歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

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歯科医院経営は“地域×経営資源×実学”の掛け算で決まる  [2025年09月02日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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なぜ共通の成功戦略は存在しないのか?

「これからどんな歯科医院が成功するのか?」という質問をよく受けます。
しかし、この問いに一律の答えはありません。なぜなら、院長ごとに条件が全く違うからです。

・開業地域の人口構造や経済状況

・歯科医療需要の内容(小児、成人、高齢者)

・医院が持つ経営資源(人材・資金・設備・情報)

・院長の得意領域や治療スタイル

これらが異なるため、全ての歯科医院に共通する「必勝パターン」は存在しません。必要なのは、自院に合った「理」に適った経営です。

 

経営に必要な「5つの視点」

理にかなった経営を実現するために、以下の5つの分野を軸に考える必要があります。

1.マーケティング:地域需要と競合状況を見極め、参入すべき市場を判断する

2.管理会計:投資判断を数値で検証し、固定費に見合う売上を確保する

3.マネジメント実学:組織を動かし、スタッフを育成する具体的手法

4.医療の本質:患者に信頼される診療品質を維持し続ける

5.経営環境や政策変化:診療報酬改定や医療制度改革への対応

 

例えば、最新の診断機器が欲しくても、マーケット需要や収益性、医院規模に合致しなければ経営面での判断では導入は見送るべきです。

人口動態によって地域の歯科医療需要も変化していきますので診療スタイルもそれに合わせて変化させていかなければ需要は取れないのです。

 

歯科医院の経営的失敗は「理」で評価すれば明確な原因があります。

そして成功も院長の経営判断が「理」に適わなければ辿り着くことはないのです。

 

レッドオーシャンとスモールマーケットの罠

多くの中小規模歯科医院が陥りがちな失敗は次の2つです。

・ブランディングできないままレッドオーシャン(競争過多領域)に参入する

 → 技術・マーケティングで差別化できず、価格競争に巻き込まれる。コストを吸収できない。

・小さなマーケットで“差別化”と勘違いし、経営成果が出ない

 → 需要が少ないマーケットへの参入は誤り。需要が多いマーケットでニッチな場所にポジショニングするべきです。

 

経営判断は「やりたい治療」ではなく「市場が求める治療」を基準に行うべきです。

とはいっても、院長ごとに大切にされている治療があり、いくら採算性が悪いと言われても「医療として患者の為に止めることは出来ない」と考えられる場合も多いでしょう。

「経営のことを考えると治療がブレる」と言い切った院長もおられ、私はそういう院長が大好きなのです。

これから2040年に向けて経営環境の変化が続きますが、そういう姿勢の院長にはぜひ頑張って頂きたいです。いま以上に患者との距離を縮め、治療技術と治療説明の品質を高め「患者が離れない医院」「紹介で患者が増える医院」を作れれば、高コストであっても経営が成立し、先生が大切にされている姿勢を保ち続けられるでしょう。

 

地域環境の変化を読む力が経営を決める

大都市の中心にも、地方の過疎地にも、それぞれ違った経営リスクと成功パターンがあります。

例えば訪問歯科。

患者数が減ってから「訪問に参入しよう」と考える院長は多いですが、そのタイミングでは遅いのです。

3年後、5年後の地域需要を予測して準備し、経営資源を強化していくことが重要。

訪問診療の依頼は地域の多職種との信頼関係で増えていきますので、地域の医療介護ネットワークに頼りにされる存在を目指さなければコストを回収できるレベルには到達出来ないのです。

そのうえ、令和8年以降は訪問の評価基準も変わっていきますので、「困ったから訪問」では駄目なのです。

ちなみに高齢化率は地方が高いですが、高齢者数は都市部の方が多い。高齢者数が多いのは大阪(339.4万人)、東京、愛知の順です。

マーケティング的には訪問重要が多いのも都市部ということになるのです。

 

 

プロダクトアウトではなくマーケットインで考える

「自分がやりたい治療を広めたい」というプロダクトアウト型で成功できる院長はごくわずかです。
これからは、地域の変化・患者の需要を徹底的に読み解き、そこに医院を合わせていく“マーケットイン型経営” が必須となります。

先生の開業されている地域では現在どういった需要が多く(マーケットボリューム)、今後5年10年でどの様に変化していくのか?

ボリュームが大きいマーケットの中でどこにポジショニングするべきなのか?

これらの答えもマーケティング分析をすれば明確に表れます。ここでもマーケティングが「理」に適っているか?が問われるのです。

 

まとめ

歯科医院経営の未来を決めるのは、

・地域環境の変化をどう読むか

・自院の経営資源をどう組み合わせるか

・経営の実学をどう積み重ねるか

この掛け算にかかっています。

 

先生の医院は「5年後・10年後の地域需要」と「自院の経営資源」を照らし合わせて、理にかなった戦略を描けていますか?

医院の未来が見えない場合には「経営環境分析」にお申込みください。

先生の開業されている場所と経営資源に合う戦略を私と一緒に見つけ出しましょう。

 

 

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