歯科医院の経営改善や組織づくり、ホームページや看板の活用法指導やスタッフ育成の仕組みづくりをサポート。か強診を活用した長期管理型の歯科医院づくりなど。開業医団体で30年の勤務経験があり安心してご依頼いただけます。

 
◆歯科医院経営ブログ

歯科医院経営コーチの森脇が歯科医院経営に関する情報や感じたことを気ままに発信します。会員限定ブログと違い誰でも読むことが出来ます。

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歯科業界に迫る人材不足とその未来図を直視する ~パート・短時間勤務者の活用と支援制度の導入~  [2025年05月24日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
しかし、答えは書きません。院長によって経営状況は違いますのでスタッフと一緒に考えて頂きたいからです。
もちろん、経営のサポートのご依頼は喜んでお引き受け致します。
では、本日のブログもご自分の医院の状況に照らして考えてみてくださいね。
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 院内の「見えない壁」に気づいていますか?

ある郊外の歯科医院では、以前リーダーとして活躍していた歯科衛生士が、出産・育児を経てパート勤務で復帰しました。院長もスタッフも、彼女の復帰を喜び、勤務時間や業務内容に柔軟に対応してきました。しかし復帰後しばらくして、彼女はこう語りました。

「今の働き方に不満はないけれど、皆が外部研修でスキルを伸ばしたり、新しいプロジェクトに関わる姿を見て、自分は置いていかれているようで苦しい…」

これは、労働時間の制約よりも「成長機会の喪失」からくる、自己効力感の喪失です。医療現場において“貢献している実感”は、給与や制度以上にモチベーションを左右します。

先生の医院では、パートや短時間勤務スタッフに、どのような成長機会を提供していますか?

 

 

 

成長意欲を活かせるかどうかが、医院の未来を左右する

日本の医療界では、人材不足が深刻になっていきますし、労働者をめぐる生活環境も厳しさを増しています。スタッフによっては子育てに集中したい人もいますが、「今までチームメンバーの中心として頑張ってきたのに・・・」と補助的な役割に自尊感情が低下するスタッフもいるのです。

「意見を言っても私は時間的制約で参加できないし、他のスタッフの負担を増やしてしまう・・・」「後輩がリーダーを担ってくれているから、意見があっても控えて邪魔をしない様にしないと・・・」と考えるスタッフは多いと感じます。

パート・短時間勤務者の「補助的戦力」扱いからの脱却する。成長意欲とスキルのある人材に対して、役割と責任を与え、評価対象とする仕組みを整えることが、持続可能なチームづくりにつながります。もちろん、子育て中に必要な配慮は十分に実施した上で「あなたは過去もそして現在も当院の中心メンバー」だと本人が感じられる状態を作る必要があるのです。

 

 

 

自己肯定感が高まる院内制度とは?

たとえば、以下のような取り組みは、パートスタッフの自尊感情を高め、離職率の低下にも貢献します。

・プロジェクト単位の役割設定

時間ではなく、成果で役割を評価。パートでも担当者になれる仕組み。

・院内研修・症例共有のアーカイブ視聴

短時間勤務でも知識共有の機会を確保。

・業務マニュアル・引き継ぎの仕組み化

担当替えや急な休みでも安心して業務を続けられる環境。

・個別面談制度の充実

短時間勤務者のキャリア希望を定期的にヒアリング。子育てのステージに合わせて、本人が本格的復帰へのステップがイメージできる様にする。

実際にある医院では、月2回のリーダーミーティングにパートのスタッフも参加できるよう時間を調整しました。そして子育て中のスタッフが「子育て応援プロジェクト」「在宅勤務制度構築プロジェクト」、そして患者向けの「母親教室プロジェクト」のリーダーに。これにより、発言機会が増えただけでなく、「チームの一員として見てもらえている」という実感につながりました。

 

 

 

人材不足時代の競争力は「活かす力」にある

今後の医療制度改革では、医科歯科連携やチーム医療の推進が重視され、報酬体系も「チーム単位」の評価へと進む見込みです。これは、時間に制約のあるスタッフであっても、チーム貢献によって正当に評価される可能性を意味します。

特に郊外エリアでは、人口減少と労働力不足の影響を早期に受けることから、「正社員中心」の発想を転換し、いかに多様な働き手を活かすかが、生き残りの鍵となるでしょう。「子育て中のパートスタッフが意見があっても気を使って発言を控える」という環境を作ってはいけないのです。

 

 

先生の医院では、パートタイムスタッフの成長支援や役割設定について、どのような仕組みがありますか?

「働きやすさ」の次に必要なのは、「やりがい」を提供する体制かもしれません。

このテーマに興味を持たれた先生には、具体的な院内制度の設計支援もご案内できます。お気軽にご相談ください。

 
 
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