今日は歯科医院の成長に必要な「マーケティング視点(習慣、認知、ブランディング)」。
1.オペレーション視点(業務効率化)
2.患者視点(サービス向上)
3.歯科医療としての視点(医療の質)
4.5S視点+安全視点(職場環境・感染対策)
5.マーケティング視点(集患・認知・ブランディング)
「ネット時代」でも変わらない“リアルな信頼”の価値
現代の情報収集手段は、かつてと比べて大きく変わりました。かつては保護者が保育園や学校で得た情報をもとに医院を選び、地域の噂や紹介が集患の要でした。しかし現在はSNSや検索サイトで情報を得るのが当たり前になっています。こうした中、歯科医院でも「ホームページでの印象を良くしたい」「SNSで発信したい」という声がよく聞かれます。
しかし、ネットに強いだけでは限界があります。特に40代以上の層や子育て中の親世代、高齢者は、ネットだけでなく“誰がすすめたか”“どんな人が関わっているか”を重視しています。その信頼構築に有効なのが、地域連携と教育活動なのです。
先生の医院では、ネット以外の方法で信頼構築を図る取り組みをされていますか?
地域連携が医院にもたらす3つの効果
地域連携・教育活動には、大きく3つの効果があります。
1.医院の理念・方針を地域に理解してもらえる
2.「応援者(勝手に紹介してくれる人)」が自然と増える
3.スタッフが社会貢献に誇りを持ち、医院のブランド価値が高まる
たとえば、ある郊外の歯科医院では、院長が保育園で「虫歯にならない生活習慣」や「口腔機能の健全な発達」について講演を行い、園児の保護者向けに重要性を伝えました。講演後、園の保護者から「診てもらいたい」との声が増え、今では“園のかかりつけ歯科”として信頼を得ています。
このようなリアルな関係構築こそが、ネットにはできない医院の「見えない価値」を地域に浸透させていくのです。
地域連携が求められる時代背景
国が進めている「地域包括ケアシステム」では、歯科医院にも地域との連携が強く求められています。令和8年以降の診療報酬改定においても「地域包括ケアとの整合性」や「多職種連携の成果評価」が重視され、単なる“訪問回数”ではなく、地域との協働・成果・ICT活用が評価対象になっていく流れです。
こうした制度改革の中で、「地域とのつながりが弱い」「他職種と関係がない」医院は、制度上も経営的にも厳しくなっていきます。まさに、今後の成長のカギは“ネットより地域”といっても過言ではありません。
まずは小さな一歩から:多様な連携先と具体例
地域連携といっても、いきなり行政や福祉施設と連携するのはハードルが高いかもしれません。ですが、以下のように多様な選択肢があります。
・教育機関:保育園・小学校・ママ友有志の集まりでの歯磨き指導、講演
・地域団体:商店街、町内会、子育てサークルへの出張講座
・企業:健康経営に関する経営者学習会企画、定期健診のサポート
・医療福祉機関:ケアマネージャーや訪問看護との勉強会実施、連携カンファレンス
・大学・医科との連携:紹介・逆紹介体制の整備(こちらから紹介を始める)
実際にある都市近郊の医院では、院長と経営者団体との繋がりから、地域の異業種交流会で健康セミナーを実施。企業の福利厚生サービスの一環として、定期健診を提供する仕組みを作り、結果として法人からの紹介患者が増え始めています。
院長の「本気」がすべての起点
連携を始めるためには、院長自身の「どの分野で地域に関わるのか」という意思決定が不可欠です。その想いに共感し、スタッフが同行して地域の現場に出ることで、自然と医院の取り組みは広がっていきます。
特に重要なのは、「売上」や「集患」よりも理念や貢献を優先する姿勢です。それこそが地域の信頼を勝ち取り、「勝手に応援してくれる人」が現れ、結果として集患・自費治療比率アップに繋がるのです。
医院の理念を実現する手段として、地域連携は極めて有効です。そしてその先にあるのは、単なるマーケティングを超えた、地域の健康を支える“中核医療機関”としてのポジション獲得です。
先生の医院では、どの地域機関・団体との連携から始められそうでしょうか?
本記事を読んで「もっと具体的な連携方法や進め方を知りたい」と感じた方は、お気軽にご相談ください。医院の規模や立地に応じた最適な取り組み方をご提案いたします。