに浸透していれば、一貫した言動と文化が医院全体に広がり、患者は安心感を持って通い続けます。

新規歯科医院を必要以上に警戒する必要が無い理由は、新規歯科医院にはこれから成長していく経験の浅いスタッフが多いからです。

また、先生の医院の価値観に合わない患者も目新しい歯科医院に移る可能性が高いですので、先生の医院の価値観に合う患者を大切にするチャンスが来たとお考えください。

 

 

まとめ

新規開業医院は「最新設備」「きれいな院内」「丁寧な接遇」「手軽さ」を武器にして患者を獲得します。

しかし、既存医院にも歴史・信頼・患者との関係性という強みがあります。

その強みを土台に、

・清潔感の維持

・接遇力の向上

・患者との関係性の深さを強化

・カウンセリングの徹底

・歯科衛生士枠の患者との関係強化

 

を進めることで、新規開業医院に患者を奪われるリスクは最小化できます。

これをマーケット軸では「密着軸」と言い、かかりつけ患者をどれだけ増やせるのかにかかっているのです。

例えば院長が患者を増やしたいと急患を診だすと既存の患者が逃げ出すことがあります。この場合には、患者が感じていた医院の魅力を院長自ら壊してしまっているのです。

 

「変わらず通い続けたい」と思ってもらえる医院文化を築くことこそ、最大の防御策なのです。

 

 

★こちらもご覧ください。

 

 
 
 
Posted at 05:00
 
<<  2025年09月  >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
森脇康博のFacebook
講演依頼
プライバシーポリシー
三方よしビジョン達成サポートのホームページ