歯科医院の現場では、院長とスタッフの認識の違いが「矛盾」として積み重なり、チームの雰囲気を悪化させることがあります。
スタッフの発言から浮かび上がってくる矛盾は次の通りです。
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・患者第一の医療と、経営目標達成とのギャップ
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・自費価格の値上げに対するスタッフの納得感不足
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・自費患者と保険患者への対応格差
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・人事評価への不満や院長の好き嫌いによる扱いの差
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・他医院で働く友人との労働環境の差
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・院長が語る理想と現実の診療との乖離
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・法律上グレーな業務をさせられることへの不信感
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・患者には丁寧でも、業者には高圧的な態度を取る姿勢
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・院長の理想とスタッフの理想とのギャップ
これらが長く積み重なると「不信」に変わり、ある日突然、優秀なスタッフが退職する。
もちろん、スタッフの言い分がすべて正しい訳ではありません。誤解もありますしスタッフが成長すれば理解できることもある。
そして放置していて良いものもありますが、放置してはいけないものも多いのです。
矛盾を解決するために必要なこと
どこの医院でも院内に矛盾が存在する。しかし、それを「どう扱うか」で結果は変わります。
1.院長がまず自覚すること
スタッフが感じる違和感に気づかず放置すると、矛盾は爆弾のように大きくなります。
2.誠実な対話で“納得”を得ること
例えば、自費診療の提案。院長が「売上のため」ではなく「患者に必要だから」と確信を持って説明できれば、スタッフの心にも落ちます。
3.否定や誤魔化しをしないこと
スタッフの指摘が正しい場合、それを認めて改善に取り組む姿勢を見せることが信頼に繋がります。
4.段階的に矛盾を減らす努力を続けること
経営資源や制度上すぐには解決できない矛盾もありますが、「放置しない」で改善を目指すことが重要です。
スタッフが感じている矛盾がミーティングなどで出されるのが健全なチームであり、スタッフが矛盾を感じていても発言できない医院が危険なのです。
誠実な対話が矛盾をチャンスに変える
矛盾は、院長とスタッフの意識を合わせる絶好のきっかけでもあります。
「〇〇さんの言い分はもっともだから、一緒に皆が納得できる組織を作ろう」「時間をとって話し合い、医院として守るべき基準を明確にしよう」と院長が歩み寄れば、スタッフは前向きに協力してくれるのです。
まとめ
歯科医院の院長とスタッフの間にある矛盾は、放置すれば退職や不信感という形で爆発します。
その矛盾を解消するために最も大切なのは “誠実な対話” です。
チームメンバーによって価値観が違うのは当たり前なので、理念を実現する為にどういう選択をするべきかで意見をぶつけ合う。
健全な意見の衝突がチーム力アップに繋がる。論議の時は院長ではなくチームメンバーの一人に徹することが大切なのです。
できれば活発な意見交換ができる様にファシリテーターの役割を果たして頂ければと思います。
先生の医院では、スタッフが感じている矛盾を一緒に話し合い、納得感を持って前進できる環境を作れていますか?
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