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◆歯科医院経営ブログ

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ルールで縛る医院はなぜ崩れるのか?理念経営が強いチームを作る理由  [2025年07月31日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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はじめに:ルールが増えても、現場が動かない理由とは?

「業務マニュアルを整備したのに、現場で活かされていない」
「ルールを守る様に厳しく指導しているのに、スタッフの行動の質が上がらない」
「注意しないとやらない、指示しないと動かない」

 

このような状態に悩む院長先生は少なくありません。
実はその原因は、「ルールが多すぎる」こと自体にあるかもしれません。

 

ルールで縛る医院は、一見整って見えますが、スタッフの思考停止と他責志向を生み出す温床にもなります。
それに対し、理念を中心とした医院運営=理念経営を導入することで、スタッフの行動に「意味」と「一貫性」が生まれます。

 

今回は、ルール従属型マネジメントから脱却し、理念を軸に強いチームを作る方法をお伝えします。

 

 

 

ルールが増えるほど、現場では思考停止が起きやすくなる

医院が成長すると、スタッフ数が増え、トラブルやミスを防ぐためにルールも増えていきます。


しかし、「〇〇は禁止」「△△はこうする」といったルールばかりになると、スタッフは“考えるより従う”という姿勢に変わってしまいます。

・「言われていないのでやっていません」

・「それ、マニュアルには書いてませんでした」

・「他の人もやっていないので・・・」

 

こうした発言が増えてきたとしたら、それはルールの副作用かもしれません。

ルールは必要ですが、それだけでは“人の成長”も“チームの強さ”も育ちません。

 

 

 

理念がある医院は、“なぜやるのか”が明確になる

理念経営が機能している医院では、スタッフがこう言います。

 

・「患者さんの安心が第一なので、私はこの対応を選びました」

・「医院の価値観(バリュー)に沿うと、この判断が最適だと思いました」

 

これは、ルールに従っているのではなく、理念に基づいて自分の頭で判断して行動している証拠です。

理念とは、「医院として、なぜこの医療を提供しているのか」という存在意義・価値観・信念の言語化です。
これが現場に浸透すると、スタッフ一人ひとりの判断や対応の質が大きく変わります。

 

 

 

「ルール従属型」と「理念共有型」の現場会話の違い

【ルール従属型の会話例】

診療スタッフ:「今日は急患が多くてオンタイムを守るのが大変でした」「患者の〇さんがドクター待ちでキョロキョロされていたのですが、診療が遅れるので私がするべき作業を優先しました」

 

【理念共有型の会話例】
診療スタッフ:「診療が遅れ気味だったのですが、患者の〇さんがドクター待ちで不安そうだったので、他のスタッフに協力してもらい私は〇さんに声をかけました」「〇さんはホッとした顔をされていたので良かったです」

前者はルールを守るための行動、後者は医院の理念を判断軸とした行動です。

この違いが、信頼・満足・継続率・チームの信頼関係に直結します。

 

ルール従属型の場合は「オンタイム」に関する誤解からの行動であり、院長や幹部が「ルール」で行動を縛ろうとするから生じるものです。

 

 

 

 

理念を言葉にする→行動に落とし込む→評価に反映するプロセス

理念経営は、スローガンを掲げるだけでは機能しません。

以下の3ステップで現場に根付かせていくことが必要です。

 

1)理念を「行動指針」に翻訳する
 例:「患者を不安にさせない」→「診療中、3分に1回は声をかける」「患者の名前を〇回以上呼ぶ」

2)実践された行動を見える化する
 スタッフの行動を見つけて「今の行動は理念に沿っていたね」とフィードバックする

3)理念行動のコミットメントと評価

スタッフ毎の成長度に合わせた理念行動を具体化し、個人がコミットメント(宣言)した行動が出来ているのかを評価する

 

 

 

 

理念ベースでチームを作る3ステップ

1)理念を「共通言語」にする

 日々の朝礼やミーティングで、理念に紐づいた成功事例を共有する

2)スタッフが“自分ごと”として語れるようにする

 「自分がこの理念に共感している理由」を1人ひとり言語化する場をつくる

3)理念に沿った意思決定を許容する文化を育てる

 ルールから外れても理念に基づいた判断であれば、失敗も前向きに捉える

 

 

 

 

おわりに:医院の“軸”を作るのは理念。育てるのは日々の対話

ルールは行動を縛りますが、理念は行動を導きます。

そして、理念は“掲げるだけでは行動に繋がらず、“日々語り、共有し、院長自らが体現する”ことによって理念行動として共有され文化となるのです。

例えば「うちの院長はいくら忙しくても患者さんへの治療説明で手を抜かないんです」とスタッフが言う医院ではスタッフも患者への説明を丁寧に行います。

 

・理念を活かせる医院は、自発的に動けるスタッフが育つ

・理念があるからこそ、非常時にもチームはブレない

・理念行動が評価されるから、スタッフのやりがいと定着率が上がる

 

先生の医院では、「ルール」ばかりが増え、スタッフの判断力や自発性が止まってはいないでしょうか?

理念を掲げたが活かすことが出来ずに「理念を掲げても効果がない」と言っていないでしょうか?

 

 

 

「経営計画」もそうですが、「計画を作っても意味がない」と言う院長はアクションプランがなく、あってもやりきれていないだけです。

「理念」も同様であり、掲げるだけでは機能させられないのです。

 

しかし、ルールで縛って動かそうとする医院やインセンティブに頼りすぎる医院はどこかで必ず頭を打つ。

その時に初めて理念が機能していないことに気づくのです。

 

今こそ、“理念で動くチーム”を育てる医院づくりを始めてみませんか。

必要なら私が組織づくりをサポート致します。

 

 
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